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デンソーが実現した機電一体 AT モジュール技術革新とは

Tech総研
2012年5月22日 / 06:10
 
 
デンソーが実現した機電一体ATモジュール技術革新とは
マニュアルのようなドライブ感と、燃費向上に貢献したATモジュール
 かつては高級車の一部にしか使われていなかったECUやパワーエレクトロニクス技術も、すでに大衆車に広く行き渡っている。そして、現在は、高い環境性能や、運転性能を実現するための制御の高度化に対応するために、モーターやソレノイドなどのアクチュエータにECUを実装する「機電一体化」技術が求められている。しかし、機電一体化を実現するためには、アクチュエータに搭載できるECUの小型化や、アクチュエータの発熱に耐える高耐熱化が必要だ。


IC技術3部
第1設計室設計2課
課長
田中 泰充氏
IC技術3部
第1設計室設計2課
担当係長
杉立 英二氏
その機電一体化をコア技術の一つに掲げ、全社的に推進しているのがデンソーだ。今回は、ATモジュールを例に、機電一体化に向けた取り組みを紹介しよう。 「近年、スムーズな加速と燃費性能向上のために、ATの多段化が進んでいます。かつてATは4速ギアが常識だったが、現在は5速、6速がポピュラー。車種によっては9速も搭載されています。AT多段化のメリットを活かすためには、加速が終了するまでにTOPギアへの、素早い変速=ギアの切替が必要です。しかし、素早い変速は、変速ショックに結びつき、スムーズな加速とは相反します。これを両立させるのが、ATモジュールによる非常に精度の高い制御の実現でした」
と語るのは、デンソーIC技術3部課長の田中泰充氏だ。

ECUとアクチュエータをただ単に組み合わせるだけでは、それぞれのばらつきが加算されるだけで、高い精度は実現できない。そこで、各部品を組み合わせた後で、モジュールとしての出力を合わせ込むことで精度を高めることができる。
また、一体化には他のメリットもある。
「部品を直結することで、電線(ワイヤーハーネス)が不要になります。電線量が減ることで、車両全体の重量も減らすことができます。さらに、電気的な接点が減ることで故障も少なくなる。車両組み立て時の作業工数が減ることも重要なポイント。セットメーカーはモジュールを購入し、それを組み付けるだけで済むのですから」
と、柏崎篤志氏が補足する。

さらに、ATモジュールの燃費向上に果たす役割を述べるのは、杉立英二氏だ。
「エンジンの回転をトランスミッションのギアに伝えるのがトルクコンバーター(トルコン)です。オイルで力を伝えるために滑りが生じ、どうしても力の伝達過程でロスが生じます。これを改善するために、ATでは従来から駆動ロスの少ないロックアップ制御が採用されています。新世代ATでは、燃費性能をさらに向上するために、このロックアップ領域を大幅に拡大しました。しかし、ロックアップ制御はトルコンを介さないことから、変速ショックが大きくなってしまうという欠点があるため、領域の拡大が困難でした。ATモジュールでは、この課題に対しても、高い制御精度の実現により、ATメーカーの要求に応えました」

デンソー製のATモジュールを搭載した車が、MTのようなダイレクト感のあるシフトフィールを持ち、低燃費でもあると評されるのはそのためだ。

IC技術3部のエンジニア3人が、口々に自慢する機電一体ATモジュール。変速機下部に内蔵されるコントローラ部のさらにその一部にはめ込まれる50mm角ほどの小さなECUだが、それが車の走りや操作性にまで影響を与える。ただ、その小さな部品を高精度で作り上げるためには並々ならぬ苦労があった。
 


▼小型化、高密度化、高放熱化のためのハーフモールド構造とは!?▼


>> デンソーが実現した機電一体ATモジュール技術革新とは



記事提供:一歩先が見えてくる エンジニアライフ応援サイト【 Tech総研 】

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