|
任天堂が、大画面の「ニンテンドーDSi LL」を発表。欲しいと思いますか?
|
防災情報の判断基準値の課題7月23日16:35分ごろ首都圏で発生した地震で、交通機関のダイヤが大幅に乱れた。JR、地下鉄が一時運転を中止したが、運転再開までにかかった時間は、各社まちまちである。都営地下鉄は地震発生15分後に全線開通しているが、東京メトロの全線が運転再開するまでには4時間、JRは全線開通に7時間かかった。
この運転再開時間の違いは、確認、点検すべき路線長や路線の場所の違い、あるいは点検内容の違いによるものなのか、それとも地震測定の場所と地震対応マニュアルの違いなのかは現時点では明らかでないが、鉄道会社が利用している地震データと地震対策マニュアルが各社各様であることは事実であり、運転再開までの時間に影響を与えた可能性がある。 都営地下鉄の対応マニュアルは、震度を基準にしており、震度5で運転中止。安全を確認後運転再開。震度4の場合は、25km/h 以下の徐行運転。東京メトロでは、ガルを基準に3段階の対応になっており、100ガル以上が基準1で、運転見合わせ。全区間の点検完了後運転再開となっている。今回の対応は基準1であった。 ここで、対応の判断に使われた震度とガルは、どちらも、ある地点の地震の揺れを表す値であるが同じものではない。地震の揺れを表す値としては、この他にも SI 値が使われることがある。 震度は、もともとは人が体感および周囲の状況から判断して決定した値だったが、平成8年から、気象庁では震度計による観測値を発表している。この震度は、観測した地震の加速度から、体感や被害の状況に合わせた値に近づけるように計算されているものである。 ガルは、地震の揺れの加速度の最大値で、地震動の大きさを表わす。SI 値は、地震によって一般的な構造物がどれくらい大きく揺れるかを表している。 一般に、政府と自治体の地震対策マニュアルでは、対応を判断する値として気象庁が発表する震度が使われることが多いが、リアルタイムに設備の運転に対する対応が必要なインフラ企業などでは、独自に設置した地震計で測定したガルや SI の値を使うことがある。 都営地下鉄、東京メトロとも地震計は独自に設置していて、対応を判断するために、都営地下鉄では震度を、東京メトロではガルを利用している。 東京ガスでは、供給区域3,100平方キロメートル内3,800か所に設置されたガスの圧力調整をする機器に取り付けられた地震計(新SIセンサー)が、導管や構造物に被害が生じるような地震を感知すると自動的にガスを遮断する。また、各家庭のガスマイコンメータは、震度5強相当で自動的にガスが遮断する。 今回の地震では、数件の家庭のガスマイコンメータが動作して、自動的にガスが停止したが、ガス導管でのガス遮断はなかったため、各家庭でそれぞれ復旧作業が可能であった。 多くの地震対応マニュアルにおいて、「震度5」が、初動対応の閾値になっている。内閣府の情報対策室設置も「震度5強」で設置されることになっている。23日の地震は、都内の多くの場所で震度4、一部の都区内、千葉県、神奈川県で震度5弱であったが、足立区に設置されている都の地震計で「震度5強」が観測され、このデータを都庁から気象庁へ送る時に20分ほどの遅延があったため、内閣府の初動対応が30分遅れたことが問題となった。 地震の揺れの大きさや範囲は、地震発生のメカニズムや地盤や地形の影響を受ける。足立区は、古い利根川などの洪水によってできた軟弱地盤のため、震度5強となったとみられる解析結果が発表されている。今回の震度分布では、震源に近い場所よりも、遠くの軟弱地盤で揺れが大きくなっている場所がいくつかある。 このことは、地震観測値は、地震計の設置場所の影響を大きく受けることを示している。たまたま1つの測地点だけが、特異的に大きな揺れを記録することもありえるし、また逆に、地震計が設置されていない場所では、実際には大きな揺れが発生していても観測されないこともありえる。 今回の地震では、地震対策のマニュアルおよびシステムで使われる、対応を判断する値が、単純な値、例えば、「震度5強」であれば何々をする。というだけでは、人、建物、交通機関が密集している大都市においては、実際に即した対応ができないという問題が提起された。 地震発生という緊急事態の中で、迅速な対応を行うためには、マニュアルに記述される対応判断の基準値は、単純な値やルールのほうがよいことは明らかである。そこで、被害をできるだけ減らすためには、利用する測定値の種類やその性質、観測地点の性質、観測値の地図上での分布、発生時の状況、さらに、判断による結果を考慮した情報をシステムが提供し、マニュアルあるいは、対応を判断するための支援で利用していくべきだと考える。 |
|