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齋藤浩一 齋藤浩一(さいとうこういち)
(株)サーチナ・メディア事業部所属
中国専門ポータルサイト「中国情報局」の編集など
「中国IT白書」の編集にも参画


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中国携帯電話メーカー最大手の自動車業界撤退で波紋

著者: 株式会社サーチナ 執筆:サーチナ・有田直矢 プリンター用 記事を転送
2004年9月7日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

中国国内の携帯電話メーカー最大手の波導(バード)が、昨年から進出していた自動車業界からの撤退が報じられている。資本参加していた中国大手自動車メーカーの南京汽車から撤退、あわせて、自動車業界からも撤退するのではないかというもの。

中国では昨年、異業種からの自動車業界への参入が相次いだ。家電メーカーを中心に、最も有名なところでは、エアコン大手の春蘭(チュンラン)などが話題を呼んだ。また、二次電池世界大手の中国系企業である BYD も自動車業界に進出していた。

2003年の中国自動車市場は活況を呈し、急成長かつ高利益率の業界として注目された。当時は、大きな規制もなく、資金力ある異業種企業が、この業界に目をつけ、異業種からの自動車市場参入がブームとなった。

その中で、携帯が爆発的に普及、それにあわせて2003年期決算でも好業績を発表した波導が鳴り物入りで自動車市場への参入を発表したのは2003年終わりだった。さらに2004年4月にはやはり大手携帯メーカーの夏新電子も自動車業界への参入を発表した。

波導にしても、夏新電子にしても、急成長かつ高利益率であるほか、総合産業としての自動車そのものに惹かれたという背景もあるだろう。特に、カーエレクトロニクス分野に高いポテンシャルがあるとされる中国、すでにトヨタをはじめ、海外メーカーも研究開発を進めている中で、技術力のある携帯電話メーカーがこの分野に参入してみたいと考えるのは自然なことだ。

波導は、中国 IT の総元締めともいえる中国普天集団のグループ企業の一つ。最新の2004年1-6月携帯電話販売シェアでは、モトローラ、ノキア、サムスンの外資三羽烏には及ばないものの、急成長中の中国総合家電の TCL を抑えて、9.57%で第4位につけた。

サーチナが行っている中国の一般消費者に対する調査でも上位につける波導。参入から1年も経たないこの段階での自動車業界からの撤退報道について、まだ詳しいことは明らかになっていないが、最もよく指摘されている、提携先の南京汽車としっくりいかなかったことのほか、いくつかの要因が考えられる。

1.2004年6月、中国では、自動車に関する新しい産業育成計画が発表され、その中で、既存メーカーの活性化とともに、新規参入や異業種からの参入組みを規制していく方針が示されたこと。よって、波導にとっては、政策的に逆風を受けることになったこと。

2.中国の自動車市場が低迷を続けており、2004年通年でみれば20-30%程度の成長は見込めるが、7月までの月間販売台数が前月比や前年同月比などでマイナス成長、中国国有重点自動車メーカーの累計損益が、1-7月で減益となったこと。在庫増もあって、製品価格が急落、以前ほどの高利益率が望めなくなってきていること。

3.本業の携帯電話販売が伸び悩みをみせていること。今年1-6月のシェアは9.57%となったが、前年同期のシェアは15%程度にまで達していたことから考えると、その競争の激化振りがうかがえる。在庫増もあって、価格競争に引きずられる形で利益率が低下し、「本業危うし」の中で、非本業を切り離しにかかっている可能性があること。少なくとも2004年は2003年ほどの好業績が望めないこともある。

4.普天集団は参加の企業がそれぞれ株式を中国本土や香港などで上場しているが、今後グループ全体での株式上場を見据えており、その内部再編を行なっていること。グループのフラグシップの一つである波導がそれに影響を受けることは確実。内部再編の影響を受けて、普天集団は波導など傘下会社含めて、今年発表された中国 IT トップ100社にランキングされていない。

ただし、波導は上海市の波導自動車研究所における新車の開発は継続させており、自動車業界からの全面的撤退ではなく、市場環境の様子をみながら、再起を図るきっかけを探しているとみる向きもある。

(執筆:サーチナ・有田直矢)
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