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2007年7月3日 10:00
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Tech総研
(てっくそうけん)
Tech総研は、リクルートが運営する、技術を核に人生を楽しみたいエンジニアのための「いつかは転職」ブレーンです。エンジニアの給与実態や、求人動向、採用の舞台裏、エンジニア生態調査などの情報が満載です。
超進化! ロボカップジャパン2007登場の最新ロボット
Tech総研
国内internet.com発の記事
21世紀の基幹技術と言われるロボット。世界の企業や政府機関が開発にしのぎを削る一方で、技術公開前提のロボット競技「ロボカップ」を舞台とした技術革新への貢献度が注目を浴びている。オープンソースなロボット開発の魅力に迫る。
2050年、ヒューマノイドロボットで人間のワールドカップサッカー・チャンピオンに勝つことを目標に97年から毎年開催されているロボット競技大会「ロボカップ」。優勝チームのプログラムはすべて公開され、他チームは開発にそのデータを生かすことができるというオープンソース方式により、ロボット技術に飛躍的な進化をもたらしてきた。11年目を迎えたロボカップ2007に参加した科学者、エンジニアに、ロボット技術の面白さや夢について語ってもらった。
人間のように二本足で歩くヒューマノイドロボット。技術的にはまだまだ歩き始めたばかりという状態だが、そのヒューマノイドにサッカーをやらせてしまおうというのがロボカップサッカー・ヒューマノイドリーグだ。競技は2対2のサッカー、PK戦、ドリブルやパスなどを行うテクニカルチャレンジなどで構成される。片足でバランスを取りながら、もう片足でシュートを放つ、シュートされたボールを倒れ込んでセーブするなど、かなり高度な動きができるようになってきている。今後の進化が楽しみな競技だ。
■
高橋氏の話
5年でサッカーらしいプレーができたのは
すごいと思う
「ロボカップにおけるヒューマノイドロボットの技術の進歩は驚異的。2002年の世界大会のときには、サッカーをやるどころか、立っているのもやっとというチームがほとんどでしたが、それからたった5年で、まがりなりにもサッカーらしいプレーができるロボットが続々出てくるようになった。技術的にみて、これはすごいことですよ」
ロボカップサッカーの世界大会の常勝軍団であるチーム大阪のマシン、VisiONシリーズの開発を手がけるロボットクリエイター、高橋智隆氏は語る。ロボカップ2007でも、ニューマシンであるVisiON 4Gが優勝を決めた。
競技前、高橋氏は「世界大会で勝ち続けるのが目標ですが、簡単に勝てるとは思っていない」と語っていた。実際、今大会での優勝を狙ってきた千葉工業大学のマシンが食い下がりを見せた。決勝のスコア6-4、PK戦競技3-2という激闘は、ロボット技術の底上げが想像以上に進んでいることの証と言えよう。
サッカーの先にあるものは、
人間と暮らせるロボット作り
もちろん、VisiON 4Gの進化の度合いは、ヒューマノイドサッカーの世界でもトップ。
「ロボットを作り始めた頃は、ちゃんと動くモノを作るということだけで精一杯でしたが、今は人工知能、動力、材料などの要素技術について新しいものをどんどん試したりすることで、性能向上を積極的に追求している状況です。一例ですが、VisiON 4Gはボディの一部に高分子系の柔軟な素材を使うことで、手足とボディが干渉せずに動かせる範囲が広がりました。また、全方位カメラに加えて足元を見るカメラを装着し、ボールの認識範囲を大幅に広げました」
サッカーは相手の動き、味方との連携、ボールの位置など、多くのパラメーターがあるスポーツ。
「認識、運動、通信など、複雑なパラメーターが盛り込まれている競技であるサッカーで人間に勝てるロボット作りを目指すのは、私の夢である“人間と暮らせるロボット”作りにつながる。その夢への道は、5年前は1割程度しか進めていないと思っていましたが、今は技術的には折り返し地点に到達したと思っています。この先もさまざまな困難があると思いますが、技術自体は今の発展系で行けると思う。これからも頑張ります」
■
林原氏の話
ヒューマノイドロボットが
人間に近づく進化は想像以上
ロボカップ2007において、ヒューマノイドサッカーの強豪入りを果たした千葉工業大学を指導する林原靖男・未来ロボティクス学科助教授は、2050年にヒューマノイドがサッカーで人間チームに勝つという目標を提唱している科学者のひとり。その林原教授は、ここ数年でのヒューマノイドロボットの進化の幅について、「一気に人間に近づいてきたと思う。この進化は想像以上」と顔をほころばせる。
