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リクルートエージェント |
誰も知らない、語らない転職裏話。エージェントを通じて転職した人、やっぱりやめた人。転職を考えていない人でも、真面目に考えている人でも楽しめる、日替わりコラムです。
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面接会場は秋葉原
著者: リクルートエージェント プリンター用 記事を転送
▼2003年4月1日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
大手メーカー系列に勤務するYさん(25歳)は口べたなタイプのエンジニアだったが、転職の目標ははっきりとしていた。
「僕は、これまでは品質管理の業務を担当してきました。それはそれで立派な仕事だと思っています。でも、僕はモノを作る仕事が好きなので、開発をしてみたいんです。それも、ハンダを使ったりして、自分の手で作っていくような、アナログの開発がいいんです」
高専出身のYさん、モノ作りがしたくてメーカーに就職したものの、今の仕事は評価や解析といった検査業務ばかり。異動願いを出してはいるが、会社の人事をみていると、ソフトウェアの開発部署にいく可能性はあっても、ハードをいじるアナログな開発が出来る可能性は、ほとんどゼロだという。
「小さい会社でもいいですし、最初は開発の仕事でなくてもいいです。自分の手を使って仕事ができる、ソフト・ハード両方やらしてもらえる会社を、さがしてます」
たどたどしいながらも、熱意を持って訴えてくるYさん、しかし、開発の経験がないため、転職はそうそう容易ではない。幾つかの会社で面接にはなったが、口べたな性格も手伝って、なかなか良い結果に恵まれなかった。
精密部品メーカーA社も、そんな幾つかの会社のなかのひとつ。
「大手の系列会社に在籍していたくらいだから、素養はあるだろう」と、一次面接にYさんを招いたものの、「誠実そうな青年だけど、喋りがちょっとねぇ。うちのエンジニアも、作ってるばかりじゃなく、いろいろ打ち合わせに出たりすることも多くなったし、営業に同行して売り込んでもらうようなこともあるから、喋りが苦手なのは厳しいなぁ」と、人事は不採用の連絡をしてきたのだ。
しかし、数日後、A社から「いったん、ダメといったのに、こんなお願いをするのは、礼儀に反するのかもしれませんが、現場の方がYさんに会ってみたいといっているんです」という連絡があった。
なんでも、Yさんの自己PR文をみたベテランエンジニアが、Yさんに興味を持ったのだという。他に内定が出ている会社があるわけでもないYさんにとって、たいへん有り難い話だった。
「もちろん、お願いします」
敗者復活に意気込むYさんだったが、この面接にはひとつの条件がついていた。面接の場所は、A社ではなく秋葉原、それも秋葉原の電気街で執り行うというのである。
一次面接で自分を売り込むためにYさんは、「小さい頃から、ラジコンが趣味でした。機械いじりが好きで、部品をさがしに秋葉原に来たりしていました」という話をしていた。それを聞いた、やはりラジコンマニアのA社社員が「それなら、見込みがあるかもしれない。実際に秋葉原を歩きながら話をしてみたい」と申し出てきたのだという。
最初は驚いたYさんだが、秋葉原は一日いても飽きない場所、むしろ喜んでこの話に承諾した。そして、その結果、Yさんは見事の内定を勝ち取り、A社に入社することになったのである。
この逆転劇に、Yさん以上に驚いていたのは、A社の人事担当者だったかもしれない。
「Yさん、一次面接の時とは別人かと思うくらい、活き活きと話をするんですよ。電気部品を手にしたとたん、口が滑らかに動くようになるんですから、いや、技術屋さんっていうのは、ああいうものなんですね。あらためて思い知りました」
面接室を飛び出してこそわかる、人間の資質というものもある。工場を見ながら改善点を話し合ったり、営業に一日同行したり、そんな選考はかしこまった質疑よりも多くのことを教えてくれるのかも知れない。
※このコラムは、事実を元にしたフィクションです。
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