|
任天堂が、大画面の「ニンテンドーDSi LL」を発表。欲しいと思いますか?
|
転がり込む女建設会社で人事・広報をしているMさん(28歳)は「忙しすぎて、自分の時間が持てない」ことを不満に、我々のところに相談にやってきた。これまで人事業務だけだったのが、人員削減で広報兼務になり、急に仕事量が増えたという。
「私の彼が流通業界で働いているので、休みが合わないんです。残業がある日はどれだけ遅くなってもいいので、ある程度、自分で早く帰れる日を決められる会社がいいのですが…」 普通に求人情報を見ていても、そういった詳しいところまではわからないので、転職エージェントに頼ることにしたとのこと。 我々も、すべての会社の内情を把握しているわけではないが、紹介実績のある会社なら彼女の希望に合致したところを選ぶことはできる。その場で『時間に関して裁量が利く会社』という観点で10社をピックアップ、それぞれ会社の説明をしていったのだが、紹介の途中で、そのうちのひとつ不動産業A社はMさんにはミスマッチであることに気づいた。オフィスが郊外にあり、彼女の住んでいる場所から通勤に2時間以上かかるからだ。 だが、彼女はA社の情報を目にすると目を輝かせた。 「この会社…」 「いや、その会社は場所が…」我々が言いかけるのを制して、Mさんは話し続けた。 「彼が住んでいるの、この会社のすぐ近くです。町名も同じだから、多分自転車でいけるくらいの距離です」 こうしてMさんはA社を第一志望に転職活動を開始、一次選考・二次選考をクリアして、最終面接へと駒を進めることになった。 と、その頃、Mさんから「住所変更」の連絡があった。なんと、まだ内定になっていないのに、「来週から彼の部屋に住むつもり」という。「つもり」とはどういうことかと聞くと、「先に荷物だけ送った」のだとか。 「あの、念のために聞きますが、彼の了解は得ているんですよね?」 Mさんの先走りぶりに驚いた我々が尋ねると 「まあ、そっちの方はなんとか…フフフ」と、怪しい答えが返ってきた。 「この状況でA社が不採用になったらどうなるのか…、いや、それともA社に応募したのは同棲をはじめるためのきっかけにすぎなかったのか…、そうだとすると、直前辞退も考えられるかも…」 しかし、そんな杞憂をよそにMさんは無事最終面接をこなし、A社に入社する運びとなった。強引に彼の部屋に押しかけていった彼女の行動力には驚かされたが、これで万事うまく収まったと我々は安堵していた。 それから半年、久しぶりにA社に連絡をすると「入社以来、Mさんはしっかりやってくれていますよ」という話があった。しかし、ひとつだけ「奇妙なことがある」とも…。 「彼女、転職してきてから二度も住所が変わっているんですよ。最初の引っ越しの時は、新しい部屋が合わなかったのかなと思ったのですが、二度となると…。転職前にも引っ越ししていると聞いたので、半年で三回ですよね。ちょっと多すぎる気がするんですが…。 まぁ、プライベートのことだからいいんですけど、引っ越しが趣味とか、そういうことなのかなあ」 A社には、彼氏の家に押しかけていった事情は伝わっていないらしい。一度の引っ越しなら我々には事情を察することが出来る。ひとり暮らしのところに転がりこんで、部屋が手狭になったに違いない。しかし、二度の引っ越しとなると別の事情があるのかもしれない…。 プライベートなこととはいえ、気になった我々は、その後電話に出たMさんに「また引っ越しされたそうですね。広いところに移られたのですか?」と、さりげなく尋ねてみた。 「いえ、そういうわけではないんですよ。彼が引っ越しするのについていっているだけです」 「二度も、ですか?」 「はい」Mさんは屈託のない朗らかな声で返事をしてくれた…。 しかし、どう考えても、半年に二度の引っ越しは普通ではない。 ひょっとして、転がり込んできたMさんを置いて彼氏が転居、さらにそれを追いかけてMさんは転がり込む、ということを繰り返しているのではないか…、そんな想像をしてしまうのだが、プライバシーに関与しすぎるのはまずいので、それ以上は聞かずにいる。 ※このコラムは、事実を元にしたフィクションです。 |
|