ハートビート:半導体、製造装置からDRAMメーカーへ (下)【DRAM価格反発の要因】 昨年11月末に底打ち反転したDRAM市況は、今年に入って3月−4月かけて下落に転じた。最終製品の需要が盛り上がらないとの観測と、価格上昇でDRAMメーカーが増産し供給過剰感が出ていることがその背景にあると見られるが、そのDRAM価格が6月末ごろから再び上昇基調に入っている。DRAM市況の指標となるシンクロナス型128Mは6月末に2.2−2.5ドルに上昇し、5月末からの1カ月間で中心値が+15%上昇した。 7月に入っても騰勢は止まらずに、同シンクロナス型の128Mは2.7−3.0ドルまで上昇。2カ月ぶりに上値が3ドル台に乗せており、6月末に比べて+19%続伸している。 6月からDRAM価格が底入れ反転した要因は、台湾メーカーの生産調整にあると見られている。台湾のファウンドリーメーカーは、生産量では世界最大手クラスに君臨しており、その動向がDRAM価格に大きな影響を及ぼす。128MDRAMに関する台湾メーカーの採算ラインは約3ドルとされており、その台湾メーカーが採算割れの出荷を回避しようとして、後工程作業を止めてまで生産調整を進めたことが需給改善を促した。 世界第2位のファウンドリーである台湾のUMCでは、4−6月の需要を牽引したDVDプレーヤー用ICや液晶ドライバICの需要は落ちつつあるが、その一方で2.5世代携帯電話向けのチップ需要が大幅に増えて、7−9月期は2ケタ増が見込めるという。パソコン向けDRAMも「WindowsXP」やペンティアム4の標準搭載によって、PC1台当たりの搭載量が前年比で+60%も増加している。 【ブロードバンド化でDRAMの搭載量は増す】 半導体商社やユーザーサイドも、そろそろ底値と見ればスポット買いを強めてくる。パソコンを筆頭に、クリスマス商戦向けの部品手当ては例年なら7月ごろからスタートする。が、今年のクリスマス商戦は盛り上がるとの見方が早くも広がっており、クリスマス商戦向けの部品調達が、例年並みの9月には最盛期を迎えそう。パソコンメーカーと半導体メーカーの流通在庫はともに1カ月を切っていると見られており、底入れしたのなら早めにDRAMを手当てしようと、品薄になる前に半導体商社から一人また一人と手当て買いが始まっている模様。 ブロードバンドの普及がすでに日本でも300万世帯以上に普及しており、パソコンに標準搭載されるメモリー容量も増えている。今では256MDRAMの単価が128Mの2倍以下にまで値下がりしたため、記憶容量単位(ビット)当たりの価格が256Mのほうが128Mよりも安くなる「ビットクロス」が始まっている。この結果、現在の新機種パソコンの標準搭載サイズは、128Mから256M以上に増加しつつある。128Mは増設用メモリーボード向けにスポット市場で取引されるケースが増えているという。 これまで半導体セクターに関しては製造装置メーカーが中心に語られてきた。韓国、台湾、そして中国メーカーが今後も設備投資を強めてゆく構図は変わりそうにないため、それはそれでマーケットの中心に鎮座し続けることは間違いない。その上で半導体メーカーそのものにも、夏から秋にかけての需要期を迎えて議論が移ってゆくことになってゆくであろう。(日立やNEC、富士通は信用買い残がどうしても重荷になってしまうのだが…) 【来週以降のスケジュール】 7月22日(月) ----- 7月23日(火) 6月消費動向調査 7月24日(水) 6月企業向けサービス価格指数 7月25日(木) 6月商業販売統計、5月第3次産業活動指数、 米第2四半期・雇用コスト指数、 6月米耐久財受注、 6月米新築住宅販売件数 7月26日(金) 7月東京都区部、6月全国消費者物価指数、6月・4-6月勤労者世帯家計調査、7月米ミシガン大消費信頼感指数確報値、 7月29日(月) 6月鉱工業生産速報 7月30日(火) 6月・4-6月平均完全失業率 7月31日(水) 通常国会会期末、 6月毎月勤労統計速報、 6月住宅着工・建設工事受注
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