 |
 |
デジタルエンターテインメントの世界はここ数年の間に、本当に大きく変わったね。以前はコンテンツ配信といえば、すでに出来上がったものを一方的に受け取るだけ。またインタラクティブ(双方向性)なんて言っても、結局はコンテンツを配信する側と受け取る側という上下関係みたいなものがあった。
今や、その状況は大きく崩れてきている。インターネット上でのコンテンツの楽しみ方が大きく変わったからね。たとえば最近人気のニコニコ動画(※動画を見たユーザーが思い思いに映像にコメントを付け加えられる機能を持つ動画アップロードサイト)だけど、ニュースやドキュメンタリーの画面にユーザーのコメントがテロップで流れたら、それはもはや別の作品ですよ。
ユーザーはそんな体験を重ねることで、自分が鑑賞者でありながら、同時にクリエイターの立場にもなり得るという感覚を持つ。一度その面白さにハマったユーザーは、決まったコンテンツを配信されるだけというサービスには、もうけっして満足しないよ。
実はそんな現象が、Web上のいたるところで起きているというのが、今の配信ビジネスの実態なんだ。音楽でも映像でも、特定のクリエイターの手による決まったものをただ干渉するというスタイルはどんどん古くなる。今でもただコンテンツを受け取るだけの人はもちろんいる。だけど、そういう人もいずれはコンテンツを改変して遊ぶ楽しみを知って、それに対応したサービスを求めはじめる。この流れはもう止まらないと思うね。
|
 |
神田敏晶さん ビデオジャーナリスト。KandaNewsNetwork,Inc.
代表取締役。 1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。ビデオジャーナリストとして活躍中で、IT業界では知る人ぞ知るカリスマ的存在。ビデオカメラ一台で、世界のIT企業や展示会取材に東奔西走中。現在、impress.TVキャスター、早稲田大学非常勤講師、デジタルハリウッド特別講師。 |
|
|
|
 |
  そういう時代の流れを直視できずに、音楽でも映像でも著作権でガチガチにしばって一方的に配信するような旧態依然としたビジネスモデルにしがみつくような勢力は、そのうち本当に淘汰されると思う。元がどんなに素晴らしい作品だって、まったくのオリジナルの形しか許されないなら、ワンパターンでそんなに繰り返し見たりしないでしょう? でも、オリジナルからの改変をOKにしたらどうなるか。その作品をベースにさまざまなパロディが出てきて、その数だけ楽しみが増殖するんだ。
実際、アメリカではすでにそんなビジネスモデルが登場している。あの著作権にうるさいハリウッドで、映画のキャラクターを使ったパロディ作品を作ることを、商用に使わないという条件で許可しているんだ。スターウォーズのC3POに笑えるジョークを言わせたりとかね。そうやって生まれた作品が多くの人を楽しませて、またその作品のヒットによって、オリジナルが改めて注目されたりもする。そういう循環のなかでは、改変OKであってもオリジナルの価値が損なわれたりなんかしないんだよ。
今後、デジタルコンテンツ配信は、そういうビジネスモデルに大きく舵を切るべきだ。改変はダメというのではなく、商用利用禁止という条件をつけて1年間にオリジナル作品の使用料を課金するとかね。ほか、ゲームでも何でも、カギはユーザー自身が作品なり世界観なりを作ることに参加できているんだと実感できるような仕組みを作るべき。これからのデジタルエンターテインメント業界は、そんな巨大なパラダイムシフトを迎えることになると思いますよ。 |
 |
 |
 |
▼着うたを支えるエンジニアの仕事とは? オンラインゲームの裏側も!
>>
あなたもなれる?エンタメ系エンジニア適性度チェック