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ユーザーの心を動かす任天堂のネットワークエンジニア

Tech総研
2012年5月8日 / 06:10
 
 
ユーザーの心を動かす任天堂のネットワークエンジニア
ゲーム専用機の将来を握るネットワーク技術
 


ネットワーク事業部
東京ネットワークシステム開発グループ
島岡 宏和氏
ネットワーク事業部
東京ネットワークシステム開発グループ
荻原 一平氏
任天堂に「東京ネットワークシステム開発グループ」が誕生したのは2010年7月のこと。ゲームのインターネット対応が進んでいくと、本社のネットワーク事業部だけではエンジニアが足りない。ネットワーク技術でも専任チームを東京に置く必要がでてきた。関東圏のエンジニアを広く集め、東京に多いIT関連企業との協業を深めるという狙いもそこには込められていた。 「任天堂でネットワーク、サーバの仕事と聞いても最初はピンと来なかった」と言うのは、島岡宏和氏だ。大手総合研究所で大規模ネットワークシステムを開発していたが、入社数年経つと自分の仕事は要件定義までで、あとは協力企業に任せることが多くなっていた。「ネットワークエンジニアとしてものづくりの感触を取り戻したい」──それが実現できる転職先を探していた。

最初は意外と思った任天堂からのオファーだったが、調べてみると、ゲーム機が扱うネットワークサービスの多彩さに驚く反面、自分のネットワーク技術が生かせるフィールドとして可能性があることに気づいた。入社後、挑戦を続けるシステム開発に携わる中で任天堂が、エンジニアとして本領を発揮できる場所だと感じるようになった。

転職先として任天堂を考えもしなかったというのは、大手ポータルサイトの最前線でWebエンジニアとして仕事をしてきた荻原一平氏も同じだ。
「入社前は“畑違い”な感じがありましたが、いざ入ってみると全然違和感がない。これまでのWeb、ネットワーク技術の経験がそのまま活かせています」と言う。

東京ネットワークシステム開発グループは、最初は京都のネットワーク事業部から異動した数名でスタート。その後、SIer、Web、メーカーなどさまざまな分野から人材が集まってきた。
「転職者の多くが言うのは、やはり任天堂にこんな仕事があるとは思わなかったということ。知られていないのは僕らの反省点でもありますが、ネットワーク技術はこれからのゲーム機で鍵を握るもの。自分たちの技術を世界のユーザーにダイレクトに届けることができる面白さが任天堂にはあります。サーバ、ネットワーク系のエンジニアにもっと私たちの仕事を知ってほしい」
と、サブマネージャーの中村大輔氏は意気込む。
 
ネットワークに強い任天堂。Wi-Fi通信でゲームのイメージを変える

ネットワーク事業部
東京ネットワークシステム開発グループ
サブマネージャー
中村 大輔氏
ネットとの常時接続が前提のスマートフォン他では所謂「ソーシャルゲーム」が流行しているが、これまでも「人と人とを繋ぐソーシャルな娯楽」を創造し提供し続けて来たという任天堂は、実はネットワークへの取り組みも昔から積極的に行っている。1980年代末にはすでに「ファミコン」で、証券会社と電話回線をつなぎ、株式取引に使う「ファミコントレード」というサービスを提供していた。当時はビジネスとして成功したわけではないが、PCやインターネットの普及よりもはるか前の時代に、家庭用ゲーム機をネット端末として使うという発想は画期的なものだった。

「スーパーファミコン」では、放送衛星からのデジタル放送データを受信・活用する取り組みも行われた。「ゲームボーイカラー」と「ゲームボーイアドバンス」には、「モバイルアダプタGB」というアダプタを装着して携帯電話経由で遠距離通信のゲーム対戦を行うサービスも行われた。こうした社内に蓄積されたネットワーク技術が、今ネットの時代に本格的に花開きつつある、と見るべきなのだ。

同社のネット対応がより広く知られるようになったのは2005年からということになる。前年暮れに発売したニンテンドーDS本体にWi-Fi通信機能が搭載され、2005年11月と12月に相次いで発売された対応ソフト「おいでよ どうぶつの森(以下、どうぶつの森)」と「マリオカートDS」は、遠くの人とつながることで拡大するゲームの面白さを、それまではネットに無関心だった世界中の人々にまで広げた。

このニンテンドーDSおよびWiiでのネットワークサービスを任天堂は「ニンテンドーWi-Fiコネクション」と呼び、「カンタン・あんしん・無料」の3点を重視した。とりわけ、IDやパスワード不要にも関わらず、セキュアなネットワーク通信が楽しめるという点には力を注いだ。無線接続拠点「ニンテンドーWi-Fiステーション」を介して接続する場合は、接続設定が一切不要。家庭用の無線LANルーターに接続する場合も、AOSSなどの技術を利用すればワンタッチで接続が可能だ。

2009年にはマクドナルドやセブン-イレブンなどの店舗や新幹線の駅などで、ニンテンドーDSでネット接続し、さまざまなコンテンツをDSの画面内で楽しめる街頭ネットワークサービス「ニンテンドーゾーン」もスタートしている。任天堂は最新機種のニンテンドー3DSと今年発売予定の「Wii U」ではネットワークを利用する一連のサービスを「ニンテンドーネットワーク」と呼んでいるが、元となるWi-Fiコネクションやニンテンドーゾーンの開発に当たったのが、前出の中村氏だ。
 


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記事提供:一歩先が見えてくる エンジニアライフ応援サイト【 Tech総研 】

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