成長の裏で「目立ちたがり」の中国オンライン広告急速に発展する中国のインターネット市場において、今後の成長ポイントとされているのが、SMS、オンラインゲーム、そしてオンライン広告の三つだ。このオンライン広告、2003年の市場規模は10億8000万元にまで成長、広告市場全体で盛り上がりをみせ始めた中国においても、その注目度は高い。
中国において、2003年でオンライン広告の投資額が最も大きかったのがIT産業で2億7000万元、次いで携帯電話産業の1億8000万元、自動車産業の1億2000万元、不動産の1億元と続く。中でも自動車、不動産への投資額は、2002年では3000万元にも満たなかったのが、1年で4倍近くに拡大している。また、これらの上位はいずれも中国経済をけん引している成長産業であり、いかにオンライン広告が成長ポイントとされているかを指し示している。 2003年、中国のオンライン広告がここまで成長した要因の一つに、新型肺炎SARSのまん延が挙げられる。それは、SARS禍で非接触型経済を強いられた中国社会において、外出を控える市民が屋外広告を目にする機会が激減したことを理由に、広告業界ではその予算をオンライン広告に大量に注ぎ込んだのである。2003年の中国情報産業全体がこの「SARS恩恵」により急速に成長した中で、オンライン広告はその典型ともいえる。 しかし、中国オンライン広告の市場規模が拡大していく裏で、その問題も顕在化してきている。「中国IT白書2003-2004」(2003年10月、株式会社サーチナ編著)の「第4部第3章 中国インターネット利用者が見るオンライン広告」によると、ユーザーのオンライン広告を「見る」「見ない」の割合は2001年の調査以来、ほぼ同様のまま推移している。近年、オンライン広告の形態や数量が早いサイクルで変化しているのにも関わらず、その効果は得られていないことになる。 さらに現在、中国のネットにアクセスすれば、目障りなバナー広告や邪魔なポップアップ広告が氾濫しているのが目に付く。あまりに「目立ちたがり」なこれら低品質の広告は、中国においてネットサーフィンの弊害ともなり、ユーザー離れを引き起こしかねない事態にも陥っている。 健全な市場発展のためには、品質の高い広告で、ユーザーからより効果の得られる方法を考慮しなければならない。さもなければ、オンライン広告が中国のインターネット市場全体の発展を阻害する要因にもなりかねない。こうした中で先日、米国 Nielsen//Netratings 社は、中国オンライン広告の成長にとって有意義なデータを発表している。 同社は、中国三大ポータルの一つである捜狐(SOHU)を訪れるサイト閲覧者の傾向を調査。その結果によれば、捜狐のゲームコンテンツを閲覧するユーザーの66%が自宅からアクセスし、自動車コンテンツを閲覧するユーザーの35%が会社から、捜狐 Chinaren サイトには学校からアクセスする学生で占められているという。アクセスポイントの違いが閲覧されるサイトの内容と密接な関わりがあるように、広告代理店は今後、各コンテンツやユーザーに合わせたオンライン広告をより有効的に打ち出す必要が出てきている。 (執筆:サーチナ・有田直矢) |