ソフトバンクが巨額投資、中国eコマースをけん引するアリババ
世界最大規模の企業間取引(BtoB)サイトを運営する中国の阿里巴巴
(アリババ)は先日、8200万ドルのベンチャー投資を獲得した。この中国インターネット企業で過去最大となる投資額に、
中国のeコマース(電子商取引)業界が急成長の軌道に乗るとの期待が寄せられている。
この8,200万ドルのうち6,000万ドルを投資したのがソフトバンクだ。ソフトバンクは、アリババ設立初期の2000年1月に2,000万ドルを 投資して資本参加。そして、アリババはソフトバンクの孫正義・CEO を相談役として迎えている。この孫・CEO は、今回の追加出資に対して、「アリババは今後、世界市場で最も有名な中国企業となる。そのポテンシャルからして Yahoo! と同じ軌跡を辿る」と語っている。 アリババは現在、220か国で235万人の会員登録者を擁する世界最大の BtoB サイト。1日の会員登録数は6,000人に達する。 2002年には日本語サイトを設立し、日本企業向けの中国サプライヤー情報を提供している。中国eビジネスの開拓者といわれる 同社の馬雲(ジャック マー)CEOは、 2004年の中国インターネット業界の焦点は、SMS(ショート メッセージ サービス)、オンライン広告、オンラインゲームの3つから、eコマースに移行すると語る。 同社は今回の投資で、これまでの BtoB 市場で主導的な地位を固めるとともに、BtoC 、CtoC にまで本格的に事業を拡大、eコマースのトータルプラットフォームを確立するとして注目を集める。 「中国 IT 白書2003-2004」 (2003年10月、株式会社サーチナ編著)によれば、 今後1年以内にオンラインショッピングを行うかどうかについて、51%が「行う」と答え、「不安はあるが行ってみたい」 とした人は25%を超えた。この2つで、過去1年間でオンラインショッピングを行ったと答えた60%程度を上回り、 ユーザーの認知度や許容度は確実に高まっていることがうかがえる。 CtoC モデルの代表であるネットオークションでは、中国において、2001年に4億元であった市場規模は、2002年で前年比70%増の 9.4億元に達し、2003年では19.2億元、同105%の成長を記録。これに伴い、卓越網、 易趣網(EachNet)、当当網など、 これまで赤字続きであった大手eコマース企業は、2003年で続々と黒字転換を果たしている。 今や、インターネット人口は8,000万人を超え、米国に次ぐ世界第2位の規模となった中国。しかし、インターネット大国である 米国との差は歴然である。その決定的な差こそがeコマースであり、今後のユーザーの掘り起こしが最大のポイントとされる。 アリババは先月、3,700万ドルを投じて研究開発センターを設立することを発表。eコマースソフトの開発とともに、 人材育成センターを設立する計画だ。アリババは今後、中国でeコマース活性化のけん引役として、インターネット業界全体 の成長に寄与することになるはずだ。 (執筆:サーチナ・吉田雅史) |