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日本ユニシス 日本ユニシス
e-Japan計画の実現に使われる様々な先端テクノロジーを、基本原理から応用・実用まで、時にはエッセー風に、毎週易しく解説するコーナーです。

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最新コラム

インターネットにおける説得的技術

著者: 日本ユニシス ユニシスe-Japanニュース編集室(編集子) プリンター用 記事を転送
2004年1月14日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

1.インターネットにおける説得と共感的理解

行政ポータルサイト『電子政府の総合窓口(e-Gov)』が2004年1月5日リニューアルされたが、依然検索機能の不足やコンテンツの未整理という問題が指摘される。

これは Web の説得的技術を上手く応用することで改善が期待できる。今後構築される官民連携ポータルや行政府の情報公開サイトでは、はじめから説得的技術のような基準を適用しておかないと、今度こそ利用者からそっぽをむかれかねない。

行政に説得的技術を応用するという面では、低コストでグローバルに情報を発信できるインターネットが極めて有用である。特に「事実による説得」は役に立つ。旧来の行政や支配的事業者やマスメディアによる支配の構図を覆したのは、世界規模の事実報道ネットワークを少ないリソースで作り上げた独立系報道メディアであり、不都合な事実データの提供を頑強に拒否し続けた ISP たちだった。

欧米の人たちが、日本が特定の宗教を持たぬ特異な国であるという日本発の情報に対する理解を改めたのは「日本の家庭の65%には仏壇(欧米人の「ミニ教会」)がある」という事実データを前にしてだった。

説得のためのテクノロジーとしてコンピュータ(ネットワーク)を使う『捕獲学(captology)』の提唱者 B.J. Fogg("Persuasive Technology:Using Computers to Change What We Think and Do, 2003")によれば、人間工学に基礎を置く現在の Web ユーザビリティの方法は1990年代前半に確立され、以降応用の局面が続いている、という。

『ウェブサイトやその他のコンピュータ化されたデザインが違ってきたのは、一方通行的なレトリックを乗り越え、インタラクティブになったことだ。ほとんどの人にとっては、行動をともなうものの方が魅力があるので、受動的にメッセージを受け取っている場合よりも、注目度や説得力が大きくなる可能性がある。』

2.説得的方法の原則と説得的デザイン

説得的方法の原則のひとつに、個々のユーザーの状況にあわせてより特定した情報を提供する、情報カスタマイズの原則がある。新しい年金制度の導入や貯蓄意欲の高揚を図るために、ユーザーが自分でどうすればどれくらい得するか計算できるようにしておくと、能動的参画意識を生み、言葉で語るよりもずっと説得力が高く、効果がある、という。

この延長線上に、インターネットにおける効果的な説得の仕方を扱う方法論「説得的デザイン」がある。この方法論は「信頼性という尺度」から、他者の意思決定を代行するコミュニティの情報倫理や道徳の形成プロセスという側面もカバーする。

再び B.J. Fogg によれば、説得力を決める信頼性のガイドラインとして、Web サイトの信頼性に影響を与える51のデザイン要素を順位付けして並べられる、という。

最も有害な4つの要素には:1)リンク切れ(7ポイントの信頼性指標で -1.3)、2)ほとんど更新していないコンテンツ(-1.7)、3)信頼性に欠けるサイトへのリンク(-1.8)、4)コンテンツと見分けのつかない広告(-2.1)、があげられている。

二つまでがリンクの不具合に起因することに注意、としている。リンク戦略すらないサイトがほとんどだろうが、リンクはウェブの基礎であり、「良いリンク」は外部からのものであっても外部へのものであっても、いずれも信頼性の向上に大きく寄与する、という。WWWの商用検索エンジンが、これを「Page Rank」の重要な評価基準に使う理由だ。

3.インターネットにおけるWebサイトの信頼性と倫理

信頼性ガイドラインとして、Web サイトの背後にいる人物や組織、行動している姿を明らかにした方がサイトへの信頼性は向上するという「実世界感覚の原則」や、インタラクションの主たる手段はインターネットにとどまらずにPCの影響力の相対的低下に向かう「環境調和感覚の原則」が解説されている。行政機関のサイトには耳が痛いことだろう。

ひるがえれば、現在のWWWに見られる巧妙なバナー広告やトリップ広告は特定の Web サイトへ誘導するために飛び先を装うが、これは利用者の意図に反する欺瞞である。欺瞞にもとづいた説得は非倫理的であるばかりでなく、多くは、かえって利用者の反感を高める。

利用者の自律的意思があれば倫理的、なければ非倫理的というわけだが、説得的デザインの大部分はこの中間にある。説得しようとする側がデザインに埋め込んだ説得の意図の判断は、利用者にとって価値が共感されれば倫理的で、欺瞞や嘘、情報隠しや捏造があると感づかれれば非倫理的だ、ということになるのだろう。

インターネットにおける情報倫理や道徳の形成には、良質かつ不断のインタラクションが必須要件である。良質かどうかの判断基準は、自主的な参画(コミットメント)に基づく共感的理解と体験共有、そして信頼して任せようと思う自発的意思に求められる。

行き着く先が、知識主義社会における「善への自律的行動という基準が自然に決定される」インターネットの情報倫理やIT道徳そのものの絵姿だろう。利用者本位を唱う電子政府や電子自治体のWebサイトにこのような倫理基準を追求した説得的デザインの方法を取り入れ、強力に推進することが避けて通れない時代になってきた。

ユニシスe-Japanニュース編集室(編集子)

日本ユニシス株式会社


提供:日本ユニシス官公庁・地方自治体向けコンサルティング サービス



 
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