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斉藤 徹・大迫 正治 斉藤 徹・大迫 正治(さいとう とおる・おおさこ まさはる)
SNSコミュニティを簡単に構築できるASPサービス Looops を開発。ビジネスへの戦略活用を提案している。

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最新コラム

第六十八回「オープン化する SNS〜facebook プラットフォームと OpenSocial」

著者: 斉藤 徹・大迫 正治 プリンター用 記事を転送
2008年1月9日 09:00 付の記事
□国内internet.com発の記事

今回は、「SNS のオープン化」を取り上げてみよう。SNS のオープン化とは、SNS への参加方法として登録制を採用していることを指し示した言葉ではない(日本では mixiGREE などの大手 SNS が招待制を採用しているが、欧米では SNS 勃興期から登録制を採用しているものが少なくない)。

オープン化の本当の意味は、SNS 内にユーザーが蓄積した情報を、ユーザーが自分の意志で SNS 外に持ち出したり、ある SNS と他の SNS の連携が可能となったり、そのような行動を実現するためのアプリケーションを外部の企業(サードパーティ)が開発したりすることを指す。

このオープン化が話題に上るようになったきっかけは2007年5月24日に遡る。当時ユーザー数世界第二位の SNS である facebook が、アプリケーション開発プラットフォームを、外部の開発企業向けに整備し、公開したのである。これ以降、facebook はオープン化時代の寵児となり、一挙に1万以上のアプリケーションを集め、ユーザー数を飛躍的に伸ばした。

これに対して Google が2007年11月1日に発表したものが、OpenSocial 構想だ。OpenSocial は facebook と対比されることが多いが、実際は次の点で異なっている。

1. facebook プラットフォームは単一 Web サービスの API だが、OpenSocial は複数の Web サービスの API を処理するための、高次元のプラットフォームである(プラグイン API とも呼ばれる)。

2. facebook プラットフォームでの開発では、FBML と FQL という独自の開発言語を使用する必要があるが、OpenSocial では、標準的な HTML と Javascript で足りる。

OpenSocial を使えば、複数の SNS 内で動くアプリケーションを開発でき、「一度学べば、どこでも書ける」ことが大きな特徴となっている。ただし、これは「一度書けば、どこでも動く」ということを意味しているわけではないので、注意が必要だ。

OpenSocial は、具体的には SNS 内に存在する次の3つの情報を汎用的に利用するものだ。

1. プロフィール情報(ユーザー データ)
2. 友人情報(ソーシャル グラフ)
3. 活動情報(アクティビティ ログ)

これらの情報を利用すると、例えば音楽関連サービスを運営している企業が、SNS の友人情報を使って、友達同士で好きな音楽リストを共有するアプリケーションを開発することが可能となる。また、映画関連サービスを運営している企業が、プロフィール情報に登録された、好きな映画に関する情報を利用して、趣味の合うユーザーとの出会いを演出するアプリケーションを開発することも可能だ。

OpenSocial には、すでに MySpaceLinkedinhi5Ning といった巨大 SNS が参加を表明しており、mixi も参加を表明している。また、facebook アプリケーション開発で実績のある SlideRockYou といった企業も、アプリケーション開発者として参加を表明している。

OpenSocial は未完成の部分も多く、開発者への API 公開は2008年2月以降になる予定だが、実現すると様々なアプリケーションが SNS を問わず利用可能となる。すると、テーマに特化していない一般型 SNS の場合は、OpenSocial に参加しないでいると一気に陳腐化し、取り残される可能性もある。

一方で、参加した SNS の間にも大きな差異がなくなり、生存競争が激化したり、ともすると Google がプラットフォームの立場を生かして、徹底的に標準化した SNS を提供したりすることもありうるだろう。今後の注視が必要だ。

【当コラム執筆は、Looops Communications 代表である斉藤徹と、同社企画部長の大迫正治が担当しています】



過去コラム集
第六十七回 「Enterprise 2.0の事例研究(10)Enterprise 2.0 システム導入のポイント」
第六十六回 「Enterprise 2.0の事例研究(9)クラウドソーシングを利用した商品企画」
第六十五回 「Enterprise 2.0の事例研究(8)オンラインオフィスツールによる共同編集」
第六十四回 「Enterprise 2.0の事例研究(7)企業内ソーシャルブックマークによる情報共有」
第六十三回 「Enterprise 2.0の事例研究(6)手軽にカスタマイズできるオンラインアプリケーション」
第六十二回 「Enterprise 2.0の事例研究(5)Wiki によるコンテンツ コラボレーション」
第六十一回 「Enterprise 2.0の事例研究(4)タスクの共有と相互マネジメント」
第六十回 「Enterprise 2.0 の事例研究(3)ユーザー参加の仕組みを利用した市場調査」
第五十九回 「Enterprise 2.0 の事例研究(2)フォークソノミーによる文書管理」
第五十八回 「Enterprise 2.0 の事例研究(1)ビジネス人脈を共有する」
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