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斉藤 徹・福田 浩至(さいとう とおる・ふくだ こうじ) |
SNSコミュニティを簡単に構築できるASPサービス Looops を開発。ビジネスへの戦略活用を提案している。
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第四十八回 「ソーシャルコマースの潮流(8)ユーザーが商品を供給する 後編」
著者: 斉藤 徹・大迫 正治 プリンター用 記事を転送
▼2007年5月8日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
今回は前回に引き続き、ソーシャルコマースと呼ばれる潮流の中で、「生産者」、「商品供給者」としての役割を持ち始めているユーザーに焦点を当ててみよう。
アフィリエイトと同様、商品を持っていなくても、商品を自分の Web サイトで紹介し、販売することができる仕組みとして、ドロップシッピングがある。ドロップシッピングの特徴は、在庫リスクなしで自分の好きな商品を取り扱うことができる一方で、商品の値段も自分で決定できることにある。ドロップシッピングには大きく分けて2種類ある。
3. ASP 型ドロップシッピング
ひとつ目は「ASP 型ドロップシッピング」と呼ばれるもので、すでにドロップシッピング ASP サービス事業者が取り揃えた商品群の中から好きなものをピックアップし、自分のオリジナルショップや Blog などに商品リンクの HTML タグを埋め込むというものである。
例えば株式会社もしもが提供するもしもドロップシッピングでは、消費者からの問い合わせ対応、クレジットカードが利用可能な決済システム提供、個人情報の管理業務などをショップオーナーに変わって無料で代行するほか、消費者に対するメールマガジン配信機能や、CSV ファイルによる価格一括管理機能も実装している。
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図1 もしもドロップシッピング:トップページ
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ASP 型ドロップシッピングを導入すると、ショップオーナーは在庫を抱えるリスクを持たないで済むが、一方で在庫の状況を把握しておく必要はある。このため、売れ筋商品を中心に在庫状況を常に確認し、バックオーダー(受注残)が発生するリスクを低減させなければならない。
一方メーカーや仲介業者は、ドロップシッピングによる商品流通チャネルと、ニッチな趣向を持つサイト運営者による魅力的なストア展開によって、従来リーチできなかった消費者に対し商品を提供することが可能となる。つまり、多くのサイトが自社の商品を販売する営業協力者となるのである。
4. デザイン型ドロップシッピング
すでにあるカタログの中から、販売する商品を選ぶ ASP 型ドロップシッピングとは異なり、よりショップオーナーが商品企画に深く携わるのが、「デザイン型ドロップシッピング」である。日本では前述の「ASP 型ドロップシッピング」が主流であるのに対し、海外では「デザイン型ドロップシッピング」が普及しており、巨大化したものも多い。
カリフォルニアに本拠地を置く cafepress はこの分野のパイオニアで、ユーザーは同サイト内に自分のショップを持ち、自分のデザインをTシャツやマグカップ、帽子、ポストカード、バッグ、CD ジャケットなどにプリントし、販売することができる。
cafepress は発注管理や決済処理、ホスティングを行う。これまでに250万人がショップを開設、商品点数は3,500万を超え、毎日新たに4万5,000点が追加されている。月間ユニークビジターは900万、Google ページランク「9」を誇る巨大サイトだ。
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図2 cafepress:トップページ
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後発ながら2007年に入ってユーザーを急速に増やしているのが、シリコンバレーの zazzle だ。Tシャツ、ポスター、カードなどのオーソドックスな商品だけでなく、米国郵政公社による切手のトライアル印刷許可を受け、Hewlett-Packard 社と共に切手印刷にも乗り出している。
また、ユーザーによるオリジナル商品だけでなく、ディズニーやスターウォーズ、MARVEL のキャラクターグッズも販売しており、ロングテールとトールヘッドの両者をうまく組み合わせた商品ラインナップとして秀逸である。
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図3 zazzle:トップページ
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ドロップシッピングはローリスク・ローリターンのアフィリエイトと、ハイリスク・ハイリターンの小売の中間に存在する形態であるが、「中間」であるがゆえに、そのリスクとリターンの範囲を明確にすることが求められる。在庫管理、顧客対応、決済システム、個人情報管理などの潜在リスクについて、メーカー、ドロップシッピング事業者、ショップオーナーの三者間で分配することが前提となるが、その分配方法を多様にアレンジし、とれるリスクの質量に応じて、多くのショップオーナーの参加を促す仕組みを整えることが重要だ。
また、SNS におけるコミュニティと、ユーザーによるオリジナルショップは類似性が高く、SNS とドロップシッピングはシームレスな連携が可能だ。ドロップシッピングが可能な SNS では、ユーザーの詳細な個人属性情報をもとに、最適なストアや商品を、ユーザーページに自動リコメンド(推薦)することができるだろう。また、ショップオーナーは、自分のショップで商品を購入したユーザーをコミュニティで囲い込み、メールマーケティングなどに活かすことも可能だ。
前回から今回にかけて、「商品供給者」としての役割をユーザーが担い始めている事実を示してきた。形態の差こそあれ、欲しい商品に関する情報をユーザー自身に発信させることは、ニーズの把握、ニッチな顧客の開拓、販促費用の低減など、EC サイト事業者にとって多くのメリットをもたらすだろう。
【当コラム執筆は、Looops Communications 代表である斉藤徹と、同社企画部長の大迫正治が担当しています】
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