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e-Japan計画の実現に使われる様々な先端テクノロジーを、基本原理から応用・実用まで、時にはエッセー風に、毎週易しく解説するコーナーです。

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最新コラム

企業・行政機関におけるIT技術者の育成について

著者: 日本ユニシス 鈴木 利尚 プリンター用 記事を転送
2004年2月10日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

1.IT技術者育成の難しさ

近年、情報技術(以降IT)は多様化・複雑化の一途をたどり、企業・行政機関ではITを活用した成長の方向性を暗中模索している。企業・行政機関のIT技術者(以降、技術者)は個々のスキルを習得するのみならず、『変化に対応し、問題を解決できる』スキルを持っていることが必要となるだろう。

また、役割、スキル・知識について、企業・行政機関が技術者に期待するものと技術者が希望するものとの間でギャップが生じることも少なくない。

これは性格や志向といった技術者個人の資質に大きく依存しているからだ。組織の期待と個人の資質を適合させることは容易ではないが、その適合が技術者のモチベーションを高く維持し、組織を成長へと導くといえる。

では、技術者の資質と組織の期待をすり合わせながら、『変化に対応し、問題を解決できる』スキルを組織体全体で育成するにはどうすればよいのだろうか?

具体的には組織の機能や専門性にもとづく技術者の役割と個人の資質を考慮し、多様なキャリアパスの中から各技術者に対し適切な方向性を提示することになる。ここでは、技術者育成に関するアプローチについて述べたい。

2.人材モデルの重要性

ビジネスの世界では、企業の期待を明確に示すものとして『人材モデル』があり、各人材モデルの必要性は経営戦略/事業戦略で示される。したがって人材モデルは企業の期待と技術者の資質の整合性を取るためのフレームワークとして最重要な位置付けである。

人材モデルを起点とした育成戦略の『Plan Do See』は、以下に示す「4W1H」をトータルで考えることが求められる。

1)『誰(Who)』が
2)『何のスキル・知識(Which Skill/Knowledge)』を
3)『どのレベル(Which Level)』で持ち
4)『どんな役割(What to Do)』が期待できるのか?を理解し、
5)『どうやってスキルアップするのか(How to Skill-up)』を各技術者に示し、スキル・知識習得を支援する。

この「4W1H」を反映した育成支援には以下の要素が不可欠である。

1)自己成長の方向性を示す『キャリアパス』
2)技術者の知識と経験を蓄積する『スキルデータベース』
3)また実績の観点からスキルを評価する『認定制度』
4)知識やスキルを体系的に習得する『研修制度』

日本ユニシス グループでは、人材モデルの要件を業務上の役割と、役割に応じたスキル・知識で定義している。またスキル・知識のレベルに応じて人材モデルに3段階のレベルを設定し、スキル・知識の要件を満たす技術者を、レベル別で人材モデルに対応付けている。

複数のモデルに対応する技術者も数多くいるため、人材モデル間の相関関係の強弱が相関係数で示された。これより人材モデル間のキャリアシフトの難易度や、育成上希少価値である人材モデルが明らかになった。この結果を、1)人材モデルの体系化、2)キャリアパスの設計、3)育成計画への還元、といったように育成戦略の各要素へとフィードバックしている。

3.ITスキル・スタンダードの活用

e-Japan 構想のひとつであるITスキル標準が2002年12月に経済産業省から公開され、2003年7月にはアップデートされた。技術や知識の定義は千差万別で、トップダウンの導入を図ることは必ずしも得策ではない。

なぜなら企業・行政機関の組織文化が技術や知識の定義に反映されるからだ。しかし、企業・行政機関と技術者が互いの成長の方向性を共有し、良好な関係を持つ上で、ITスキル標準の存在意義は大きい。

日本ユニシス・グループが昨年(2003年)末に人材モデルを刷新した際にも、ITスキル標準を参考にした。例えば、人材モデル要件の妥当性を検討する際に、人材モデルとITスキル標準の職種と間でスキルや知識の比較を行い、人材モデルのレベルを設定する際に達成度を参考にしている。

今後は企業・行政機関が、個別の組織文化を尊重しつつも、業界標準を意識した育成施策をとることが、戦略上強く求められる時代になってくるだろう。

鈴木 利尚

日本ユニシス株式会社
サービスビジネス開発本部/ユビキタスソリューション部


提供:日本ユニシス教育サービス



 
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