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e-Japan 先端テクノロジー解説
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e-Japan計画の実現に使われる様々な先端テクノロジーを、基本原理から応用・実用まで、時にはエッセー風に、毎週易しく解説するコーナーです。

地方自治体の共同アウトソーシングと ASP・SaaS について(後編)

国内国内internet.com発の記事
本レポートの前編では、地方自治体の共同利用の動向、SaaS とはについて、地方自治体における ASP・SaaS の導入状況、ASP との比較による SaaS の特徴について報告いたしました。

後編では、地方自治体の業務における SaaS の活用による効果および提言等についてまとめます。地方自治体の導入検討に向け参考になればと考えます。

<1> SaaS 活用による効果

ここでは、SaaS 活用による効果について検討してみます。

(1)IT コスト削減効果
コスト比較としては、これまでの共同利用の場合を例にとると、各自治体のコスト負担が契約数に影響します。基本的なコスト負担割合は、基本契約分と人口規模割(それぞれの比率は、マチマチですが)としており、公共施設予約のようなアプリケーションについては契約数も多く費用対効果があります。

しかしながら、税・保険業務のような複雑で汎用性が低いアプリケーションについては、契約数も少なく個々の自治体の負担コストが高く、コスト削減の効果が望めないことになります。

なお、共同利用の場合は、近隣市町村または都道府県単位とする共同利用で、都道府県を横断した共同利用事例はありません。

一方、SaaS は不特定多数の地方自治体向けに SaaS 化された業務システムを用意することとしているので、全国約1,800弱の市町村が対象となることからコスト負担を従来の共同利用に比べ低減することができます。

(2)業務の標準化による効果
SaaS が提供する業務システムは、標準化されたシステムを基本としています。導入検討の自治体においては、これまでの業務を分析し、標準化された業務システムと比較することで業務改革の手段とすることが可能です。

業務改革の実施により、SaaS が提供する業務システムのカスタマイズを極力少なくすることができます。さらに、より多くの自治体に SaaS が採用されれば、カスタマイズ部分を標準サポートとすることでカスタマイズ比率を格段に減少させることができます。

(3)地域 IT ベンダの参入効果
SaaS では、1か所の IDC からのサービス提供となることから、ベンダが全国に要員・事務所を配備する必要がなくなります。これまで地域を限定したサービスを実施してきた地域 IT ベンダが参入可能となり、地方自治体向け SaaS ビジネスの競争が激化しサービス内容と品質が高くなり、価格が低くなるという効果が望めます。

<2> SaaS 化による行政 IDC 事業への提言

ここでは、地域 IDC による行政 SaaS への提言を、導入面、利用促進面、利便性向上、地域 IT 産業の活性化面で提言をまとめました。

(1)導入面

■ICT 化
地方自治体向け地域 IDC を地域民間企業にて設立する。ただし、地域 IDC が継続運営するために地方自治体が利活用することを複数年契約で担保する。

■自治体における共同化の意志
国の新たな施策である「地方公共団体における ASP・SaaS の普及促進」を踏まえた広域連合による共同化を地方自治体が具体的検討を実施する。

(2)利用促進面

■利用者視点でのメリット
利用者となる地方自治体としては、情報システムの運用・保守を地域 IDC へ委託することにより、IT コストの削減と専門職員の育成等にメリット(当初の IT 予算を増額することなく)がある。

■魅力ある SaaS
これまでの ASP 方式に比べ柔軟性と拡張性がある SaaS 方式の利用を積極的に実施する。

■IT 調達
業務システムの SaaS 活用の調達については、導入し易い財務会計・文書管理等のバックオフィスを先行的に実施する。

■開発
自治体 EA や地域情報プラットフォーム標準仕様に準拠したソリューション(新規開発で無く)を採用する。

■運用
地域 IDC への運用委託を行う。

(3)利便性向上面

■コスト削減
標準化・SaaS 化されたソリューションを活用することで、開発および保守コストを削減可能となる。

■効率よい運用
運用を地域 IDC へ委託することで、専門技術者による共同運用効率化が望める。

■使い勝手の良さ
SaaS は、従来の ASP に比べ必要とするシステム機能のみを利用することができ、市町村での利用が増えることで、システム機能の品揃えが増える。

(4)地域 IT 産業の活性化面

地域 IT 企業においては、地域の官民による IT 化を背負って立つ努力をすることが重要である。特に、地方分権化の推進と将来的な道州制を視野に入れた地域の情報化の在り方を検討し、以下の研究と具体的な事業計画(地域 IT 企業協業での)を策定する。

■地域の情報化の在り方を産官学にて明らかにする(特に、ICT の活用について)。

■地方自治体業務については、広域行政(広域連合)による共同化ビジジョンを地方自治体と地域 IT 企業にて検討する。

■地域 IDC による SaaS の利用について研究し、実施計画を策定する。

以上、今後の地方自治体の情報化で利用促進が期待される SaaS について、筆者の考えを取りまとめいたしました。

著者:森山 勉
日本ユニシス株式会社
官公庁事業部 公共ビジネス部
シニアコンサルタント

提供:日本ユニシスユニシス
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