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齋藤浩一(さいとうこういち) |
(株)サーチナ・メディア事業部所属
中国専門ポータルサイト「中国情報局」の編集など
「中国IT白書」の編集にも参画
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中国:3G解禁間近、それでも「小霊通」に頼る固定電話キャリア
著者: 株式会社サーチナ 執筆:サーチナ・中村彩 プリンター用 記事を転送
▼2004年10月5日 00:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
2004年9月27日、中国電信(チャイナテレコム)と中国網通(チャイナネットコム)がそれぞれに運営する中国版 PHS「小霊通」同士での SMS(ショート・メッセージ・サービス)が、ついに送受信可能となった。これによって、全国6,000万を数える小霊通ユーザーの間で自由に SMS 通信が行えるようになり、小霊通サービスはまた一歩前進したといえる。
中国電信と中国網通は、中国2大固定電話キャリア。中国電信は中国南方21省、中国網通は北方10省で固定電話ネットワークを生かした事業を展開しており、棲み分けがなされている。小霊通は日本の PHS と同じく固定電話ネットワークを利用したサービスで、一定の範囲内において無線通信を行うため、SMS の送受信は空間的な制限を受けてきた。それに加えて、異キャリア間の互換性の欠如という壁もあった。
制限が多かった SMS の通信状況に変化の兆しが現れたのは2003年12月。中国網通が、
北方10省における小霊通 SMS の相互通信に踏み切ったのである。同社の冷栄泉・副総裁はこのとき、「来年(つまり今年、2004年)第1四半期(1−3月)には、中国電信の小霊通ユーザーとの相互通信を目指す」と語っており、実現時期は多少ずれ込んだものの、早い段階からこうした構想はあった。
続いて政府機関である中国情報産業部が、2大固定電話キャリアと、
移動体の2大通信キャリアである中国聯通(チャイナユニコム)ならびに中国移動(チャイナモバイル)に対し、2004年3月を目処に SMS の相互通信実現を求めた。これを、「技術上の問題がある」と渋っていた中国電信も、同年9月に、中国移動の GSM 携帯との間で SMS 相互通信が秒読み段階に突入したことを発表している。
株式会社サーチナが、
現地法人である上海新秦信息諮詢有限公司(上海サーチナ)を通じて2004年7月に実施した SMS に対する意識調査では、SMSを「頻繁に利用する」とした人は全体の55%。このように SMS の人気が高い中国においては、SMS サービスの充実が、小霊通の魅力増大に効果を発揮する。料金の手頃さだけで勝負をしていた感のある小霊通は、このほかにも、北京市で留守番サービスや、いわゆる着信メロディ機能としての「彩鈴」サービスを開始するなど、付加価値サービスに手を広げ始めている。
このように小霊通サービスがかつてない勢いで充実していく背景には、第3世代(3G)携帯電話の解禁があるとみられる。11月8日に開催される「3Gインチャイナ−グローバルサミット2004」では、中国電信、中国網通、中国聯通、中国移動などをはじめとする6つの通信キャリアが参加した3G携帯電話のテスト結果が発表される予定だ。今後、中国は、長らく躊躇していた3Gへの階段を一気に駆け上ることになる。
中国の IT リサーチ会社である易観諮訊公司の発表した「第3世代(3G)携帯電話ライセンス解禁後の小霊通・発展戦略分析レポート」によると、小霊通市場は、3Gライセンス解禁後3−5年間は3G市場と共存するとみられている。しかし小霊通ネットワークと3Gネットワークには、機械設備、電源設備、アドレス選択、転送システムの4つのコア分野に根本的な違いが存在する。3Gネットワークにも着手している中国電信と中国網通にとって、両ネットワークの併用は技術的にも資金的にも限界がある。それにも関わらず両社は何故、ここへきて小霊通サービスを充実させるのだろうか。
小霊通サービスを充実させるのは、獲得済みの小霊通ユーザーの囲い込みと新規開拓を狙ってのことと考えられる。中国電信と中国網通は、それによって収益を上げ、3Gネットワーク確立をはじめとした経営資金を確保する狙いがあると考えられる。来たるべき3Gのために、現行の小霊通を最大限に利用するつもりなのだ。
かつて、「固定電話の延長であり、補完」(情報産業部)という位置付けで登場して爆発的にヒットし、今や固定電話キャリアを支える重要な収入源となった小霊通。次なる使命は、「固定電話キャリアの3G業務開始のためのバックアップ」ということになりそうだ。
(執筆:サーチナ・中村彩)
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