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2008年10月12日
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売り上げを創るBtoBのデータベースマーケティング
売り上げを創るBtoBのデータベースマーケティング 庭山 一郎(にわやま いちろう)メールホーム
シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役

多くの経験を持つデータベースマーケティングプランナー。
現在はBtoBに特化してマーケティングをサポートしている。

イベント来場者にお礼メールを送らない300万円の理由

国内国内internet.com発の記事
お礼メールを出すことを止めませんか?
展示会に出展するクライアント企業で、ブース来場者へのフォロープランを検討している時、私はよく「お礼メールを出すのを止めましょう」と提案する。初めてのクライアントは例外なく怪訝な顔をする。それ程、展示会に出展したらお礼メールを出すことは決まりごとのようになっている。多くの企業が展示会で収集した名刺やアンケートを、先を争うようにデジタル化し、1時間でも早くお礼メールを配信しようとしている。企業の顧客・見込み客データの管理とコミュニケーションの設計を長年手掛けてきた私にはこれが危険に見えて仕方がないのだ。

300万円がゴミ箱に直行しているあまり知られていない事実
メールマガジン(メルマガ)のクリック率(CTR:クリックスルーレート)をきちんと把握している企業なら判っていることだが、コンテンツの良いメルマガのクリック率は5〜8%に達する。専門性が高い分野でブランドを確立している企業のメルマガであれば平均10%を超えることもある。ユニークなリストに対してこのレベルのクリック率が出せればマーケティングがかなりうまくいっている証拠だ。

その一方、こうしたメルマガ配信1回の配信拒否率は総配信数に対して通常0.5%以下だ。しかし、展示会来場者へのお礼メールは、配信の仕方によっては10%以上の配信拒否が出てしまうことがある。仮に展示会で3,000枚の名刺を収集したとして10%なら300人から拒否されたことになる。日本の展示会で名刺やアンケート1枚を集めるコスト(CPL:コストパーリード)は通常8,500円/@から1万3,000円/@だから、300人に拒否されれば少なくとも300万円をドブに捨てた計算になるのだ。

拒否率が跳ね上がる当たり前過ぎる理由
お礼メールはなぜそんなに拒否率が跳ね上がるのだろう?

東京ビッグサイトや幕張メッセなどの展示会をイメージしてもらいたい。多くの出展企業と来場者でごったがえした会場でコンパニオンがノベルティと引き換えにアンケートを集めている。そして通路を行き交う人の多くもパンフレットやノベルティが入った紙袋を提げている。日本の展示会の大きな特徴は、大半の来場者が短時間の滞留時間で数多くのブースを回ることだ。

そして、展示会終了後1週間ほどすると、この来場者のメールアドレスに山のようにお礼メールが届くことになる。これは名刺やアンケートの入力にどうしても一定の時間が掛かるので、各社ほぼ同じ時期にメール配信をすることになるからだ。そしてどれも同じような「来場お礼メール」にうんざりした人は開封しないか、開封してどんどん配信拒否をする。

考えてみて欲しい。もしあなたが展示会に行って、ある企業のブースに立ち寄って掲示パネルやデモを見たとして、その会社から来場お礼メールが来ないからといって「なんて非礼な会社だ」と怒るだろうか? 私はそんな人に会ったことがない。つまりこのお礼メールはほとんどの場合何の意味もない。ただ展示会を担当した人の「仕事の一区切り」という程度の意味しかないのだ。それが実は数百万円の損失を招いている事に気がついている企業は少ない。

収集したリードデータは大切なビジネスシーズ(種)
展示会で収集した名刺やアンケートは貴重なビジネスのシーズ(種)だ。もちろんこの「種」は、季節を待ってよく耕された畑に蒔かれ、水と陽光をいっぱいに浴びながら大切に育成され、間引きされ、肥料を与えられ、雑草を取り除かれ、消毒され、ようやく秋に収穫されるまでは食べることはできない。だから今月すぐに注文書が欲しい営業マンには価値のないもののように見えていることが多い。

しかし、個人情報保護法が施行され、個人情報を入手する方法が制限された今は、展示会で利用目的を告知しながら収集した名刺やアンケートは貴重な「合法的な種」なのだ。データベースを整備し、メルマガや Web を使って育成すれば豊かな収穫を約束してくれる。だからこそ、目的もない「お礼メール」を不用意に配信して「貴重な種」を大量に失うことのないように注意して欲しいと願っている。



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