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事業仕分けによる次世代スーパーコンピューターの開発予算削減について、どうお考えですか?
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まぐれ機械メーカーA社の営業Yさん(25歳)は、転職相談でA4用紙に5行しか書かれていない職務経歴書をおずおずと差し出してきた。
「あまり書くべきことがなくて…」 そう言って頭を掻くYさんに、我々は 「3年もお仕事をしてきたのだから、もっといろいろ書くべき事があるはずですよ。一緒に考えていきましょう」と、励ました。 若い転職希望者には、しばしば「特別な仕事はしていないので、レジュメに書くようなことがない」と訴える方がいる。そうした場合は、「普通の仕事」の中味を書けばいいだけのこと。一日の仕事の流れ、一週間の平均的なスケジュールなどを記載して、応募先の企業にどういう働き方をしていたのか知って貰えばいいのだ。 だが、ヒアリングを進めていくとYさんはそうした人たちとはまったく違っていることが分かった。彼はA社で、めざましい実績をあげていたのである。 入社一年目はベストフレッシュマン賞、二年目は社長賞、三年目は営業のブロンズメダル(第三位)…。 「書くことがないなんて、とんでもないじゃないですか…」 驚嘆する我々に、Yさんは困った表情をうかべた 「本当、運が良かっただけなんです。実績はあげていますけれど、全然、実力が伴っていないのが悩みで…」 たまたま早朝出勤した時に取った電話が大口の契約になったり、前任者から引き継いだとたんに注文がきたりしただけで、Yさんが努力してつくった数字はほんの一部にすぎないというのだ。 そう言われてみれば、Yさんはそれほどコミュニケーション能力に長けているわけではないし、転職のための職務経歴書をしっかり書けないことから考えても、ずば抜けて仕事が出来るという印象はなかった。 とはいえ、これだけの実績を、職務経歴書に書かない手はない。 「運も実力のうちと言うじゃないですか」と、我々は促したが、Yさんはさらに渋い顔をした。 「そんなことを書くと、妙に期待されて面接でがっかりということになりそうで怖いんです。だって、本当に少しも自分のちからで勝ち取ったものではないんですから」 Yさんは自分の実績を書くのに抵抗したが、「あとから賞をもらっていたことが分かったら、それこそヘンに思われますよ。まぐれの実績だというなら、面接で説明すれば良いことじゃないですか」と言うと、仕方ないという感じで職務経歴書の書き直しに応じてくれた。 転職活動でのYさんは絶好調。書類審査はほとんど通るし、面接での評価も悪くない。一月半で、大手精密機器メーカーB社からの内定を取り付けることが出来たが、このチャンスにYさんは及び腰だった。 「こんな立派な会社にいって、自分が通用するかどうか」というのである。たしかにB社の営業は、Yさんの実績面を特に重視しているようで、面接後「予想していたより、ちょっと頼りない感じだけれど、これだけの実績があるのだから、大丈夫でしょう」と、Yさんが言う「まぐれ」を真に受けていなかった。 とはいえ、これだけのチャンスがそうそう訪れないということもYさんは分かっていた。意を決して内定を承諾したYさんは、入社前、我々に「メッキがはげないように祈っていて下さい」と、自虐的なメールを書いてよこしていた。 入社から数か月が経ち、はたしてB社でうまくやっていけているのだろうかと、我々が心配していた頃、B社人事から喜びの連絡があった。 「試用期間のOJTが終わってすぐ、Y君は今までうちが入り込めなかった会社から、大口の契約をとってきたんだよ。面接の時はどうかとも思ったけれど、あの実績はダテじゃなかったね!」 営業マネージャーの声は興奮気味だ。 しかし、一方、順調なスタートを切りながらYさんは沈んでいた。 「また、まぐれなんです。上司から冗談で『この会社に挨拶にいってみろ』と言われて、言われるがままに訪問したら、たまたま向こうの会社がB社との取引を考えていたタイミングで…。僕の努力でも何でもないのにまた過大評価されてしまっています。これからを思うと、胃が痛いですよ…」 相変わらず、Yさんは自分に自信が持てないまま、不安におびえていた。だが、実力が伴っていなくても、成功体験はそれ自体がひとつの財産であり、誇るべきキャリアである。まぐれがなくなった時、まぐれで得た経験が、きっと彼を救ってくれるだろう。 ※このコラムは、事実を元にしたフィクションです。 |
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