返事のこないメール メールというものは一度送信してしまうと、返事がしばらくこなくても「メールちゃんと届いてますか」と確認するのをなんとなくためらう。封書を投函する手紙と違い、メールならその気があれば簡単に返信できるはずだから、返事がこないということは、「返事をしたくない」という強固な意思表示とも思えるからだ。
ところが、「返事をしたくない」可能性は極めて低いのに、返事がなかなかこず、本当にメールが届いてないのでは、と首を傾げることが最近増えた。 その一例が、ウェブアンケートの当選者にメールで連絡する時である。回答の際に住所を記入させるアンケートも少なくないが、私は特殊な事情がない限り、居住地域(都道府県名)だけを聞く。集計や分析に番地やマンション名まで必要ないからである。当選者には、メールで連絡をして、賞品の郵送先を折り返し送ってもらえばいい。 数年前までは、当選者にメールを送ると、ほとんどが24時間以内に返事があり、遅くとも48時間後には、賞品郵送先リストが完成していた。ところが、最近は、リスト完成に5日くらい時間がかかることも珍しくない。当選通知を送っても、結局期限までに返事がなく、再抽選を行うこともある。当選通知メールはエラーで戻ってきていないので、誰かのメールボックスには届いていると思うのだが。 私が通常ビジネスで使用しているメールアドレスは naoki@pianissimo.com であるが、少し前までは @ の左側がどんな文字列でも、pianissimo.com というドメイン部分が正しければ、すべて私のメールボックスに届くような設定をしていた。つまり、naoki の部分は、naomi でも naoko でもよかったわけだ。これを Anyname 機能という。 Anyname のメリットは、@ の左側のスペルが間違っていてもメールが届くことであるが、逆にいえば、ランダムに生成した文字列を使って、無限の「配達可能」メールアドレスを作れてしまうことになる。これがスパム業者の絶好の餌食となり、当方には主にアメリカから大量のスパムが届くようになった。そこで、いくつかのメールアドレスを設定した後、Anyname 機能を解除することにした。これで、ランダム生成のアドレスにあてたスパムには、相手にエラーメールが戻されることになり、「配達不可」アドレスとして販売用のリストから除外されることになる。いや、除外されるであろうと若干の期待が持てる。 話を戻すと、メールに返事がこないのは、もちろん受信者が長期出張中であったり、多忙で失念してしまっていたということもあるだろう。しかし、当選通知に対して、住所を記入して返信することなど1分もあればできること。返事が遅れているということは、その間メールが開封されていない、と考えるのが自然だ。 メールが開封されない理由としては、フリーメール使った多重アドレスが原因で受信メールを管理できていない、などがまず思いつく。また、メールを携帯電話に転送するよう設定している人も増えている。携帯電話では受信メールの数に制限があるから、転送されたメールがうまく携帯電話に届かず、エラーメールがピンポン現象を起こして削除されることもあるかもしれない。 ここからは単に推測にすぎないが、ひょっとしたら当選通知の「件名」がよくなかったのかもしれない。すぐに開封してもらえるよう、「当選おめでとうございました」などありきたりな件名で送信していたが、当選通知を装う迷惑メールが増えたため、「当選」という単語にフィルターがかけられていた可能性もゼロとはいえない。 そういえば、英語のスパムで、件名に使われる単語にスペルのミスが目立つようになったが、どうやらこれは故意に間違えて、フィルターをすり抜けるのが目的らしい。すぐに返事がくると期待していたメールに対して、なかなか返事がこないというのも寂しいものである。(記事提供:有限会社ピアニッシモ) |