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斉藤 徹・福田 浩至(さいとう とおる・ふくだ ひろし) |
SNSコミュニティを簡単に構築できるASPサービス Looops を開発。ビジネスへの戦略活用を提案している。
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第六十三回 「Enterprise 2.0の事例研究(6)手軽にカスタマイズできるオンラインアプリケーション」
著者: 斉藤 徹・大迫 正治 プリンター用 記事を転送
▼2007年10月9日 17:40 付の記事
□国内internet.com発の記事
企業で利用されるパッケージソフトは、財務会計や給与計算、顧客管理などの業務を効率化するために、定められた製品仕様に対して業務形態を平準化するように強いるものだ。しかし、企業には独自の業務が少なからず存在するため、その特徴にジャストフィットしたオリジナルのシステムを作りたいというニーズはなくならない。
しかし、オリジナルのシステムの発注には、様々な問題が生じることがある。ゼロから作り上げるためプロジェクト期間とコストが増大しがちであり、またパッケージソフトに比べて品質面でもリスクが高い。その上、発注側にシステムに関する見識が不足していると、仕様の漏れが発生したり、プロジェクト途中で仕様の変更が行われたりする。
このようなパッケージソフトとオリジナルソフトの課題に取り組み、ユーザー参加型の仕組みを取り入れつつ、隙間のニーズを埋めて急成長しているのが、LongJump や Coghead のような、オンラインで本格的なデータベース連携アプリケーションを作ることができるサービスだ。
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図1 LongJump
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図2 Coghead
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これらのサービスを利用することで、プログラミングの初心者であっても、ビジュアルな作成ツールによって独自のアプリケーションを容易に作り上げることができる。シンプルな問い合わせフォームから、複雑な給与計算システムまで、カスタマイズできる範囲は極めて広く、また開発コストも抑えることができる。
ユーザーの集合知を活用する仕組みとして、SNS や Blog などのコンシューマ向けアプリケーションを企業内に持ち込もうとしていた初期の Enterprise 2.0の考えとは異なり、アプリケーションの構造そのものにユーザーの集合知を活用するという意味で、こうしたサービスは新しいと言える。
1. 直感的な開発ツールの提供
従来なら、業務フローに変更が生じれば、それをシステムに反映させるためには、機能を定義し、設計し、開発するという一連の発注作業が必要だった。しかし Coghead や Zoho Creator などに実装されたビジュアルな開発ツールを利用すれば、ドラッグ&ドロップで極めて簡単にテキストエリアやチェックボックスなどの着脱が可能だ。
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図3 Zoho Creator:直感的な開発ツール
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また、扱うデータの相互関係も、ビジュアルな開発ツールによって定義することができる。ユーザーはデータと、データに対する命令を、フローチャート上で操作し、自在にデータベースと連携したアプリケーションを作る。組織変更に伴なう業務フローの変更や、考慮すべきデータの増減、ロジックの変更などに柔軟に対応し、ユーザーが欲しいと感じる機能に即応させることが可能になる。
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図4 Coghead:直感的な開発ツール
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2. 典型的なアプリケーションの提供
このようにツールが便利なものになっても、実際にゼロからアプリケーションを作るユーザーは少数派だ。そこで重要なのが、よく使われる典型的なアプリケーションはテンプレート化しておき、ユーザーが気軽にスタートできるようにしておくことである。前述のサービスの多くは、プロジェクト管理、営業支援、人材採用管理、バグトラッキング、財務会計、顧客ヘルプデスクなど、ポピュラーなアプリケーションをあらかじめ用意している。
ユーザーはこれらを一通り揃えておきながら、独自のビジネスロジックを少しずつ加えて使いやすいものにすることができる。ユーザーが作ったアプリケーションは、他のユーザーと共有することも可能だ。
すでに決まった枠組みの中でユーザーが情報交換をするだけでなく、枠組みそのものもユーザーの志向によって改善しようという試みは、Enterprise 2.0の一つの進化系だ。Salesforce が提供する force.com も、このようなプラットフォーム提供の一つの潮流であると言える。ビジネスにボトムアップで改革を起こすこのようなサービスは、今後のトレンドを形成してゆくだろう。
【当コラム執筆は、Looops Communications 代表である斉藤徹と、同社企画部長の大迫正治が担当しています】
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