ハートビート:景気敏感セクターが軒並み下落【上】【新日鉄が新安値を更新】 新日鉄が年初来安値を更新した。本日は富士通や沖電気、三菱化学、伊勢丹も新安値に至っており、まだマーケット全体には先行きの下落に対する不安が強く残っている。 米国で同時多発テロ事件が起きた昨年末。米国経済は個人消費を中心にかなり厳しい落ち込みに見舞われるとの見方が支配的だった時に、素材株の一角として新日鉄の株価が真っ先に上昇基調に向かっていった。当時は中国を中心にアジア経済が自律的な発展に向かうなどとは議論の端にものぼっておらず、逆に世界的な鋼材価格の下落がより深刻化しているとの話題で占められていた。その状況下での新日鉄の株価上昇は、テロ後の米国を震源地として世界経済が後退に向かう、とのマーケットの不安感をかなり和らげてもいた。 週明けのNY市場は、NYダウで史上3番目の上昇幅を記録した。先週水曜日(24日)の+488ドル(史上2番目の上げ幅)に続いて、ようやく米国の株式市場に底入れ感が出てきた矢先である。NY市場はテクニカル的な反発に過ぎないとの見方も根強く、日米の長期金利や為替動向も含めて、中長期的な方向性は見えないままである。本日の寄り前の外資系証券会社経由の売買注文状況は、株数ベースで今月最大の売り越しを記録しているが、鉄鋼株に関しては特に目を引くネガティブなニュースもないままに、寄り付きからマドを空けて下放れて始まった。 【TOPIXほどには下げなかった鉄鋼株】 日経平均がザラ場高値12,081円43銭を記録した5月27日を最後に、6月−7月の株式市場は大幅な下落に見舞われた。10年に1度の下落、いや50年に1度の下落との形容詞が飛び交っている。この間の日経平均の下落率は−16.5%、TOPIXの下落率は−13.9%。両者の間に3ポイント近い格差が生じているのは、米国株式市場に連動しやすいハイテク株の下げがきわだっているためである。この間のTOPIX・33業種の業種別騰落率で見た場合、ワースト5に並んでいるのは、第33位の非鉄、32位の証券、31位の石油、30位の電機、29位の卸売となった。 全面安を続けたこの間の東京市場で、ベストパフォーマンスは電力ガスの-3.3%だった。円高を評価した安定株の電力は、上昇したというよりも下がらなかったという印象の方が強い。同じように第2位以下が電鉄、ゴム、紙パ、銀行、水産と並んで、鉄鋼が第8位に入っている。短期的に急落した今年の6−7月相場では、鉄鋼セクターは銀行セクターと並んで比較的よく健闘した部類に入る。
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