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事業仕分けによる次世代スーパーコンピューターの開発予算削減について、どうお考えですか?
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ブートキャンプ「最近の若い奴は、覇気がない」
そんなのはいつの時代も言われること、大した根拠などないと思ったら、そうでもないらしい。ある漢方医の話によると、かつては主に老人向けに処方されていた「体力をつける系統の薬」を、子供に出す機会が明らかに増えているという。以前は子供に「活動を抑制する系統の薬」を飲ませていたので、これは大きな違いなのだそうだ。科学的にも子供達の活力が失われていると言えるのだろうか。 スポーツ施設運営・健康用品販売A社は、その事業内容もあって活力ある人材を求めていたが、A社人事は「みんな大人しくてね…」と困り果てていた。 「高校時代にラグビーをやっていたというような体育会系出身者でも、現場に出ると大きな声が出せない、相手の目を見て話せないなんてことがあるんですよ」 そして、数年前にやむなく導入したのが、二週間におよぶ研修…通称『気合い合宿』だった。 若手転職者にも参加義務があるというので我々も研修のスケジュール・ビデオを見せてもらったが、『気合い合宿』と呼ばれているだけあって、その内容はかなりハード。救命方法のレクチャーから始まって軍隊式の行進・10キロマラソン・それに大声を出させたりするプログラムまで含まれていた。 根性・熱血といった言葉から遠ざかってきた世代だけに、当初『気合い合宿』は大不評で、内定者のなかには『気合い合宿』の存在を知ったとたん辞退を決めた人もいたという。 しかし、研修に参加した新入社員の態度は、明らかに以前よりも元気がある、と現場の評価も出ており、A社人事としては何とかしてこの研修を続けたいと考えていた。 風向きが変わったのがここ一年ほど。例のブームに目をつけた研修担当者が、研修の名前を『コウヘイズ(担当者の名前)・ブートキャンプ』にあらため、パンフレットのタイトルを「入隊者用ガイド」に変えるなど、やや芝居がかったものにしたのだ。これによって新入社員のアレルギー反応が一気に消え、参加者の態度は積極的なものになったという。 「ブートキャンプっていうのはもともと新兵訓練のことですから、ピッタリなんですよ」 担当者は、研修の雰囲気が一変したことに大いに気をよくして、研修の内容をさらに一段ハードなものにすることも考えていると語っていた。 そんな折、A社に第二新卒として入社したのがTさん(24歳)だった。彼は一ヶ月足らずで転職を決めてしまったので、我々が彼について覚えていることは少ないのだが、どちらかといえば大人しいタイプで、「次の選考に進みましたよ」「こういうところが評価されましたよ」という連絡を入れると、非常に喜んでくれたという印象が残っていた。 そのTさんが気合い合宿ならぬ『ブートキャンプ』直後に事件を起こしたという連絡が我々のところに入った。 「いちおう、紹介を受けた方なので、お知らせしておきますが…」 「はい」 事件と聞いて、我々は身を固くしてA社人事の言葉を待った。 「実はTさん、上司に掴みかかって、殴ろうとしたんですよ」 「!」 A社の話に寄れば、Tさんは、自分と一緒にブートキャンプに参加した同僚のことを上司が悪く言うのを聞いて逆上してしまったのだという。 A社人事は苦笑しながら言った。「元気を出してくれるのはいいのですが、ちょっと出過ぎてしまったようで…」 殴られかけた上司の言い方にも問題があったということで、取りあえずTさんには会社としてはおとがめ無しという処分とのこと。彼自身も反省していて、A社で頑張っていく気持ちには変わりがないと聞き、我々は安堵したのであった。 子供や若い人は、周囲からの期待には常に敏感だ。活力を求められる環境があれば、彼らにはそれに応じる潜在力がある。逆に言えば、最近の若い人に活力がないというのは、大人が「手の掛からない子」を期待している裏返しなのかもしれない。 とはいえ、わずか二週間で普通の若者を熱血させてしまうブートキャンプ(あるいはブートキャンプブームというべきか)、恐るべしである。 ※このコラムは、事実を元にしたフィクションです。 |
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