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日本ユニシス |
e-Japan計画の実現に使われる様々な先端テクノロジーを、基本原理から応用・実用まで、時にはエッセー風に、毎週易しく解説するコーナーです。
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データ集約型アプリケーションの新展開
著者: 日本ユニシス 河上 一郎 プリンター用 記事を転送
▼2004年1月21日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
1.インターネットを使った並列分散コンピューティング
旧来の科学技術計算分野、特に高エネルギー物理、宇宙科学、気象工学、流体力学などのデータ集約型(Data Intensive)アプリケーション分野では、長い間オフライン媒体によるデータの収集・蓄積と超高速コンピュータによる計算という手段が使われてきた。
インターネットにおけるデータ伝達速度の高速化や末端のコンピュータ(主としてPC)性能の飛躍的向上、広域ネットワークの整備、加えて新種のインターネット技術の普及により、世界中の大学や研究機関の高性能コンピュータシステム間のデータやプログラム、さらには計算資源そのものを統合し、共有・共用することが容易になった。
従来型スーパーコンピュータでは物理的にもコスト的にも制約を受けていたゲノムや蛋白質構造決定、分子レベルでの創薬、ナノテクノロジー、災害シミュレーションなどのデータ集約型アプリケーションに新たな応用分野が切り開かれつつある。
学術分野の研究者間で90年代に始まったインターネットによる並列分散コンピューティングの研究は、三つの代表的な並列分散の概念を確立させた(下記)。
(1)マルチプロセッサ(MP):
プロセッサがシェアード・メモリか高速な相互接続(クロスバー・スイッチ等)によって強固に連結された形態。例としてPVP(並列ベクトル・プロセッサ)などがある。相互接続されたプロセッサ間のメッセージ交換スピードに依存する並列処理アプリケーションに最適な構成である。
(2)クラスタ:
シングルプロセッサ(SP)あるいはMPシステムを、MPの接続速度より1〜2桁遅い接続速度によって緩く連結した形態。多量なスループットを必要とする計算や、複数のプロセッサにジョブプロセスを分配し、それぞれの結果を集めてひとつの結果を導くような処理を行う場合に利用される。映画製作や VLSI チップの開発、ゲノムや蛋白質のシークェンススキャンの分野などで活用される。
(3)グリッド:
単独のシステム(SPあるいはMP)やクラスタなどをコンピュータ・グリッドの1点とし、通常はインターネット網上で相互に結合して巨大なひとつの仮想コンピュータとする形態。散在するコンピュータのCPU、記憶装置、周辺機器、アプリケーションソフトウエア、モバイル機器などを、統一されたアクセス方法で接続する。科学技術計算、共同作業などの技術的基盤として利用される。
2.グリッド(コンピューティング)の応用分野
応用という側面から「グリッド」を分類すると以下のようになる、という(科学技術月報2002年9月号"特集2 グリッド技術の動向"に典拠。ピアコンピューティングを含む)。
(1)メタコンピューティング:
ネットワーク上に分散しているスーパーコンピュータを複数台接続して、1台では困難な大規模計算を実行するもの。単一プログラムの内部計算を並列処理する使い方と、同じプログラムを異なる複数のパラメータで実行させて、その結果を解析する使い方とに分かれる。
(2)研究グリッド:
利用者や利用機関がネットワーク上にコミュニティを形成し、お互いの知識資源を共有するもの。特に研究者や複数の研究機関の場合を指す。
(3)アクセス・グリッド:
遠隔地の利用者間で、データ、解析結果、画面などを共有しながら活動を進める環境を提供するもの。
(4)データグリッド:
1箇所に格納できない大容量のデータや各地に分散したデータをネットワークで共有し遠隔地からアクセスできるようにするもの。データ格納効率や大容量データ通信など、現在盛んに研究、利用されている。
(5)計算サービスグリッド:
複数の計算サーバをネットワークに接続し、必要に応じて最適な条件で利用できるように、共有環境を提供するもの。
(6)グリッド ASP:
高性能の計算サーバをネットワークに接続し、用途別のアプリケーション・プログラムを利用者に提供するもの。上記5)ではプログラムは利用者が作成するのが前提だが、こちらはプログラムも含めてサービス提供者が提供する。
(7)デスクトップグリッドコンピューティング:
ネットワークに接続されている個人のPCの空き時間を(ボランティアで)提供してもらい、これら複数のPCで並列計算を行うもの。ソフトウェアの更新やセキュリティーなどの対応要。
(8)センサーグリッド:
複数の遠隔地に設置したセンサーをインターネットで結び、得られるデータの解析を行うもの。地球環境モニタリングなどでの応用が始まっている。
データ集約アプリケーションをはじめとして、インターネットにおけるデータ処理環境はローカルなデータ周辺機器に依存するローカルシステムから、複数の異質なデータ資源(グローバル資源)にアクセスして統合する並列分散システムへ変化している。グローバル資源へ比重を移すということは、どこからでも分散したコンピュータと情報資源にアクセスできる新たなパラダイムを可能にする、ということだ。
つまるところ、分散データベース系や分散コンピューティング系ともども、利用者がデータを同時に参照しリアルタイムに反応できるような、メタデータライブラリや知識ネットワークといったダイナミックな協同環境を提供するものとなってきた。e-Japan の巨大な社会的コンピュータネットワークが目指しているのは、実はこれ以外の何ものでもない。
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河上 一郎
日本ユニシス株式会社
官公庁営業/技術主幹
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提供:日本ユニシス
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