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2009年11月7日
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サーチナ・中国IT最新レポート
サーチナ・中国IT最新レポート 齋藤浩一(さいとうこういち)メールホーム
(株)サーチナ・メディア事業部所属
中国専門ポータルサイト「中国情報局」の編集など
「中国IT白書」の編集にも参画

遅れる3Gライセンスの決定に業を煮やすノキア

国内国内internet.com発の記事
中国市場でもっとも人気のある携帯電話端末のブランドであるノキアが、中国における生産をインドなどへシフトさせる可能性が高まっている。中国政府による第3世代(3G)携帯電話サービスのスケジュールが未だに発表されないことに加え、W-CDMA と GSM のデュアルバンド携帯電話が中国市場に投入できないことが理由だ。中国では、情報産業部の王旭東・部長が「2008年に3Gサービスを開始する」と発言したものの、どの標準を採用するかについては一切明らかにしておらず、ノキア社がしびれを切らした格好となる。

ノキア(中国)投資有限公司の何慶源・総裁は、インドに建設中の工場が年内に生産を開始する予定であること、中国の3Gに関するスケジュールが未だに定まらないことを指摘した上で「ノキア(中国)が適切なタイミングで3G製品の生産に入れなければ、インドなど中国以外の地域で3G携帯電話の生産を行う可能性がある」と強気な発言をした。

ノキアは、W-CDMA 携帯電話のユーザー数が世界的に急増していることを受けて、年内に全世界で10種類の W-CDMA と GSM のデュアルバンドモデルを投入する計画だ。しかし、中国では3G標準が決定していないために W-CDMA のネットワーク使用許可証が受けられず、デュアルバンドモデルを販売することができない。そのため、ノキアは、中国市場向けに W-CDMA 機能を外したオリジナルモデルを設計している。

ノキアはすでに北京市と広東省・東莞市で3G携帯電話を生産しているが、中国での販売ができないためにすべて輸出用となり、ベンダーの足が遠のいている。しかし、中国に6か所の研究開発(R&D)センターを設置しているノキアにとっては、ここで生産拠点を中国以外にシフトすることは苦肉の策ともみえる。

しかし、シフト先として挙げたインドは、2006年には世界の携帯電話生産拠点になると予測されている通り、モトローラやサムスンも世界的な生産拠点とする計画を練っていると伝えられている。大手携帯電話メーカーが中国に R&D センターを増設している流れが急変することはないだろうが、それでも、中国以外にも目が向けられ始めたことは見逃せない。

何・総裁は、情報産業部に対して「W-CDMA 機能を搭載するが使用は不可」とする方式でデュアルバンド携帯電話の販売を許可するよう求めている。しかし、これに対して情報産業部通信研究所の陳金橋・所長は「携帯電話のデュアルバンド化は大きな流れとなっている」ことを認めつつ、「メーカーは、各国の政策に基づいた戦略をとるべきだ」として、許可には応じない方針を示している。

何・総裁はまた、、TD-SCDMA 規格について「いずれ採用されることは間違いない。むしろ、今現在より成熟したレベルに達する可能性もある」と分析。その上で、「技術が優れているからといって市場で成功するとは限らない」として市場のニーズを分析して投入すべきだと主張。小霊通を例に挙げ、「一般ユーザーは小霊通が先進的だとは思っていないが、市場では成功を収めている」などと指摘した。

中国では、3Gの W-CDMA、cdma2000、TD-SCDMA という3規格を、どのキャリアが採用するかという方針が未だに発表されていない。先行投資に踏み切れないメーカーによる「意見」は、今後も勢いを増す可能性はある。発表の遅れを「TD-SCDMA を保護するための策略」とみる声が強いだけに、中国政府の政策に振り回されるのは御免という多国籍企業がインドに目を向け始めたことは、製造業全体に影響を及ぼす流れとなっている。

(執筆:サーチナ・齋藤浩一)

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