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間瀬博行(ませ ひろゆき) |
複数の海外資本の金融機関で為替や株式などのディーラーを歴任後独立。現在一投資家として市場を見つめる。
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灯台下暗し
著者: 桜井信一郎 プリンター用 記事を転送
▼2003年8月7日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
トレードをやっていくと、最終的には「矛盾命題」という、論理的には並立が極めて困難な問題に正面から取り組む必要が出てきます。例えば「欲望」と「無欲」の並立、「恐怖」と「勇気」の並列など、プラスとマイナスの状態を並立させて“ニュートラルでありながらも無ではない”心理状態を作ることが、相場見通しを立てるよりもずっと大切なことがわかってきます。矛盾命題の解決はもともと禅僧の修行でもあったようで、たやすい課題ではなさそうです。
少しトレードをやっていくと、この並立バランスを崩してしまう罠が至るところに潜んでいることがわかってきます。「さあ、買うぞ!」と欲望にかられた時とか、保有株が値下がりしてきて「ああ、やばい」と恐怖が前面に出てしまうとき、少しうまくなってきてちゃんとバランスが取れて収益が上がるようになってくると「さあ、もっといい方法を見つけて更に儲けるぞ!」という強欲が顔を出すケース、失敗への恐怖心からバランスを崩してしまうケースなど、罠は数えたら切りがありません。
ゴルフをされる方はご理解頂けると思うのですが、いざラウンドする際に心のバランスが崩れてしまうと、せっかくの練習も意味を失ってしまいます。ゴルフの天才タイガー・ウッズが試合でスウィングし、まさにボールをヒットしようとした時に、ギャラリーに「ピュー」と口笛を吹かれてしまい、その後がたがたに崩れてしまったことがありました。天才でも一度失った心のバランスを取ることはたやすいことではなかったようで、回復には少し時間がかかりました。こうしたメンタルなバランスが重要という意味で、トレードとゴルフは非常に似通っています。
投資やトレードというと、大体がファンダメンタルズやテクニカル分析など外的要因の研究に目が行ってしまいます。もちろんこうした知識は不可欠ですが、技に走ればそれまでというのは決してスポーツばかりの話ではありません。スポーツではアマチュアの存在が許されますが、市場ではアマチュアとプロ、初心者と熟練者との区別などには意味がありません。ただ「やるか、やられるか」だけです。
「矛盾命題の並立」「バランスを崩す罠を見破る」―― 答えはニュースやレポートの中ではなくて、「灯台下暗し!」、意外と自分の中に潜んでいたりします。(記事執筆:桜井信一郎)
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