|
事業仕分けによる次世代スーパーコンピューターの開発予算削減について、どうお考えですか?
|
採用担当の矛盾中堅のソフトハウス:A社の人事課長、Mさんは、怒っていた。理由は、エンジニアの確保がうまくいかず、採用予定数の半分も消化できずにいたからだ。
「確かに景気が良くなってきて、売り手市場に移りつつあるのはわかりますけどね...こっちも人を採用しないと、事業計画が成り立たないんですよ。なんとか紹介してもらえませんかねぇ」 我々としても、別にMさんに意地悪をしているわけではない。Mさんが提示するA社の採用条件が高すぎるのが問題だった。というのも、A社の親会社で、A社に仕事を発注する側であるB社が、ほぼA社と同じ採用条件で求人募集していたのである。仕事内容の魅力に加えて、処遇面でもB社がA社を凌駕している。A社になかなか紹介できない事情とは、そんなところにあった。 「確かに、B社は大手でA社はその下請け的な色合いが濃いですよ。でもね、大手では出来ない仕事の広がりっていうのがあるはずなんですよね。それに、組織が小さい方が、アットホームな雰囲気もあって楽しいと思うんですよ」 Mさんの言うことにも一理ある。実は、Mさんは元々B社の人事で働いていたところ、子会社であるA社の人事に出向してきた人なのだ。「両方見てきた私だからこそ、A社の魅力を語れるんです」。Mさんは、いつも胸を張って語った。 「...わかりました。処遇面で改善を求めるっていうのも難しいとは思いますが、せめてエンジニアに求める採用条件を少しでも緩和してもらえませんか?」 こんなやり取りの後、Mさんは多少緩くなったエンジニア採用条件を提示し、我々からも若干名ではあるが、応募希望者を紹介することができた。 それから数週間後。苦労の甲斐もあって、ようやく一名のエンジニアがA社の内定を得るに至った。Mさんから「一度、来て欲しい」と連絡が入ったのは、そんな折のことである。 「実は、人事で一名、欠員が出ることになりましてね。採用実務に長けた人を紹介して欲しいんです。いや、欠員っていうのは私が親会社に戻れることになりまして・・・私の後任なんです」 「戻れる」ってことは異動を希望していたのか? と勘ぐりつつ事情を聞くと、以前から親会社に戻して欲しいと打診し続けたMさんの粘りが呼び込んだ帰参のようである。喜色満面のMさんは、A社を抜けたい理由を言い訳でもするようにまくし立てた。 「でもね、ほら、やっぱり仕事をするなら、大きなフィールドでやった方がいいじゃないですか。B社とA社を比べたら、B社の方が仕事も大きいんですよ」 言い訳になっていない、と思いつつ、これまでMさんが語ってきたA社の魅力とは何だったのか、とため息をつく我々なのである。 ※このコラムは、事実を元にしたフィクションです。 |
japan.internet.com 10周年記念
インターネットコムマーケティングセミナー ROI を最適化するパフォーマンスマーケティングの最前線 【12/16(水)13時〜 東京・赤坂】 申込はコチラ>>
|