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事業仕分けによる次世代スーパーコンピューターの開発予算削減について、どうお考えですか?
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社長教育「優秀な人がいれば、年収なんて1000万でも2000万でもだす用意はあるよ」
ベンチャーA社M社長がそういったとき、隣に座る人事Iマネージャーの目がギロリと不穏な動きをした。 M社長はそれに気づくこともなく、A社事業がいかに有望か、将来の大きなビジョン、顧客先での好感触といった話を15分ほどぶちあげ、「細かい話はIとしてくれ」と言い残して去っていった。 社長は景気のいい様子だったが、残ったIマネージャーはまったく冷静で「どう思われますか?」と我々に意見を求めてきた。 「社長はたいへんアグレッシブですね」 「大きな契約がまとまって、気が大きくなっているんですよ。今回の採用も、事業拡大に伴うものです。しかし、そんなに優秀な人がうちに来てくれるものでしょうか?」 「そうですね。本当に年収2000万が出せるなら、経営幹部として、商社や銀行で一線を張っていた人も興味を示すでしょう」 Iマネージャーは眉尻をあげ、少し考えてから言った。 「それも面白いかもしれません。何より、社長が『出せる』と言っているんですから」 A社の採用活動が始まると、年収の金額をみて「我こそは」という猛者たちが集まってきた。 選考は一回目から社長面接。事前にIさんが15分ほど会社説明と簡単な質疑をして、問題がなければ、そのまま社長との話し合いが行われる。Iさんは事前に「社長は率直にズバズバものを言える人が好みなので、どんどん自分の意見をおっしゃってください」とアドバイスしたという。 M社長は、我々が訪問した時と同様、将来の青写真を力説したが、今度は『あとは人事に任せて…』とは言えない。年収2000万を目指すビジネスエリートたちのするどい質問を受け、M社長はタジタジになってしまう場面が多かった。これでは、どちらが面接を受けているのか分からない。 応募者数はかなりの数になったが、面接になったのは3名だけ。 「…幹部候補の採用は、当分、見合わせよう」 3人目の面接が終わった後、社長は音をあげた。同席していたIマネージャーは止める理由をたずねる必要もなかった。 A社の求人は、今いる社員と同じ給与レベルのものに差し代わり、続けられることになった。 「こうなることを予想していたんじゃないですか?」 我々は、これはIマネージャーに思惑通りになったのではないかと考えていた。 「そういうわけではないですよ。社長にとっても良い刺激になると思いましたし、ひょっとすると、採用者があるかもしれないじゃないですか」 いつもの涼しげな調子でそう言ってから、珍しく子供っぽい笑顔でIマネージャーは続けた。 「…でも、まあ、ちょっとカチンときたっていうのはありますね。新しく入るのに2000万も出す余裕があるなら、今頑張っている社員に還元しろって」 転職活動される方の多くは、「面接を受けたことそのものが、いい勉強になった」と言う。同じことは面接する方にも言えるのだ。 とはいえ、それを使って、直接モノが言いにくい社長を押さえ込んだIマネージャーの策士ぶりは見事なものである。 ※このコラムは、事実を元にしたフィクションです。 |
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