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株式会社デジタルフォレスト |
サイト構築・リニューアル時に忘れてはいけない事、サイト構築後の広告による誘導で見落としがちな事等をデジタルフォレスト社チーフコンサルタント前野有美が事例・アクセス解析データを活用してご説明いたします。
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ユーザビリティを極めても顧客志向にならないワケ
著者: 株式会社デジタルフォレスト 執筆:前野有美 プリンター用 記事を転送
▼2007年7月4日 10:00 付の記事
□国内internet.com発の記事
「弊社では Web サイトの検証プロセスにユーザビリティ評価を取り入れているのですが、改めてユーザビリティの評価をしていただけませんか?」という奇妙な問い合わせをもらった。
担当者にどのような問題意識を持っているのかを伺ってみたところ、おおまかに下記の疑問を感じているということだった。
・Aチームでは、「自分たちが作ったコンテンツは面白くてニーズがあるのだから、あとは広告を打てば人が来る」と言っている。それがそもそもプロダクトアウトになっているのではないか?
・Fチームでは、自社の強みを生かしてサービスを立ち上げたが、ユーザーから継続的に使われなかった。そもそも顧客志向ではないのではないか?
・Mチームでは他社の人気企画を自社サイトに持ってくれば人が集まるといって真似をしたが、本当にそれで良いのか?
■ ユーザビリティを疑え!
まず、ユーザビリティ課題整理の視点をいくつがご紹介する。
・サイト構造(情報の組織化と構造化が正しく行えているか)
・コンテンツ(必要充分なコンテンツが揃っているか)
・導線(サイト内での目的を達成するための導線が複雑ではないか)
・幅広いユーザーへの対応(訪問者の特性を考慮しているか、あらゆる環境からのアクセスを想定しているか)
・ワーディング(単語・説明は適切か)
・デザイン(画面デザインを行う上での一般的な原則は守られているか)
実際のユーザビリティ項目には、上記他の大項目をさらに細分化した中項目や小項目が設定されており、こういったユーザビリティ項目を用いれば、専門家でなくてもある程度、Web サイトのユーザビリティは評価できる。しかし、一歩間違えるとユーザビリティを損なう結果となってしまう。
例えば、みなさんも以下のようなことを知らずに実施していた経験はないだろうか?
・デザインルールを守らなければならず、クリック先のコンテンツの説明をクリック元に付すことができなかった
・必要充分な機能やコンテンツを揃えるために競合の Web サイトを調べて、競合の良い点を取り入れた
・幅広いユーザーに対応するためにアクセシビリティを取り入れた結果、無味乾燥なサイトになってしまったり、自社サイトの特長がよくわからなくなってしまった
・導線を複雑にするのはよくないので、あらゆるコンテンツにトップページからワンクリックで行けるようにした結果、総花的な印象になってしまい、結局、ユーザーに何をしてもらいたいサイトかわからなくなってしまった
ユーザビリティガイドラインに従うことは、考えないで済むという点では楽だ。ユーザビリティ評価やサイト構築の経験がなくても、ある程度までは Web サイトの評価をすることができる。しかし、ユーザビリティの問題点が100あったとして、それを順に改善すれば本当に顧客志向のサイトに生まれ変われるかといえばそうではない。本当の問題が何かを見極めることが肝要だ。
■ コンセプトが不明瞭な Web サイト
ユーザビリティ云々の前に、そもそもコンセプト不在の Web サイトを見かけることがある。こう話すと、「コンセプトのあるなしはどうすれば見分けられるのですか?」という質問を受ける。
コンセプトとは、その商品/サービスがどのようなもので、誰が使うのか、その人たちに与えるベネフィットは何かを表したものだ。ユーザー視点でも、きっとこのサイトはこういう目的で存在して、ユーザーにこういうことをさせたいのだろう、というところまでは判断できるが、正確なコンセプトは、そのサイトの運営者や製作者に聞かないとわからない。
わたしが考えていたサイトのメリットと運営者が考えていたサイトのメリットに乖離があり驚いたこともある。コンセプトについて問答した結果、「ユーザーが喜ぶはずとサイトを作ったのだが人が集まらないのでコンセプトから考え直す」という結論に至ることもあれば、「コンセプトは明確だが、それが訪問者に伝わらないような見せ方になっているので、ユーザビリティを取り入れたデザイン構築を行う」という結論に帰着することもある。
■ リピートが増えないのはユーザビリティのせい?
まったく競合がないなら話は別だが、多くの競合が存在する中でユーザーから支持されるためには、独自性(自社ならではの強み)が求められる。
先ほど、「必要充分な機能やコンテンツを揃えるために競合の Web サイトを調べて、競合の良い点を取り入れた」というユーザビリティで陥りがちな失敗例を挙げたが、競合で人気の機能やコンテンツを取り入れたところで「前よりは良くなった」とか「まあまあ満足」という評価をユーザーから得ることはできても、圧倒的に勝つことはできない。
「なかなか顧客から支持をされない」「リピートが増えない」というのは、ユーザビリティ以前の、Web 戦略やサイトコンセプトの問題であることが多いのだ。(参考:Web における戦略の重要性)
■ ユーザビリティ調査を行う際の留意点
ユーザビリティガイドラインを用いた調査を行うと、問題点が100も出てきて、どこからどうやって直していこうか戸惑うものだ。実際、揚げ足を取るような、または重箱の隅をつつくようなユーザビリティ調査レポートを読んだことがあるが、デザイナーも、「この指摘部分を一から順に全部直して欲しい」と言われても、指摘通り一つずつ直したら支離滅裂なサイトになってしまうし、非効率なので困ってしまうだろう。「木を見て森を見ず」にならないよう気をつけたい。
Web サイトを改善する際は、優先順位をつけることが大事だ。ユーザビリティ調査を行うと同時に、アクセス解析ツールで定量的にボトルネックの把握をしておくと客観的に優先順位がつけられる。アクセス解析データを確認すると、ユーザビリティ調査では問題があると書かれているが、意外に離脱が少なかったり、訪問者からよく見られていたりすることもある。Web サイトを評価する上では、定量的視点、定性的視点を持つことは非常に大事だ。
さて、あなたのサイトは、ユーザビリティに問題があるのか。それとも他に問題があるのだろうか。パーフェクトに顧客志向だというなら、それが一番良いことだ。
(株式会社デジタルフォレスト コンサルティング部 部長 前野有美)
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