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リクルートエージェント リクルートエージェント
誰も知らない、語らない転職裏話。エージェントを通じて転職した人、やっぱりやめた人。転職を考えていない人でも、真面目に考えている人でも楽しめる、日替わりコラムです。

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採用は人を成長させる

著者: リクルートエージェント プリンター用 記事を転送
2008年2月7日 13:30 付の記事
□国内internet.com発の記事

転職には人を成長させる力がある。他の会社で働く人たちと向き合い、自分の生き方を真剣に見つめ直す…、とくに社会人経験の少ない若い方が、転職活動をしている数か月のなかで、それこそ顔つきから違ってくるのは、我々が日々実感していることだ。

そして、同じことは逆の方向からも言えるのかもしれない。

不動産サービスA社の採用に、我々はいらだちを感じていた。採用の担当者が数か月ごとにコロコロ変わり、申し送りがしっかりしていないために、採用の問題がすこしも改善されないのだ。

我々が言っているA社の採用の問題は、それほど難しいことではない。選考のスピードを早くする、好感をもたれるような事務的・圧迫的でない面接をする、A社を辞退した人たちの声を聞き次の選考に活かす…、こうした基本的なことがA社では徹底されていなかった。

担当が変わるごとに、我々は同じような台詞を聞くことになった。

「社会人になってまだ2〜3年、これまで営業(あるいは経理・企画)でしたので、採用の仕事はまったく分からないんです。常務から、とにかくエージェントさんと上手につきあっていけと言われています。これからいろいろ教えてください。」

常務というのはA社採用のキーマンY氏。「この人はぜひ採用したい」「このポジションは重要」となると自ら面接調整を行い、スピーディーで的確な選考をするので、Y氏が社内でもっと指示を出してくれれば、他の採用ももっとスムーズになるのではと思われたが、普段のA社の採用は面接で応募者を取り違えてみたり、一度不採用になった人を後からやっぱり内定だと言ってみたり、ドタバタの連続だった。

なんとか新米担当者をフォローして良い採用ができるようにしたくても、ようやく担当者が採用の勘どころを掴んで、応募者を上手に誘導できるくらいになると、配置換えでまたいちからやり直し。我々は徒労感を感じていた。

「一度常務に会って、現状を変えてもらわなくては。」

直談判を試みた我々を前に、Y氏はフンフンと鼻をならして我々の話を聞きながら右手でペンをまわしていた。

「言いたいことはよく分かった。けれど、短期間で担当を変えるのは、私の方針なんでね。」
「方針というのは、どういうことですか?」

我々がいどむように食い下がると、Y氏は少し体を前に傾け、言った。

「採用ほど外の目線を意識させ、会社への理解・愛着が湧く仕事はない。採用を一からやらせると、数か月でアツい気持ちをもったA社社員が出来上がる。それに期待しているから、何も教えずに採用をやらせているんだ。エージェントさんには負担をかけることになるが、何も知らない人間がある日突然採用担当になっても、やっていけるのは皆さんのサポートのおかげ。その点は本当にありがたいと思っていますよ。」

なんと、Y氏は採用担当が未熟なのは、計算尽くと言うのだ。これには我々も返す言葉がなかった。

Y氏が言っていたことは、我々にもよく理解できる。

たとえばセミナーのプレゼンで、まったくA社のことを知らない人に「この会社で働いてみたい」と思わせるには、事業に対して誇りを持っていなければ、到底胸に訴える話はできない。転職するかどうか人生の岐路に立っている人に「ぜひ、来て欲しい」と説得するには、5年10年後の会社の将来に、その人なりの自信・確信がなければならない。転職活動が自己を見つめる機会なら、採用は自社を見つめる機会なのである。

「えっと、このSさんにはどういう話をすれば…。」

今日もA社の採用担当は自信なさげに、我々に救いの手を求めてくる。

「彼女は今夏に結婚をひかえているそうです。」
「では、弊社の育児サポート制度とかについて話をすればいいですかね?」
「部門の責任者以外で、Sさんに会わせたい人はいませんか?」
「そうだなあ。女性でマネージャーになった人とか、産休から戻ってきた人などもいいかもしれませんね。」

常務の意図を知った我々は、採用のフォローをしながら、同時に担当者自身にいろいろなことを考えてもらうように努めている。配置が変わるまでに、出来るだけ多くのことを学んでもらうために。



※このコラムは、事実を元にしたフィクションです。



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