「ロボットが二足歩行をすることはとても大変なことです。10年前は、事実上ホンダのASIMOくらいしかまともに歩けていなかった。ロボカップでも去年までは歩くこと自体が大変だった。なのに今年は、どのチームも二足歩行は当たり前のようにこなす。さらに走る、シュートを強く打つという“人の動き”になってきた」
ロボカップの特徴は、強豪チームが技術をすべて公開するというオープンソース方式。
「どんなに良い物を作っても、アドバンテージはその年だけ。翌年、ライバルがこぞって研究してくるのに対抗するためには、常に大幅な技術革新が要求されます。オープンソースがヒューマノイドサッカーにおける急激な技術革新の源になっていると思いますね」
ヒューマノイドがサッカーをするのに必要な認識、運動性能といった要素技術が飛躍的に向上したのが今回の大会の特徴。以前は特殊な技術であった、キーパーの倒れ込みセーブも、今や一般的に。また、動力も内蔵バッテリーが主流になり、さらに“自律性”が高まった。
キーパーが倒れ込んでセーブ。相手やボールの動きをCCDカメラですばやく認識し、機敏に反応しなければ、ボールを止めることはできない。サッカーを通じて、より人間らしい動きの研究も進んでいる。
片足で立ち、もう片足でシュートするのは、技術的に結構難しい。かつては足先でボールを触って転がすだけで精一杯というシーンが多かったが、今回はかなりのナイスシュートが連発されていた。
被災者発見からトリアージ情報収集まで―進む高性能化
レスキューロボットリーグは、地震によって建築物が崩壊し、モノが散乱した場所を再現したコースにおいて、人命救助のための情報収集力の高さを競うというものだ。人間のバイタルサイン(体温、動きなどの生体情報)を持たせたマネキンを、決められた時間内に何体見つけるかが勝負のポイント。また、通った経路はGIS情報として記録され、人間による救助のさいの重要なデータとなる。ちなみに体温がない、完全に損壊しているといった、死亡しているとみられるマネキンを生きていると判断したら減点。トリアージ情報まで収拾できるハイテクぶりなのだ。
■
小柳氏の話
レスキューはロボット活用法の本命分野
床が崩壊し、家具が散乱した被災地を、キャタピラが実装されたレスキューロボットが自分で進路を判別しながら進んでいく。転覆しようが袋小路にハマろうが、きちんと復帰して被災者を発見していくレスキューロボットの高機能ぶりは、驚くに値する。
「レスキューロボットは阪神淡路大震災のときに、その必要性が強く認識された技術です。かつては転がるたびに壊れたり、コースアウトしたまま動かなかったりということもありましたが、今は多くのチームが簡単に復帰するロボットを作っています」
こう語るのは、千葉工業大学・未来ロボット技術研究センターの小柳栄次博士。レスキューロボットの使命は、被災者の発見だけではない。生死をふくめた被災者の状況をきちんと把握し、救助を行う人に判断材料を提供。また飲料水などを生存者に届けることもできる。
「例えば人の足が見えたとします。ロボットはその足に近寄り、体温や二酸化炭素を検出したり、被災者が答えたり手を振ったりという動きを認識することで、生存情報を得ます。誤検出や検出失敗があってはなりませんし、災害現場での故障も厳禁。1m落下しても壊れないモノ作りが求められるわけです」
レスキューロボットは04年の新潟中越地震のさい、被災地での探索活動に大いに活躍するなど、すでに実績を上げはじめている。その技術基盤は、こうした競技を通じて磨かれているのだ。
レスキューロボットリーグの競技としての難易度は高い。ガタガタの板の上や傾いた階段など、自律走行に厳しい地形条件をクリアし、被災者を見つける。センサー技術や機構設計の進化などにより、今後さらに高性能化が期待できるという。理想は発見からレスキューまでをすべてこなせるロボット。
各種センサーを満載し、被災現場で経路情報を記録しながら自律走行するレスキューロボット。制限時間15分の間に何人の被災者を見つけることができるかが、もっとも重要なポイント。
袋小路にハマってしまっても、ロボット自身の判断により、通ってきたルートにいったん復帰して別ルートを探す。競技中、途中で動けなくなるマシンのほうが少なく、技術の進歩を見せつけていた。
被災現場では転倒、落下といったトラブルがつきもの。走行メカニズムが故障してはならないのはもちろん、センサーやカメラ類も衝撃に強くなければいけない。剛性の弱そうな棒にそれらが実装されているのも、トラブル回避のため。
生体情報ありのマネキンを発見!体温、呼吸などのバイタルサインをもとに、生存者を見分ける。生きているのに死亡と判定してしまうと取り返しがつかないだけに、重要な技術開発のテーマとなっている。
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超進化!ロボカップジャパン2007登場の最新ロボット
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