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事業仕分けによる次世代スーパーコンピューターの開発予算削減について、どうお考えですか?
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人事は巡る新年度を迎える4月は、多くの人たちにとって新しいスタートの時。社会人にとっては異動の季節だ。新しい部署に心躍らせている人もいるだろうが、新人事に愕然たる思いを抱いている人も多いだろう。
Kさん(43歳)はこの1か月のあいだに、心躍らせる気持ちと愕然たる思いの、双方を味わうことになった。
コンサルティング事業を営むA社は人事マネージャー(候補)を探していた。今年初め、一度はこれぞと思う人物から入社の意志をとりつけたのだが、現職企業の慰留により、採用はかなわなかった。 A社内で採用を任されていたゼネラルディレクターH氏は、社長に呼び出され 「すぐに採用できるかと思っていたけど、意外に手間取っているね。別の人にやらせようか?」 と、聞かれることになった。口調は穏やかだったが、H氏は冷や汗をかいていた。 A社はオフィスデザイン・PR/IR・ホームページでは洗練された知的なイメージを打ち出しているが、社長の力が絶対的なオーナー会社でもあった。社長の考えひとつで昇進・待遇は大きく変わってくる(それを改善したいという意図もあっての人事マネージャー採用だったのであるが)。 H氏は「いえ…」と否定したが、社長は「まあ、何がいいのか考えないとね」と意味深な言葉を発してH氏を下がらせたのだった。 H氏は「出来るだけ早くなんとかしなくては」と、すぐに採用活動を再開。そして、我々の紹介で上述のKさんに会ったのである。 Kさんは人事システムを作り上げたり、一新したというような経験はなく、A社が求めているキャリアを持ち合わせていなかったが、意欲が高く、なによりこの年齢層にしては珍しく、離職中ですぐに入社できるというメリットがあった。 H氏は短い期間に何度もKさんと面接を重ね、彼なら十分やれるという感触をもって内定を出したのだった。 家族の事情でどうしても一時的に仕事を離れざるを得なかったKさんは、自分の再就職は苦しいものになるだろうと予想していたので、転職活動をはじめてすぐA社から熱心な誘いがあったのは意外であり、ありがたいと感じていた。オファーの内容は、最初の一か月の間に会社に馴染み、問題がなければ4月に昇進。ただ、給与条件は最初からマネージャー扱いとするもの。彼の方から内定を断る理由は何もなく、すぐにA社への入社を決断した。 ところが、Kさんの入社から三日後、A社社長は、知人の紹介で知り合った46歳の人事経験者をA社に迎え入れると発表した。そのポジションはKさんが4月から就くことになっていた人事部門のマネージャー。 H氏は真っ青になっていた。 「すみません。こんなことになるとは。私はまったく知らなかったのです」 Kさんは、A社がトップダウン式の会社であることも、自分の前に一度採用の失敗があったことも面接で聞いていたので、H氏が意図的にウソを言ったとはまったく思わなかったが、自分の将来については暗澹たる気持ちになっていた。 この話はすぐに我々の耳にも入った。我々としては、驚き、落胆するしかなかった。H氏からすべて聞いたというメールをKさんに送ると、「また、お世話になります」という短い返信があった。 おそらく同じタイミングで入社が決まってしまったのだろう、Kさんの不運に同情しながら、我々はあらためて求人をさがし、情報提供をはじめていた。 だが、Kさんの状況は再転換する。Kさんは社長に呼び出され、4月からのポジションについて、相談があると言われたのだ。 「おそらく察しているとは思うのだけど…」A社社長の社員への言葉づかいは、いつもカジュアルである。 「人事のポジションは僕の方でも、人をさがしてしまって、Kさんには本当に申し訳ないことをしました」 「それまでの経緯は聞いています。仕方がないことです」それ以上、Kさんには答えようがない。 「けどね、僕の方の人は転職を取りやめるって言っているんだ。これまで、本当に不快に思われたかもしれないけれど、Kさん、私たちと一緒に働いてくれませんか?」 Kさんは、その場で4月から人事部門のマネージャーに昇格すると伝えられ、再転職の必要はなくなった。 「今日まで、まったく考えなかったのですが」電話でKさんは我々に言った。 「相手にしても、自分が入社しようとしていたポジションに既に人がいるというのは、やりにくくて仕方がないですよね。社長のお墨付きより、現場の雰囲気の方が大切ですもんね。どうして気がつかなかったんだろう」 Kさんの声はさらに弾んでいた。 「これで思い切って仕事が出来ます。いや、社長にひとつ貸しが出来た分、普通に入社したよりも、やりやすいかもしれませんよ」 我々はKさんにお祝いを告げたが、彼には言わなかった(言えない)ことがあった。 その日の昼、我々はある人事経験者の転職者の愚痴に付き合わされていた。 「ひどい話なんですよ。社長が4月からぜひ来てくれっていうので、これはいい話だと思ったら、内定を承けた翌日に『実は、既に同じポジションに入社した人がいる』って。参りましたよ」 誰かが辞めれば、誰かが必要になる。誰かがおさまれば、誰かがあぶれる。我々の仕事に終わりはないのである。 ※このコラムは、事実を元にしたフィクションです。 |
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