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齋藤浩一 齋藤浩一(さいとうこういち)
(株)サーチナ・メディア事業部所属
中国専門ポータルサイト「中国情報局」の編集など
「中国IT白書」の編集にも参画


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最新コラム

中国:IPv6 商用化元年、知的財産権生かして産業化加速

著者: 株式会社サーチナ 執筆:サーチナ・中村彩 プリンター用 記事を転送
2004年9月21日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

2004年1月、米国「Internet2」、EU(ヨーロッパ連合)の「GEANT」、中国の「CERNET」を含む世界最大の学術ネットワークの建設が宣言され、IPv6 による次世代インターネットが世界的に開通する運びとなった。世界的に次世代インターネット構築が進むなか、中国も独自の知的財産権を有する IPv6 技術を用いた次世代インターネットの構築を急ピッチで進めている。

中国は2004年3月に、中国の次世代インターネット CNGI 最大のコアネットワークであり、IPv6 の商用バックボーンネットワークを採用した「CERNET2」を試験的に開通。8月には、重慶市で IPv6 メトロポリタン エリア ネットワーク(MAN)のテスト運行に成功した。

CERNET2 は2003年8月に、国家発展・改革委員会(国家発改委)など8部門から、次世代インターネット模範プロジェクトのコアネットワークを構成する重要部分と位置付けられた。世界でも最大規模の純 IPv6 技術を採用したバックボーンであり、コンピュータ、高プラズマテレビ、パソコン同士のマルチメディア通信、テレビ会議、大規模なバーチャル空間の実現、ITS(高度道路交通システム)、環境地震観測、遠隔医療、遠隔教育などの開発にも応用される。

また、重慶市の IPv6MAN は、IPv4 の基本的システムのほかにも、ローミング、テレビ会議、テレビ電話などに対応するシステムを併せ持つ。現在、重慶市の龍湖花園、重慶大学などでテストを続けているが、ユーザー数は1,000件を超えた。IP アドレス数も膨大で、将来的には個々の携帯電話、CD プレーヤーなどの電子製品にそれぞれ IP アドレスを分配することも可能になるという。

現在、世界的に利用されているインターネットは、IPv4 ネットワークの基礎上に構築されている。しかし IP アドレスの枯渇が著しく、特に中国やアジア太平洋地域ではインターネットの普及と発展の妨げとなりつつある。その一方で米国は IP アドレス全体の70%以上を確保しており、中国が IP ネットワークを構築する際には、米国に対する巨額のライセンス料の支払いを余儀なくされてきた。中国が、独自の知的財産権を所有する IPv6 技術でネットワーク構築を盛んに推し進める理由はここにある。

さらに IPv6 技術の関連産業は、数千億元以上の商機をもたらすとされる。例えばコア設備に全て中国産製品を用いた重慶市の IPv6MAN は、実用化後は2年あまりで産業効果10億元以上を創出すると予想されている。そのほかネットワーク設備やソフトウエア、半導体、通信サービスなどの関連産業も併せると、同市だけでも市場規模は300億元以上になるとされる。国家発改委も14億元を供出、ネットワークの開発などを支援し、次世代インターネット技術の端末製品開発を進めていく方針を打ち出した。

また現在、重慶市の IPv6MAN を手がけた中国網通(チャイナネットコム)をはじめとして、各通信キャリアも IPv6 への参入計画を進めている。中国国内の通信キャリアは、今後5年間で IPv6 に関連して150億元の投資を行うものと予測される。

「中国IT白書2003-2004」(2003年10月、株式会社サーチナ編著)によれば、2003年上半期(1-6月)の中国の電子情報産業は、前年同期を10ポイント上回る27.2%という高度成長を記録。工業成長率への貢献度も高い。IPv6 技術を用いたネットワーク構築と商用化の背後には、順調な電子情報産業の成長をさらに加速させたい政府の思惑がある。

(執筆:サーチナ・中村彩)
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