社会保障カード(仮称)で使用する「社会保障番号」の在り方平成19年9月27日に、年金手帳や健康保険証、さらには介護保険証としての役割を果たす社会保障カード(仮称)を平成23年度中を目途に導入することを目指し、システム基本構想等について検討を目的として第1回の「社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会」が開催されました。
本検討会は、年内を目途に社会保障カード(仮称)に関する基本構想を取りまとめる必要があることから、厚生労働省政策統括官(社会保障担当)が、有識者の参集を得て開催されました。 有識者(委員)は、大学教授(准教授を含む)を中心に NPO 理事長と新聞社編集委員で構成されており、座長には東工大の大山教授(IC カードの権威者)が選任されました。国の関係者としては、事務局である厚生労働省・総務省・内閣官房の関係部署担当者が出席されました。 本検討会の趣旨としては、「年金記録に対する信頼の回復と新たな年金記録管理体制の確立について」(平成19年7月5日政府・与党)において、年金の記録を適正かつ効率的に管理するとともに、常にその都度国民が容易に自身の記録を管理でき、年金の支給漏れにつながらないようにするため、年金記録管理の在り方を抜本的に見直すこととされており、その一環として、社会保障カード(仮称)を平成23年度中を目途に導入することとしています。 (1)社会保障カード(仮称)に関する議論の経緯 これまでの経緯については、配布資料の抜粋にて紹介します。 □平成19年4月5日の「IT 新改革戦略 政策パッケージ」で、国民の健康情報を大切に活用する情報基盤の実現と希望する個人が健診情報等の健康情報の閲覧・管理に役立てるための「健康 IT カード(仮称)」の導入について平成19年度中に検討し結論を得る。 □平成19年5月15日「医療・介護の質向上・効率化プログラム」で、健康 IT カード(仮称)の導入に向けた検討を行い平成19年中を目途に結論を出す。 □平成19年6月19日「基本方針2007」(閣議決定)で、社会保障の情報化の推進として「電子私書箱(仮称)を検討し、平成22年頃のサービス開始を目指すとともに、「健康 IT カード(仮称)の導入に向けた検討を行い、平成19年内を目途に結論を得る。 □平成19年7月5日「年金記録に対する信頼の回復と新たな年金記録管理体制の確立について」(政府・与党)にて、新たな年金記録管理システムの導入、「社会保障カード」(仮称)の導入は平成23年度中を目途とする。 □平成19年7月26日「重点計画―2007」(IT 戦略本部)で、社会保障カード(仮称)の推進(厚生労働省)が示され、年金手帳や健康保険証、さらには介護保険証としての役割を果たす「社会保障カード(仮称)」を平成23年度中を目途に導入することを目指す。その際、電子私書箱(仮称)の検討と連携しつつ、希望する個人が健診情報等の健康情報の閲覧・管理に役立てるための仕組みの導入に向け、システム基本構想等について検討を行い、平成19年内を目途に結論を得る。 (2)システム基本構想策定と検討会傍聴の感想 平成19年内にシステム基本構想を取りまとめるとしていますが、約3か月の短期間でどこまでの結論が整理されるかが疑問視されます。検討会メンバー(委員)が多忙であることや住基カードにおける課題および IC カードに関する知識を有しない(例えば、PKI の知識が無い)委員がいらっしゃることが理由であります。 今後は、事務局である厚生労働省の社会保障カード推進室が中心となりシステム基本構想を策定することになると思われます(検討会委員は、意見・提言に留まるのではないか)。 (3)社会保障番号の在り方についての考察 社会保障カード(仮称)には重複することない固有の番号(コード)を必要とします。この社会保障番号については、「社会保障番号に関する実務的な議論も整理について(平成18年9月22日内閣官房提出資料)」で議論されており、基礎年金番号の拡張、住民票コードの拡張、新たな番号の創設とする3つの方法が検討されてきました。 一方、社会保障カード(仮称)の在り方に関する検討会においては、健康保険証番号、介護保険証番号を含め検討される見込みであります。 社会保障番号の在り方については、基礎年金番号のような永久番号とするのか、住民票コード・健康保険証番号・介護保険証番号のような市町村・保険者が変わることで変動する番号とするのかも議論になると考えます。 過去に国民総背番号制の議論がありましたが世論の反対もあり実現しませんでした。筆者の考えとしては、関連する制度に係る情報システム連携を正確で効率的に運用する意味で永久番号となるような番号体系が望ましいと考えます。 森山 勉 日本ユニシス株式会社 官公庁事業部/官公庁ビジネスセンター シニアコンサルタント |