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2009年7月4日
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パブリック コラム2006年4月12日 00:00
e-Japan 先端テクノロジー解説
e-Japan 先端テクノロジー解説 日本ユニシスメールホーム
e-Japan計画の実現に使われる様々な先端テクノロジーを、基本原理から応用・実用まで、時にはエッセー風に、毎週易しく解説するコーナーです。

Web 2.0 ― Amazon に見る Web の小売業からプラットフォームビジネスへの進化 ―

国内国内internet.com発の記事
Amazon
インターネットの商用利用の黎明期、1995年に、Amazon はインターネット上で「書籍を通信販売する企業」として起業した。その後、Amazon は書籍だけでなく CD や DVD、家電、日用雑貨などを扱う総合オンラインショッピングサイトに成長した。

集合知の利用
Amazon はカスタマーレビューと呼ばれる「書評」を書き込むことができる。これは読者からの口コミで、これからその本を買おうとしている人にとっての評価基準となっている。また、そのレビューを読んだ人がレビューを行った人に対しての評価を行うことで、レビュアーの信頼度を担保している。この口コミやレビュー記事など、書く楽しみやそれを見せる楽しみを提供することにより、さらにユーザーが増加している。

増加したユーザーが Web 上で行う行為を記録・利用することにより新たな情報や価値を生み出している。例えば、いままでにどの商品をショッピングカートに入れたかという記録や他の人がどのような組合せで商品を買っているかという記録に応じて、お勧め商品をリストアップしている。このようなユーザの意識的な参加や無意識な行動の結果をデータベース化し複合的に利用することを「集合知の利用」と呼ぶ。

ロングテール
Amazon の書籍の売上高を調査した際に「ロングテール(Long Tail)現象」が見つかった。ロングテール現象とは、ベストセラーや売れ筋などの上位2割の商品が売上の8割を占めるというパレートの法則(2:8の法則とも言う)に対して、下位8割の部分が売上の5割以上の大きさになったこと言う。「塵も積もれば山となる」のことわざどおり、一つ一つの商品の売上は小さいものの、その数が膨大になることで、全体に与える影響が大きくなるということである。

リアル書店では棚の大きさの制限や在庫量の限界で下位8割を切り捨ててしまう。しかし、Amazon はネット書店の強みである Web ページのページ数を無限に確保できる点やキーワード検索やカテゴリ検索で読みたい本を探せる点を活用し、棚の大きさや在庫量を豊富に確保し、売上に結び付けている。

API
API(Application Programming Interface)は、アプリケーションを開発する時に使用する命令や関数のことである。Amazon は API を無償で公開し、新たな Web アプリケーションの構築するための命令や関数を開発者に広く開放した。個人やベンチャーが Amazon が提供した API を利用して、Amazon の商品を売ることが可能となり、多くの Web アプリケーションが生まれた。その新たな Web サイトを通じて行われる購買行動に対して、Amazon が手数料を得るビジネスモデルを適用している。

商品データベースを公開するこで、Web の小売業からプラットフォームビジネスへ進化している。Amazon のような、有力企業の優れたサービスを個人やベンチャーのサイトで利用することができ、雪だるま式に豊富な機能を持つ Web アプリケーションが短期間でリリースされるようになった。

アフェリエイト
Web 広告にも変化が現れ、「アフェリエイト」という新たな広告が出現した。アフェリエイトは、Web サイトの間のパートナーシップが強調された成果報酬型広告である。企業の Web APIを利用し、個人が自身の Web サイトに企業広告を表示する。あるユーザーがその広告を通じて企業の Web サイトにアクセスし、ユーザーが購買行動を行った場合に、売上の一部を広告を表示した Web サイトの運営者に支払うという仕組みである。

個人 Web 運営者やユーザーの参加を推進するだけでなく、その Web サイトに関心のあるユーザーからの購買を期待できるので、企業にとっては費用対効果が高い。Amazon はアフェリエイトを「Amazon アソシエイト」というサービス名で提供している。

今後
Amazon のビジネスモデルはインターネットの第一世代、第二世代の両方で参考になる事例であり、多くの企業のビジネスモデルに影響を与えると考える。価値ある情報を見極め、その情報が企業にとってお金を生む仕組みを作り出し、また、参加する人々にも利益をもたらしている。今後、多くの企業が Web 2.0 を取り入れ、新たな価値が生まれることを期待したい。

個々の技術用語やビジネスモデルを理解するに留まらず、この Web 2.0 の及ぼす効果を考えてみる必要がある。Web 2.0 は個人の Blog や口コミ、API を利用した個人 Web サイトの開発に留まらず、企業のあり方を変えると考える。

例えば、すでに EC サイトやポータルサイトでの利用が盛んであり、企業戦略も囲い込み戦略からオープンプラットフォーム戦略へ移行している。さらに、Web 2.0 によって革命とも言える変化が訪れ、社会性や経済圏にも影響を及ぼすと考える。実際にアフェリエイトによる収入で生活する人々やインターネットオークションの売上で生活する人々が存在する。ネットのあちら側で起こった変化が、リアルなビジネスや生活に大きなイノベーションを起すと思う。

--- コラム ---
動物の表紙の IT 技術書で有名な出版会社のオライリー社 CEO の Tim Oreilly 氏が新しい Web の変化とトレンドを第二世代の Web「Web 2.0」と表現したことがはじまりである。2004年10月に第一回、2005年10月に第二回の Web 2.0 カンファレンスを開催し、その結果、新たなキーワードとして知られるようになった。

Tim Oreilly 氏は「What Is Web 2.0」の中で、「次世代ソフトウェアのためのデザインパターンとビジネスモデル」と定義している。また、以下の7つの特徴を示している。

 (1) プラットフォームとしての Web
 (2) 集合知の利用
 (3) データは次世代の「インテル・インサイド」
 (4) ソフトウェア・リリースサイクルの終焉
 (5) 軽量なプログラミングモデル
 (6) 単一デバイスの枠を超えたソフトウェア
 (7) リッチなユーザー経験

【参考文献】
http://www.oreillynet.com/pub/a/oreilly/tim/news/2005/09/30/what-is-web-20.html What Is Web 2.0

梅田望夫「ウェブ進化論」
小川浩、後藤康成「Web 2.0 BOOK」

中川 靖士
日本ユニシス株式会社
総合技術研究所先端技術部技術開発室
研究員


提供:日本ユニシスユニシス

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