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事業仕分けによる次世代スーパーコンピューターの開発予算削減について、どうお考えですか?
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嫌だ嫌だと言いながらKさん(27歳)は「今までとは違う、別のことがやりたいんです」と言って、我々のところに相談に来た。彼のキャリアは大手メーカー系列企業での携帯端末向けソフトの開発一筋。完全なスペシャリストである。
「そうは言っても、僕が営業をするのは無理だから…」Kさんはしばらく考えて、「コンサルタントとかですかね?」と、無邪気な笑顔をつくった。 まだ20代、本気で取り組む気持ちがあれば、Kさんが異職種へ転職するのは不可能ではない。ただ、仮にKさんが他の仕事を探したとして、彼が望むような企業へ転職できる保証はない。給与条件も妥協を迫られるだろう。そもそも、面接にまで至る会社を見つけることすら簡単ではないのだから、よほどねばり強く転職活動をしなければ、内定を得ることも難しい。 対するKさんだが、「とかですかね?」という言い方からして、真剣に考えた末の希望を言っているとはとても思えなかった。 我々は「エンジニアとしての知識を出来る限り活かした方がいいのではないか」と忠告したが、Kさんは口をとがらせ反論した。 「ですから、もうあの仕事は嫌なんですよ」 「どういうところが嫌になってしまったのですか? それが分かれば、対処のしようもあると思うのですが…」 「なにもかもです。メチャクチャに短いサイクルで、次から次にスケジュール組まれちゃうし、納得のいくクオリティのものは作れないし、やっつけ仕事の連続。それでも会社に寝泊まりしなくちゃいけないくらいに時間の猶予がないんです。会社辞めるまで、こうして相談に来ることも出来なかった。とてもじゃないですけど、続けられません」 「では、十分に時間的余裕のある会社ならば、どうですか?」 「いや、今言ったのは嫌になった理由のほんのひとつです。とにかく携帯向けの仕事をする気はもうありませんから」 Kさんは「これでその話はおしまい」という風に手を振ったが、さすがにエンジニアとして転職をした方が有利だということは理解してくれたようで、携帯向けでなければ、ソフト開発の仕事でもかまわないというところまで、態度を柔軟にしてくれた。 そうであれば可能性は大きく広がる。 我々は自動車関連・デジカメ・PC機器の求人を紹介しようとしたのだが、資料を持って相談ブースに戻ってみると、KさんはPC端末で求人検索をかけていた。見ると、携帯向けのソフト開発の仕事である。 「やっぱりどこも募集してますね。まあ、そりゃそうですよね。死人が出てもおかしくないような忙しさだったんですから」 「気になりますか?」 「え? いや、ここはその、同僚が転職した会社なんです」 求人企業の説明に入っても、Kさんは時折、PCの方に目をやっていた。 「ひょっとして、検索したなかで応募したい会社がありましたか?」 そう聞くと、Kさんは「いいえ。とんでもない」と言ったが、その声にはどこか後ろ髪をひかれるような調子が聞いて取れた。 選考が進んでいっても、Kさんの態度はいまひとつ乗り気になってこなかった。各企業で一次面接が終わり、感想を聞いてみると 「どこも良さそうな会社でしたよ。次の選考に進みたいか? そうですねえ。先方がぜひというなら行ってもいいかなあ。でもちょっと合わないような感じもするんですよねえ。なんとなくなんですけど」 と、煮え切らない様子だったのだ。 離職中だったこともあり、我々は「名前を出さなければ、キャリアを売り込んでもいい」という了解をKさんから得ていた。そこでKさんがPCで見ていた携帯端末開発の会社に問い合わせてみると、すぐに「経験が5年もあるなら、ぜひ会いたい」という返事があった。 「携帯向けの仕事はしたくないと言っていたのは分かっているのですが…」と前置きした上で、「ぜひ会ってみたいという会社があるんです。決して閑だいうことはありませんが、前の会社ほど忙しくはないと聞いています。話だけでも聞きにいってみませんか?」と、Kさんに水を向けてみた。 すると、Kさんは「どうしようかなあ。でも、エージェントさんがそういうなら」とまんざらでもない様子。そして、面接に行くと「ぜひ来て欲しいと言われてしまったので、断りきれなくてOKしてしまいました」と、アッサリ転職を決めてしまったのだった。 嫌だ嫌だと言いながら、結局転職先はイヤで辞めた会社の同業。人の心理とはなんとも難しい。表面的な希望を聞いているだけでは勤まらない転職アドバイザーの難しさがここにあるのである。 ※このコラムは、事実を元にしたフィクションです。 |
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