|
|
 |
齋藤浩一(さいとうこういち) |
(株)サーチナ・メディア事業部所属
中国専門ポータルサイト「中国情報局」の編集など
「中国IT白書」の編集にも参画
|
|
|
|
|

 |
苦戦続くEVD、中国の独自規格戦略に険しい道のり
著者: 株式会社サーチナ 執筆:サーチナ・有田直矢 プリンター用 記事を転送
▼2004年2月10日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
「中国 IT 白書2003-2004」を刊行する株式会社サーチナは、関連会社である上海新秦信息諮詢有限公司(上海サーチナ)を通じて、中国の次世代 DVD 規格「EVD(Enhanced Versatile Disk)」に関するマーケティング調査を実施した。
「EVD」とは、中国が独自の知的財産権を有する次世代高密度デジタルレーザービジュアルシステムで、特に画面解像度に至っては DVD の5倍以上、そのほか容量、音質ともに DVD を上回る商品。調査においても、EVD を購入したいと答えた人の中で、その理由は「充実した性能と機能」とした人が4割強で最も多くなった。
購入したい理由の第2位は「中国の独自規格」となり、独自規格を国家戦略として掲げる中国において、EVD の注目度の高さを表している。しかし、EVD は発売開始となった2004年の年明けから、想わぬ苦境に立たされている。最初のピークを迎えるとされた「春節(旧正月)」を過ぎても、一向に売り上げは伸びていない。
EVD はそもそも、中国の DVD メーカーが6C(日立、松下、三菱、東芝、JVC、タイムワーナー)に対して、莫大な特許使用料を支払っている現状を打破する目的で開発されたもの。中国の DVD プレーヤーの出荷台数が全世界の半数を超える状況において、EVD が果たす役割の大きさは明らかだ。
EVDは、中国メーカーが大部分の技術特許を有してはいるが、あくまでも DVD をベースに改良・開発されている。このため、依然としてコア技術は6Cに握られており、一定の特許使用料は支払わなければならない。EVD が中国の巨大市場で爆発的な人気を博せば、海外メーカーも生産を移行せざるを得なくなる。この時に特許使用料の支払いで差し引きをゼロにすることが中国メーカーの最終目的となる。いわば、中国市場で支持を得られなければ、何の意味をも持たない EVD にとって、現在の市場の冷遇は危機的状況といえる。
EVD を購入したくない理由として、最も多いのが「将来性に不安」で35%に達した。消費者からすれば、いくら DVD を上回る性能を有していても、EVD が今後市場で普及する目処がなければ購入するには値しない。またそれに伴うソフトの不足も指摘されており、消費者から EVD 購入を遠のかせている一因になっている。現時点で EVD は「冒険的消費」でしかないのだ。
調査によれば、中国メーカーの DVD 特許使用料の支払いに関して知っていると答えた人は半数を超える。また、映像機器全般で「購入する際に国内ブランドと海外ブランドのどちらを選択するか」という問いでは、「海外ブランド」「特に気にしない」が25%程度になったのに対して、「国内ブランド」はその倍にあたる5割近くに及んでいる。
独自規格として消費者が EVD に大きな期待をよせていることは確かだ。しかし、大手家電量販店の販売員は、「問い合わせは多いが、購入する人は少ない」と語る。これは、中国が独自の知的財産権を有した商品というものが、いまだ実際の消費レベルにまで達していないことの表れであり、中国の独自規格戦略に不安を残す結果となっている。
(執筆:サーチナ・有田直矢)
記事提供: 
|

 |
|