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日本ユニシス 日本ユニシス
e-Japan計画の実現に使われる様々な先端テクノロジーを、基本原理から応用・実用まで、時にはエッセー風に、毎週易しく解説するコーナーです。

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 ホーム  http://e-japan.unisys.co.jp/

最新コラム

双方向ハイパーリンクのセマンティック Web による実装

著者: 日本ユニシス 河上 一郎 プリンター用 記事を転送
2004年3月17日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

1.セマンティック Web の構築

e-Japan のネットワークでデジタル化されるデータの形態は千差万別だが、「知識化」されたデータとして利活用されるためには、コンテキストベースであることが要求される。

「セマンティック Web は、あらゆるデータをコンテント(中身)およびコンテキスト(意味を定義するメタデータ:データを記述するデータ)とともに記述、人間の代わりにソフトウェアで自動処理させることを目指す。XML ベースのメタデータ記述で、データやプログラム、スクリプトをサービス部品として再利用でき、値やメッセージを Web サービスを介してやりとりしたり、結果を受け取ったりできる。複数のサーバーで意味的な処理連携を可能とし、ファイアウォールを超えて分散オブジェクトの連携を行える。」【技術ペーパー『分散デジタルコンテンツのコンテキスト』/2002年12月9日:再掲】

双方向ハイパーリンクの実装は、セマンティック Web 技術を使って行うのが王道である。標準規格の非合意やITにおける対応技術レベルの未成熟といった制約状況はあるにしても、コンテキストベースの情報システムを構築する現実的な方法を4つの指針として示すことができる(下記)。

(1)インターネット上のプロセスの実装

ビジネス駆動/プロセス駆動アーキテクチャによる、プロセスの定義。Web サービスを使うインテリジェント・エージェント(プログラム・サービス部品)、エージェント・ブローカ、およびエージェント環境の定義と記述。

(2)セマンティック Web 技術による、コンテントおよびコンテキストの記述

Dublin Core に典拠した、メタデータの定義と XML による型記述(RDF スキーマ)、および意味辞書(オントロジー)による知識ベースの定義と記述。業務メタデータ、エージェント プロシージャ、Web サービス コンポーネント、の3種のオントロジーを要する。

(3)知識ベースの構築

XML の Xlink/Xpointer を使って、URI の双方向ハイパーリンクによりデジタル リソースの属性定義と恒久的なリンク付け。オントロジー知識としての組織化。

(4)プラットフォームの整備

ブロードバンド ネットワークと、3階層(クライアント/サーバー)および2階層(P2P)のハイブリッド分散コンピューティング環境による情報共有基盤の整備。

2.セマンティック Web の行政への利用

e-Japan の行政サービスにおける一連の申請や届出の処理、あるいは特定のテーマにおける一連の知識(情報連鎖)が、双方向ハイパーリンクにより緊密に結びついたひとつのもの(知識の総体:e-Japan のスキーマ)として分散運用(登録・参照・更新・保全)されるとき、以下のような課題解決が期待できる。

(1)電子政府/電子自治体の多様な業務連携を可能とする。コンテンツの管轄・所管・所在等、内容や物理的配置に変更があったとしても反映に手間はかからない。「一つの行政府」を実現する際のIT基盤を構成する。

(2)特定のテーマに関する情報を、常に同期の取れた、適切に更新された一体の情報群として運用できるプロセス連携を可能とする。ワンストップ行政サービスに活かされる。

(3)分散配置されたすべての行政情報をひとつの巨大なデータ辞書(リポジトリ)として利用できるアクセス連携を可能とする。データ(コンテンツ/コンテキスト)の無効な検索・参照を廃し、一連のつながりを持った知識として情報へアクセスできる。

(4)コンテンツの変更履歴やアクセス履歴などを一元管理/一元制御できるセキュリティ連携を可能とする。国民の個人情報は中央で管理されるのではなく各管轄する行政機関で安全に管理されるので、プライバシー保護や適切な更新が行える。

(5)電子政府/電子自治体の多様な業務経験と知識を融和させ、協調作業(コラボレーション)できる能力連携を可能とする。行政 BPR を強力に支援する道具となる。

(6)分散配置されたコンピュータの演算能力や記憶能力といった物理的リソースを共用できるリソース連携を可能とする。格段の TCO 改善をもたらす。

デジタルコンテンツのコンテキストを(意味的に)扱えるこうした「知識ネット」環境の実現によって、ネットの中のネットと訳されるインターネットが変貌をとげる。創設者たちが遠い昔に夢見たような、字義通りの知識ネットワークとして立ち現れる。

e-Japan の推進によってもたらされる高度情報化社会、すなわち産業主義社会後の知識主義社会において、産学官民の緊密な信頼関係で成り立つ(インタラクティブな)行政サービスを展開するには、日本の地域コミュニティのみならず、自治レベル、国レベル、さらには近隣諸国レベルや国際レベル等多様な視点で行動することが要求される。ここに、セマンティック Web 技術によって実装される知識ネットの意義は極めて大きい。実装に技術的困難は多いが、先進ITのリーダー国家として世界を牽引する役割を目指すのであれば、義務としてでも試みるだけの価値がある。

河上 一郎

日本ユニシス株式会社
官公庁営業/技術主幹


提供:日本ユニシス社外戦略支援ソリューション



 
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