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動画検索、画像検索の SEO を考える前に「10本の青い Web ページへのリンク」を表示するだけだった検索エンジン各社の Web 検索が、2007年春以降、様変わりしてきた。検索意図に応じて、Web 検索結果上に動画や画像、Blog、ニュースなど、多岐にわたるデジタルコンテンツを混合して表示するブレンド検索(blended search)がそれの契機だ。
2007年5月に Google は「ユニバーサル検索(Universal Search)」という名称でリリースし、現在は日本を含む150か国、100言語にて利用可能となっている。また、日本最大の検索シェアを誇る Yahoo!JAPAN もこの12月に正式に Yahoo!ダイレクト検索の1つとして地図や不動産、グルメ、ショッピングなどと連携して、関連語句での検索時に Web 検索に直接それらを複合的に表示するようになった。 こうした検索技術・サービスの進化は、ネットリテラシーの低い検索利用者でも自分が探し求めている情報を簡単に探せるようになること、検索機能を切り替えずともかつて知りえなかった様々な情報にアクセスできるなど、検索体験がかなり向上することになるだろう。 また、検索サービス提供側にとっても検索結果のレリバンシー(関連性)を高め、便利になることで多くのユーザーに利用してもらえる。そして、利用者が増加し継続的に利用してもらうことで、広告収益も得られるというメリットがある。こんな具合に検索結果の複合化・ブレンド化は意味があるものだろう。 さて、この自然検索における変化が検索マーケティングサイド、とりわけ SEO に携わる関係者にとってどんな意味があるかを考えてみよう。 これまで基本的に「Web ページ」のみが表示されていた自然検索で、様々なフォーマットのコンテンツが表示されるようになった。クエリによっては動画だったり、Blog だったり、商品検索(※ 2008年12月10日時点で日本は対応していない)だったりする。 ここまで説明すると、「じゃ、今後は動画や画像を用意して、それらできちんと上位に表示されるように対策しないと、クリックしてもらえないんですね?」という人が多いのだが、ちょっと待って欲しい。検索エンジンが動画や画像も表示するようになることと、それらに対策をすべきか否かは全く別の問題だ。 たとえば、ネクタイの結び方について調べようと検索したユーザーの場合を考えてみよう。この場合、(1)テキスト、(2)画像、(3)動画のいずれのフォーマットで説明されるものが、もっとも検索利用者にとって便利と感じるだろうか。 ネクタイの結び方は文章で説明されてもわかりにくいこともあるので(はじめてネクタイを結ぼうとしたときのことを想像してみてほしい)、動画や画像のコンテンツで提示された方が便利だと感じる人も多いかもしれない。 このケースでは、それに該当する動画や画像をきちんと用意し、上位に表示されていたら、レリバンシーが低いと感じる人は少ないかもしれない。同様に「剣道形(けんどうかた)」の方法について知りたい時も、動画コンテンツが見つかった方がいいという人も多いだろう。 しかし、「富士山の高さ」「新作ゲームの発売日」といった事柄を検索するときに、それらを動画で説明されたコンテンツを提示されて、従来の検索サービスより便利だと感じる人はどれだけいるだろうか。テキスト文章で説明されていればよい、そういった情報を求めるユーザーに対し、動画や画像でわざわざ提示しようとしても、それはサイト運営者側のわがままであって検索利用者が必ずしも便利と感じるわけではない。 つまり、検索結果に様々なフォーマットのコンテンツが混合して表示されるようになったからといって、サイト運営者がそれらのフォーマットを用意しなければいけないという話ではないので注意して欲しい。 あなたが運営するサイトが持つデジタルコンテンツの中に、ある検索クエリに関連性を持つコンテンツが複数存在し、かつ最も回答としてふさわしいコンテンツのフォーマットが画像(動画)であったのならば、そこで対応を検討すればよい。 あるいは、Eコマースサイトで各商品ごとにサンプル写真をもともと保有しているのであれば、検索されたときに商品画像と Web ページの両方が表示されるように、サイトやページのアーキテクチャを再構成することを考えればよい。 しかし、「動画や画像の方が目立つでしょ」という安直な理由でわざわざコンテンツを作成し、それらを無理に上位表示しようとしても、あなたの「上位表示」願望は叶うかもしれないが、検索利用者が満足する結果になるわけではないのだ。 今日の企業のサイトは商品のブランドサイトで TV CM の動画や Flash を使った簡単なゲームを掲載したり、様々な画像を駆使したサイトも多くなっている。検索を駆使する消費者とのマーケティングコミュニケーションを重視する企業であれば、大抵の場合、自社が保有するデジタルコンテンツも検索可能(findable)な状態にすることが、会社全体の利益に適うことは多いだろう。 一方で、検索意図を汲み取り、検索エンジンを通じて提示すべきコンテンツのフォーマットは何なのか、という視点も持ち、どのようなサイトを構成することがユーザーの利益にもなる最適化行為となるかも考えていくことが要求される。 (執筆:株式会社アイレップ 取締役 SEM 総合研究所 所長 渡辺隆広) 記事提供:アイレップ
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