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2009年 進化を遂げる検索――(1)ユーザー最適化を進める検索エンジン、そして SEO はどう変わる?2004年3月に米国 Google がパーソナライズ検索(Personalized Search)をリリースした時、検索業界の専門家から「将来、(多くのマーケッターが当たり前の尺度として利用する)ランキングという指標が意味を持たなくなってくる」という指摘がなされていた。
また筆者自身も2007年に何度かコラムや講演において、検索技術の進化により検索結果がキーワードや地域、ユーザー、ソーシャルグラフに応じてリアルタイムに個別化されることにより、普遍的なランキングの意味が消滅する、少なくとも相対的な重要性が大きく低下する可能性について言及してきたが、2009年、それらに大きく関心を寄せ、対応を検討しなければならない時期となっている。 これは、特に Google がパーソナライズ検索やユニバーサル検索(Universal Search)、さらに検索ボリュームや検索行動などのユーザーデータを反映して、リアルタイムに検索結果を更新していることに起因する。 「Google の話か。日本は Yahoo!JAPAN だ」と思われている方もいるかも知れないが、Nielsen Online の調査によると検索利用者数は Yahoo!JAPAN が約3,700万人に対し、Google は2,700万人、比率にしておよそ6:4(2008年10月)。着実に Google の検索利用者数は伸びており、検索マーケティング担当者にとっては決して軽視できない存在になっていることを心に留めておいて欲しい。 さて、話を戻そう。ユニバーサル検索はキーワードへの最適化、パーソナライズ検索はユーザーへの最適化という見方ができる。つまり、同じ文字列というキーワードであっても、すべてが Web ページというテキスト形式の情報ページを求めているわけではない。 先日のコラムでも触れたように、検索意図が求める答えは地図や画像、動画のケースもあるので、クエリに応じて Google は検索結果に表示するコンテンツを自在に変えてくる。 また、同じキーワード「SEM」であっても、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)と検索エンジンマーケティング(Search Engine Marketing)どちらを求めているかはユーザーに依存するためパーソナライズによって解決する。 仮に(Google アカウントにログインしていなくても)同じ SONY や Panasonic と検索した場合に、日本在住のユーザーとサンフランシスコ在住のユーザーでは異なる(後者なら米国法人のサイトを求めているかも知れない)ため、ジオロケーション技術を用いて両者のユーザーに対する検索結果を変化させる。 これに加えて、世の中の話題やトレンドを反映させることで、さらに検索結果の関連性(Relevancy)を改善することが可能だ。QDF の仕組みによりリアルタイムに順位が変動していることは以前触れたが、これにユニバーサル検索を通じたコンテンツが入り込むことでも順位が変化することも多々増えてきている。 たとえば、「お正月」というキーワードで2009年1月1日に検索すると、Google からのメッセージのほか、お正月に関連するイメージ結果が最上部に表示されていた。しかし1月6日以降は、イメージ検索は一切出ていない。 同様に、昨年10月中旬から末日にかけて「ハロウィン」と検索すると、ハロウィンの画像(かぼちゃのオバケ)や動画が検索結果中に含まれていたが、11月1日になると画像や動画は消え、今度はハロウィンイベントに関するニュースが表示されるようになった。そして2009年1月8日現在は、単なる10本の Web ページへのリンクを表示しているに過ぎない。 こうしたキーワードやユーザー、時間による検索結果の変化というのは、よほど専門的な業界でない限り、常に影響を受ける可能性はある。たとえば1月8日現在、「派遣」と検索すると、Google 検索最上部は最近の派遣問題に関する Google ニュース結果のボックスを表示するし、「証券」でも同様にニュースと Blog のコンテンツが混在して表示される。 以上のように、様々なバーティカルコンテンツが通常の Web 検索結果の中に差し込まれて表示されるため、一般の検索利用者が閲覧する検索結果における「あなたのサイトの順位や位置」というのは常に変わっていることになる。ある人がある時間で検索した時、2番目に表示されていたサイトが、別の人が同時間あるいは別時間に検索した時は、5番目かも知れないし、1番目かも知れないのだ。 もちろんキーワードによって例外は存在するのだが、こうした検索サービスの変化を通じて、検索マーケティング担当者(とりわけ自然検索、SEO)が注意しなければならないことは、ある一時点のランキングだけ見て効果を判断するという作業は、もう意味が薄れてきているということだ。 ランキングを見て判断することが十分であるためには、前提として「いつ、誰が検索しても同じキーワードを使う限り、検索結果は同じ」でなければいけない。しかし、現在は検索技術が進化したことで、その前提が崩れつつある。だったら、変えていかなければいけないのだ。 筆者自身は決してランキングという指標は否定しない。これは簡易的に SEO のパフォーマンスを評価する上では便利であるし、SEO の目的がオンラインプレゼンスの維持やブランディングにあるのであれば、その KPI は順位であってしかるべきだからだ。 しかし、トラフィックや会員獲得、セールスなどへの影響の観点から自然検索対策を実施しているのであれば、単にランキングだけでなく誘導数や、ランディングページの適切さ(Preferred Landing Page)、CPC(SEO への予算投下額/誘導数)などの観点から、本当に SEO は効率的な運用がされているのか?というところを見なければならない。 自分のパソコンで順位が3位だと喜んでいたが、実際には相応の訪問者が来ていないという事態や、逆に順位が低いと思っていたらユニバーサル検索の以外な入り口から訪問者がやってきているということに気がつかず、機会損失が発生していることもありえるからだ。 次回は、Google のユニバーサル検索と同様に、検索結果へのコンテンツ混在化を進めている Yahoo!JAPAN について触れる。 (執筆:株式会社アイレップ 取締役 CSO SEM 総合研究所所長 渡辺隆広) 記事提供:アイレップ ![]()
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