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2008年10月14日
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Webテクノロジー コラム2003年12月4日 00:00
P2P とコラボレーション
P2P とコラボレーション アリエル・ネットワーク(ありえる・ねっとわーく)メールホーム
自社開発の P2P フレームワークを元に、コラボレーションソフトの開発・販売や、P2Pアプリケーション開発のコンサルティングを行っている。

P2P の誤解:著作権とコピー技術

国内国内internet.com発の記事
前回まではビジネスと P2P の関係を中心に見てきましたが、 今回からコラムのテーマを、 もう一度 P2P というテクノロジー自体に戻してみたいと思います。

まずは音楽ファイル共有についての議論を整理しましょう。 (もちろん問題となっているのは音楽だけではありませんが、 話を整理するためにあえて音楽を中心に見てみましょう)

P2P というと、 一般の方々にはやはり WinMX や Winny に代表される、 音楽ファイル共有ソフトのイメージが強いようです。 音楽ファイル共有ソフトに関しては、 著作権違反の問題がマスコミでも大きく取り上げられているため、 著作権違反や違法というイメージが強いようです。

そのような誤解を解くためにも、 実際、なぜこのような問題が発生するのか、 またこのような問題を回避する方法はあるのか、という話から始めたいと思います。

■音楽をコピーするという行為

まず、 音楽ファイル共有ソフトで最も問題となっている著作権違反の点について、 整理してみます。

そもそもの音楽のコピーについて振り返ってみましょう。

あなたは、 友人に自分の好きな音楽を聞かせたいと思ったとき、 どうしますか?  仮に友人にあなたが好きな音楽をあげようと思った場合、 通常は何かの媒体にコピーして渡していると思います。 ただ、厳密にはこの行為も違法と認識される場合があります。

社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の Web サイトには、 「私的使用のための複製」など著作権法で認められているケースを除いて、 著作物を利用する際には著作権者の許諾を得る必要がある、と明記されています。

当然この「私的使用のための複製」に当てはまらない場合は、 すべて違法になるわけです。

また、実は著作権法30条2より、 個人的に楽しむためであっても、 MD やオーディオ用 CD-R など政令で定められたデジタル方式の機器・媒体を用いた録音、 録画については、 著作権者への補償金の支払いを義務づけられています。

実はメーカーから該当の機器を購入すると通常は、 その料金にこの補償金が含まれているわけです。  (詳細は JASRAC の ページを参照してください)

音楽という実体を持たないコンテンツで、 いかにして違法コピーを防止し、その利用から対価を得るかというのは、 業界にとって死活問題なのです。

■著作権違反との永遠の戦い

実際、 音楽業界での違法コピーの議論は今に始まった話ではありません。 技術や流通経路の変化で新たな手段が生まれるたびに再燃している議論です。

ラジオやレコードのような、 コピーできない媒体が中心だった時代はあまり問題になりませんでしたが、 カセットテープのような個人でも録音できる媒体が登場すると、 まず音楽のコピーという行為に関する問題が強く認識されるようになります。

現在では当然のように実施されている CD レンタルも、 レンタルした CD をコピーすれば CD を買う必要がなくなるため、 CD の販売が低迷するという議論が激しく行われた時代があります。 洋楽の CD はその結果、 新作のレンタル禁止という処置を取ったりもしています。

その後 MD というデジタルでコピーできる媒体が登場したときには、 さらに激しい議論が起こりました。 カセットテープのような、 コピーすると音質が劣化する媒体とは異なり、 MD は CD の音質をそのままにコピーできるためです。

そのため、 結果的には MD から MD へのコピーはアナログレベルでのコピーとするように技術的に制約をかけることで、 この問題を乗り切りました。

しかし、 その後 CD-R のような、 パソコンで CD をそのままコピーできる媒体が登場すると、 これらの保護措置は無意味になってしまいます。 CD から パソコンにデータをそのままコピーすると、 そのままの音質で大量にコピーを作成できるからです。

現在ではその対策として、 音楽 CD をパソコンで再生できないような仕組みを取り入れているメーカーもありますが、 中国や東南アジアでは、 このような手段でコピーされた偽物が市場の大半を占めているのは周知の事実です。

ここでひとつ明らかなのは、 それぞれの手段が違法なのではなく、 著作権違反をする人間が違法であるという点です。 結果的に、それぞれの媒体や流通手段は現在も残っています。

現在の P2P 技術に関しても、 同様のことが言えるのは明らかでしょう。

  ■P2P 技術のインパクト

ただ、 P2P 技術を使った音楽ファイル共有がここまで問題になるのは、 著作権違反の実施範囲がはるかに巨大になってしまったためです。

当然、 これまでのような物理媒体でのコピーは、 それほど大量にできるものではありません。 コストもかかります。 個人利用目的でのコピーなのか、 他人に渡すためのコピーなのかという境界線も引きにくく、 中国のような組織だった著作権違反でないかぎり、 法律が適用されるケースはほとんどありませんでした。

しかし、P2P 型の音楽ファイル共有ソフトを使えば、 過去に紹介したナップスターの事例のように、 大学生が個人で5,000万人規模の利用者を1年で集めることが可能になってしまうのです。

これはダビングした CD を道端で販売するのとは規模が違います。 音楽業界が激しく反発するのも当然の話です。 ここで道を誤ると、 これまでの収入が一部消滅してしまう可能性もあるわけです。  (もちろん、そうではないという意見もありますが)

さらに問題を悪化させる原因となっているのが「匿名性」です。 これについては次回のコラムでご紹介したいと思います。

(執筆:徳力 基彦)

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