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齋藤浩一 齋藤浩一(さいとうこういち)
(株)サーチナ・メディア事業部所属
中国専門ポータルサイト「中国情報局」の編集など
「中国IT白書」の編集にも参画


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中国携帯市場、急成長の裏に潜む市場環境の悪化

著者: 株式会社サーチナ 執筆:サーチナ・吉田雅史 プリンター用 記事を転送
2004年7月6日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

携帯電話の加入件数が3億を突破、急成長を遂げている中国の移動体通信市場であるが、その成長の裏では、いくつかの問題を抱えている。先日、携帯電話の生産許可証が解禁されるとの報道が駆け巡った。その後すぐに、中国情報産業部によって否定のコメントが発表されたが、今回の報道は業界に横たわる問題を顕在化させた一件といえる。

1998年、中国政府は「移動体通信産業の発展に関する若干の意見」を公布、業界調整のテコ入れが行われた。「5号文件」といわれるこの「意見」は、政府が国産メーカーの手厚い保護政策に乗り出したことを意味する。政府は、外資系メーカーに対する新規の生産許可証の発行を凍結、規制は輸入製品や参入済み外資系メーカーの輸出など細かい面にまで及んだ。 近年、中国メーカーのシェア拡大の直接的な要因となっている。

しかし、この政策によってシェアを急激に伸ばした中国メーカーは許可証を有した一部に限定されていた。これは、許可証発行の凍結が海外メーカーだけでなく、中国国内のメーカーも対象とされたことも影響している。後に参入を狙う中国メーカーには、許可証を有したメーカーとの合弁しかその道は開かれていないのが現状だ。M&A(合併・買収)にかかる莫大な対価が参入を阻む大きなハードルとなり、海外メーカーだけでなく中国メーカーからも開放を求める声は高まっている。

事実、政府が許可証発行を解禁するとの噂はこれまでに何度か流れてきた。中国の移動体通信市場が活況を呈すにつれて、国内外メーカーからの市場開放に向けた圧力は益々強まっている。情報産業部の関係者が明らかしたところによると、すでに台湾、韓国、日本、そして中国メーカーを含む20社が許可証発行の申請を行っているという。

開放への要求が増している背景には、生産市場の環境が悪化しているという問題も存在している。許可証を有した中国メーカーの中には、すでに競争力を失い、経営困難に陥っているものもある。つまり、多くのメーカーが参入を狙いながら規制を受けている一方で、市場では「無駄な許可証」が出回っていることになる。

現在、中国メーカーが直面している大きな問題が、在庫圧力だ。過去6か月間で、中国市場では288種の新機種がリリースされた。そして、この大半を中国ブランドが占めており、国産メーカーの在庫は確実に積み上がり、経営圧力として圧し掛かっている。この状況に、情報産業部も業界内の M&A 推進や許可証の剥奪も視野に検討段階に入っているとみられる。

今後は、中国で第3世代(3G)携帯電話がスタートすれば、経験、技術力を有したさらに多くの海外メーカーが参入を狙ってくることが予想される。いざ、許可証解禁となればこれまで保持してきた市場の均衡が崩れるとの懸念は大きいものの、政府が今、政策転換の局面に立たされていることは間違いない。

中国移動体通信の消費者市場では、国内メーカー主流によるローエンド志向が広まっている。3G 展開やデータ通信事業のグレードアップを見据えた上でも、ハイエンド志向への移行は当然歩むべき道となる。また、中国メーカーにとっても海外進出を狙うには、ハイエンド路線は必須の課題だ。そのためにも、許可証開放が市場育成の欠かせない「スパイス」となるであろう。

(執筆:サーチナ・吉田雅史)
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