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Googleのフェーズ2をどう考えるか今年の1月1日、グーグル日本法人の新社長にソニー株式会社にて VAIO 事業創業期の事業責任者やそのほか数々のカンパニープレジデントを歴任してきた辻野晃一郎氏が就任した。氏は2007年4月にグーグルへ入社以来、執行役員や製品企画本部長などを務め、日本におけるグーグルのサービス全般を統括してきた方だ。
その氏が、1月26日に開催された Google 説明会で興味深いスピーチを行った。 内容は、Google の現状と今後の商品展開、Google の基幹である広告ビジネス展開という“一般的な”内容だった。しかし、それは Google が世界をその手中に収めることを可能にしてきた唯一の方法でもあり、抽出すべきエッセンスや平坦な言葉に隠された Google の行き先は、私たちの足元を照らしその先のゴールを指し示すものだ。こと広告業に関しては、今以上の展開や提案がシームレスに、そしてスマートにそれらがもつ可能性を広げていくものと認識している。 ■Google はフェイズ1からフェイズ2へ まず氏は、Google のグローバライゼーションに関して“フェイズが移行した”と述べた。このフェイズとは、Google が執ってきた“Google”というブランド・サービスのオペレーティングについてである。 フェイズ1は、Google が今まで行ってきた世界中のどこにいても Google の均一なサービスを利用できるという One Google の考え方を主にした、米国にセントライズされた Google のサービス展開だった。 この展開方法は功を奏し、世界中でほぼ同じクオリティでの Google サービスの認知とその地位確立に多大な影響を及ぼした。これは一貫した Google のイメージを創作するのみではなく、そのサービス情報が伝達する速度を速めることにも寄与した。 それを使用するユーザーの認識をあらかじめ共通のものとすることで、オンラインでのサービス利用のみではなくオフラインでの情報認証や情報交換を容易になり、結果私たちが見てきた Google という種が一瞬にして大木になるという現象が起きた。 そして今、Google はフェイズ2にさしかかろうとしている。 Google の目指すフェイズ2は、今まで執り行ってきたフェイズ1のオペレーションとはまったく逆方向への展開。これまで一貫して世界的にグローバルなイメージを創作してきた Google が、今後は地域の違い、国や文化、生活環境などそういった特色を意識し取り入れ、しなやかなグローバライゼーションを完成させようとしている。 それは結果として、Google というサービスは世界共通のキーワードと認識され続けながら、各地域の特徴や特色を理解し、Google を利用するユーザーへより身近でより有益なサービスを提供できるシステムへと進化することを意味する。 Google の考えるユーザーとは、コンシューマーのことを指すのではなく、例えば Google アドワーズに広告を出稿する企業もユーザーであり、パートナーだ。ということは、コンシューマーも Google にとってはパートナーであり、特徴や特色を理解し、共有すべき同志と考えていると理解すべきだろう。 ■本当のブランディング広告はこれから また辻野氏は、人々の Google 利用の多くを占める購買行動について、今後は Google が今以上に関与できるようになると考えている。 フェイズ1、フェイズ2で進化と厚みが出るのは、AISAS(Attention(注目)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有))の「Search(検索)」の部分だ。これに関しては、Google の基幹サービスである検索連動型広告が Google のパートナーであるコンシューマーと企業を繋ぐ有効的なサービスとして、また Google 検索機能の自然検索結果の付加要素として有効活用されている。 今年、Google のサービスである YouTube もフェイズ2を迎えることになると氏は続けている。それは、いままでプル型だった Google の体質から、注意を喚起し興味を促すことを始める、いわばプッシュ型への変貌を遂げるということだ。これは Google の YouTube 収益化と同義語であり、それなくしては成し遂げられないものである。それはただの Google がみる夢物語なのだろうか。 現状を鑑みると、インターネットという広い意味での“媒体”と、Google というプラットフォームを介して情報が提供されている状況は、テレビという“媒体”と、番組というプラットフォームを介して情報が提供されている既存の「メディア」とかなり近い状態にあり、現にそういった“使い方をされて”いる。 そう、すべての人々にとって、それはメディアの移行ではなくメディアの拡張に他ならない。ということは、AISAS の初期段階、「Attention(注目)」と「Interest(関心)」についても Google は YouTube というキラーコンテンツにより勢力を拡大することになる。 そして、Google のパートナーであるコンシューマー、企業も、情報の収集や情報の提供に対し今以上のアプローチを取ることができ、また地域密着グローバライゼーションによりピンポイントで有用な情報を得ることができるようになっていくだろう。 ■Google のメディア論 このようなスピーチの背景に氏が含ませているのは、Google はサービスからプラットフォームへ、プラットフォームから媒体・メディアへと進化していくということだろう。その構想は、私たち Google 利用者のすぐ近く、目の前で行われている。 近いからこそ見えていない状況の変化・進化は、確実に私たちの住む世界を変えている。それはドラスティックなものではないかもしれないが、ビビッドに、軽快に進んでいる。その変化・進化は、もちろん Google のみで起こっているものではなく、そのパートナーであるコンシューマー、企業すべてで起こるはずだ。なぜなら、Google は私たちの手の中にあるからだ。 今、私たちに必要なのは、そういったことに気づくことができるちょっとした“セレンディピティ”ではないだろうか。そうした能力を持つことで、今後のインターネットメディアの全体の流れを肌で感じとることができるかもしれない。 (執筆:株式会社ファンサイド チーフ・コンサルタント 鈴木 浩也) 記事提供:ファンサイド
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