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2008年10月15日
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SNSをビジネスに活用しよう
SNSをビジネスに活用しよう 斉藤 徹・福田 浩至(さいとう とおる・ふくだ こうじ)メールホームrss
SNSコミュニティを簡単に構築できるASPサービス Looops を開発。ビジネスへの戦略活用を提案している。

第四十九回 「ソーシャルコマースの潮流(9)多様化するソーシャルコマース」

国内国内internet.com発の記事
今回は、ユーザーによる集合知のEコマースへの活用法について、その新しい試みに着目していこう。ウィッシュリストやシンプルな商品レビューといった従来のオーソドックスな機能を脱し、海外では様々なテクノロジーを導入した新たなサービスが考案されている。

1. 動画を利用した商品レビュー

ExpoTV は、商品レビューに動画を利用したソーシャルコマースサイトで、テキストベースの従来の商品レビューと比べ、非常に強いインパクトを消費者に与えている。

商品レビューはエレクトロニクス、衣料品、音楽、書籍、ゲーム、事務用品からペット、食品などに至るまで極めて多岐にわたる。商品の実際の使用感や使用方法は動画のほうが正確に伝わることも多く、また、ペットやゲーム、フィットネス商品など「動き」が重要となる商品では動画の効果は大きいものと考えられる。

また、ユーザーだけでなく商品を提供するメーカーも広告スポンサーとして商品デモ映像を掲載することが可能だ。

図1 ExpoTV:トップページ


ExpoTV は動画を利用した商品レビューのみならず、SNS の仕組みを取り入れている。ユーザーは友人関係を構築するだけでなく、参考になるレビュアーをお気に入りに登録したり、フォーラムにおいて他のユーザーと意見交換を行ったりすることができる。

また、ユーザー自身には「調査屋」、「バーゲン好き」、「衝動買い」、「ショッピング狂」などの購買特性が表示されており、レビューを評価する際のヒントとなっている。動画レビューのほうも、「知らなかった」、「良いデモだ」、「他のレビューも見たい」、「かっこいい商品だ」など6種類のポイントで評価され、このポイントの順にレビューを検索することも可能だ。

2. アグリゲートレビューサービス

商品レビューを集めるソーシャルコマースサイトは、大手の Yahoo! Tech をはじめとして様々なベンチャー企業も参入し、百花繚乱の様相を呈している。この状況で、分散している商品レビューを横断的に収集・分析し、ひとつの総合された意見としてアウトプットする「アグリゲートレビュー」と呼ばれるサービスが増えてきている。

例えば wize は、長年のマーケットリサーチ業務とアルゴリズム開発のノウハウを活かした画期的なサービスを提供している。wize は、Amazon.com や Shopping.com、Yahoo.com などの大手 EC サイトを含む約7,000のサイトから、129万を超えるユーザーレビューを検索・収集し、レビューの内容を分析する。

レビューを肯定的なものと否定的なものとに分類し、それぞれを数値化、さらに類似商品との比較やエキスパートによるレビューも加味して最終的に100点満点の数字で商品を評価している。

図2 wize:トップページ


wize はユーザーだけでなくエキスパートのレビューをも並べて表示することで、集合知に対して必ずしも肯定的ではない層へも訴求している。主要なサイトのレビューにはリンクを貼り、商品購入への誘導もスムーズである。wize のようにレビューが総合され、数値化されるサービスはユーザーにとっては非常にありがたいはずだ。

3. ユーザーに還元される経済的なメリット

ユーザーにより多くの情報を提供してもらうには、ユーザーに経済的なメリットを還元することが効果的である。この点については、商品に関するレビューや購入ガイド、ビデオレビューなどを備えた shopwiki が先んじて実施していた。

shopwiki は動画レビュー機能を実装する際にユーザー投稿ビデオを募集し、サイトに掲載されたものに対して一本あたり50ドルものお金を支払った。支払い総額は合計2万5,000ドルにも上るが、YouTube にアップロードされるような一般の動画とは異なり、商品の販売を促進する動画レビューであることを考えた結果であろう。

図3 shopwiki:トップページ


前述の ExpoTV もユーザーに様々な方法で報酬を与えている。アメリカ全土で入手可能な商品について動画レビューを掲載すれば、必ず5ドルが得られるほか、アップロードされた動画レビューは一回閲覧されるたびに1セントの収入をユーザーに生む仕組みを提供している。

また、ExpoTV に友人を招待した場合、抽選で100ドルが与えられたり、招待した友人が動画をアップロードすれば、双方に5ドルが与えられるなど、様々な収入の途を用意している。

このように、ソーシャルコマースと呼ばれる一連の潮流は、動画配信の仕組みやユーザーを参加させるインセンティブ体系を実装してきた。EC サイトで取り扱われる商品には、メーカーの提供するマニュアルで十分な情報を得られるものもあれば、フォーラム形式での Q&A が役に立つもの、一握りのエキスパートのレビューが支持されるもの、動画レビューによる訴求が効果的なものなど、様々なものがあるだろう。

ソーシャルコマースサイトも、今後は機能過多になることを避け、用途に応じた機能を選択してゆくものと思われる。その過程では、「いかに信憑性のある情報を提供するか」という部分が死活的に重要であるが、この点、リアルな交流に基づいた SNS、あるいは 1to1 での交流を促す SNS 的機能は、今後も非常に効果的なものであり続けるだろう。

【当コラム執筆は、Looops Communications 代表である斉藤徹と、同社企画部長の大迫正治が担当しています】


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