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2009年5月14日 12:10
最新決算情報に基づく、mixi、モバゲー、GREE、ニコニコ動画のビジネスモデル比較このゴールデンウィークの前後にかけて、日本最大の SNS「mixi」を運営する株式会社ミクシィと、日本最大の携帯 SNS「モバゲータウン」を運営する株式会社ディー・エヌー・エーが相次いで決算発表、またニコニコ動画を運営する株式会社ドワンゴも第二四半期の業績発表を行なった。
今日は、その最新情報をもとに、日本の代表的なソーシャルメディアである、mixi、モバゲータウン、GREE、ニコニコ動画の4サービスを取り上げ、そのビジネスモデルを比較してみたい。 なお、この情報ソースは各社が投資家向けに公表している最新の営業報告をもとにしているが、基準が同一でなく、一部筆者の推定が含まれている。特に GREE については、アバター売上と有料会員売上の比率は公開されておらず、あくまで推定値として閲覧いただきたい。(より正確な情報があれば、ぜひ筆者宛ご指摘いただけると幸いです) ■ 日本トップのメガ SNS「mixi」 会員数1,500万人を超える日本最大の SNS である mixi は、モバゲーや GREE と比べコンテンツが弱い。したがって有料課金のツールが限られるため、米国型で広告収入に依存したビジネスモデルになっており、現時点では広告収益以外としては有料会員サービス「mixiプレミアム」の売上のみ、約7%とごくわずかだ。 現在、PC 利用が低迷する一方、携帯利用は急成長しており、実はすでに70%以上が携帯からのアクセスとなっている。自社コンテンツを強化し、複合型ビジネスモデルで利益率を高めているモバゲーや GREE タイプに対し、mixiはコンテンツを外部に求めるオープン化戦略を志向している。これは Facebook に代表されるビジネスモデルであり、彼らが一気に Myspace を抜き去る要因となったコンテンツ差別化戦略である。 外部アプリケーションで得られる収入の多くは開発デベロッパーのものとなるため利益率は低下するが、多様なサービスをコストなしで取り込むこととなり、モバゲーや GREE と異なる成長曲線を描き始める可能性がある。 ■ ケータイ SNS のパイオニア「モバゲータウン」 モバゲータウンは、1,100万人の会員を持つ携帯 SNS および複合型ビジネスモデルのパイオニアだ。 (1)ユーザーは、ケータイ無料ゲームというキラーコンテンツに惹かれ集客される (2)ゲームアイテムやアバターで消費マインドを刺激される(これは韓国メガ SNS「CyWorld」の手法) (3)欠乏気味の「モバゴールド」を獲得するために、モバゲーを通じて EC サイトを訪問するというステップを通じて、広告収入を上回るアバター収入やアフィリエイト(成果報酬型広告)収入を得ている。 近年のモバゲータウン収益急拡大は、このビジネスモデルに起因するものだが、ここに来て成長鈍化が顕在化した。会員数は堅調に伸びているが、ページビューは微増にとどまり、売上の7割を超えるアバター/成果報酬型広告売上が四半期ベースで減少傾向となっている。広告代理店との包括提携で純広告売上が増加し今期は一定の成長を見たが、GREE の追い上げも激しく、次の一手が期待される。 ■ 最も収益性の高い複合型ビジネスモデルを持つ「GREE」 GREE の特徴はその柔軟な戦略性だ。PC では mixi に圧倒されたため主軸を携帯にシフトし、花丸急成長だったモバゲータウンのコンテンツやビジネスモデルの良いところを忠実に学習し、取り入れていった。 モバゲータウンと異なる点は、携帯の「GREE プラス」や PC の「GREE プレミアム」など有料会員からの収入も獲得しているところだ。これにより GREE は最も進んだ複合型ビジネスモデルを実現し、経常利益率57%という圧倒的な収益性を誇るサービスとして進化した。 先行ライバルであるモバゲータウンが伸び悩む中、GREE は堅調に広告売上および会員課金売上を成長させている。原因のひとつはその会員の年齢属性があろう。媒体資料によると、10代比率が36%のモバゲータウンに対して GREE は27%。また30才以上の比率はモバゲータウンの23%に対して36%となっており、ユーザーの購買力に明らかな差があることがわかる。 これに対してモバゲータウンでも「オトナゲ」などで幅広い会員獲得に乗り出している。またコンテンツの観点からは、単発モノでシンプルなゲームの多いモバゲーに対して、GREE は継続利用を意識したゲームが多く、会員の定期訪問に貢献している点も見逃せない。 ■ 収益性に課題を抱える「ニコニコ動画」 日本版 YouTube といえるニコニコ動画は、「ニコニコ動画プレミアム」という有料会員を大きく伸ばしており、収益の約3分の2としている。ただし現時点で年約8億円の赤字で、収益上の課題点がある。 (1)動画インフラのコスト。録画時間無制限の競合など、競争は激化している (2)著作権問題。収益の1.875%を JASRAC に支払う義務がある。ただし CD や PV のアップロードは引き続き認められておらず、追加コストリスクもある (3)2ch との関連イメージが強く、スポンサーがつきにくいといった点だ。動画にコメントを融合させた文化を作り出した貢献は高く、ぜひこの課題をクリアしてほしいと願っている。 さて、上記の図を詳細な表にしたものはこちらである。 総論でいえば、成熟感のある mixi とモバゲー、急追する GREE、赤字体質脱却を目指すニコニコ動画という相対的なポジションが浮き彫りになっている。また今後の注目は、真っ先にオープン化戦略を選択した mixi であり、台風の目となる可能性が高い。 これは海外での Google vs Facebook というソーシャル・プラットフォームの覇権争いに端を発している(mixiは、google の提唱する OpenSocial を採用)ものだ。ただし収益面から見ると、オープンコンテンツ化戦略でに舵をきった拡大路線の mixi と、クローズコンテンツ戦略で複合型ビジネスモデルにより収益力を重視するモバゲー、GREE という対比軸が浮かび上がってくる。 執筆:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹 監修:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造 ![]()
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