消費者にバレている、「号外」メールの魂胆偶然というのは、ときにしてイタズラのセンスがあると思う。
そう思えるできごとがメールボックスの中で起こった。 その朝、いつものようにメールボックスを開け、続々とダウンロードされるEメール群の差出人欄と件名欄をぼんやり眺める。 次々と表示される差出人。 ここまではいつもの光景だけれど、次に件名欄に目を向けたとき、その偶然は訪れた。 差出人は異なるのに、件名の書き出し部分にまったく同じ文字を用いたメールが5件、ずらりと並んだ。 号外! 号外! 号外! 号外! 号外! 発信はそれぞれ異なる企業なので、もちろん本文の内容も違う。それなのに「号外」から書き出すメールが隣り合わせに並んでしまったわけだ。まさに偶然のイタズラとしか言いようがない。 もともと号外という言葉にはどこか緊張感があった。 熱気を帯びた編集現場の息遣いさえ聞こえてきそうな、緊急とか重大といった雰囲気がある。 今では「号外が出た」ということ自体が、ニュースの重大性を表す指標にもなっている。 やがて号外はメールマーケティング(メールマーケ)の世界でも使われるようになっていく。しかしその使われ方は、この言葉が本来もつ響きを逆手にとった、ギミックとしての活用のほうが圧倒的に多い。 それにしても、「号外」と題されたメールをよく目にする。 はじめから号外を配信スケジュールに組み込んでいたりしている企業も少なくない。つまり週1回の定期配信のほかに第3週の水曜日に「号外」配信、といった具合。 これだけ氾濫すると、号外の文字をみるだけでうんざりした気分になってくる。号外すなわち「宣伝メール」というイメージすら芽生えている気がする。 これと似たパターンで「臨時増刊号」や「特別号」と名づけられたメール群もある。号外ほど緊急の雰囲気はないものの、読者にとっては基本的には同じ位置づけにになっていると考えていい。 この言葉を駆使し、配信を希望するという登録手続き、いわゆるオプトインの際には、「週1回の配信です」と言っておきながら、号外やら臨時増刊号やらで1か月に合計10本以上配信している企業すらある。 号外という名のEメールの「魂胆」は、とっくの昔に消費者にバレていると思う。 消費者を騙まし討ち、みたいなことは、本当はメールマーケには似合わない。 |