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2009年1月26日 10:00
生活者の力をマーケティングに活かそう
生活者の力をマーケティングに活かそう 笠原 造(かさはら つくる)メールホームrss
「生活者参加型マーケティング」専門コンサルティングを展開する 株式会社ワールド・カフェ 代表取締役。SNS構築のループス・コミュニケーションズと共に、「ソーシャル・メディア活用の成功請負人」として活躍中。

生活者が企業のマーケティング活動に参加し始めた!

全世界の Blog の37%は日本人が書いている。驚くべき Blog 好き民族だ。また商品やサービスに対する日本人の辛口さは、世界にも類を見ないことで有名だ。特に日本女性は、類まれなる感性とその表現力によって、世界中のマーケッターから「特殊能力をもつ消費プロフェッショナル」として格別の敬意を払われている。

 
全世界の Blog の37%は日本人が書いている
全世界の Blog の37%は日本人が書いている

商品を手にした時の感想、満足したときの自慢、ちょっとした改善のアイディアなど。意識してみると、我々のさりげない普段の会話の中でもこのような話題が結構な割合を占めていることがわかる。

最近はネット上でも商品レビューなどを通じて商品に関係するような会話が増えてきた。また Blog や SNS などソーシャルメディアの急速な普及によって、生活者が自らの意見を世の中に発信し情報を共有することは当たり前のこととなっている。ちょっとした企業の対応ミスがもとで炎上したり、クチコミで予想もしなかった大ヒット商品が生まれたり。ネット上の会話は企業にとって大きな意味を持つようになった。

このように生活者と企業の関係は大きく変化した。マーケティングセンスが高い企業は、すでに従来型マーケティングの限界に気が付いており、顧客との会話をマーケティングの核として取り入れはじめている。すわなち、SNS などを活用したオンラインコミュニティを構築し、生活者との対話から価値を創造するマーケティングで新たなイノベーションを実現しようとしている。

■SNS はもう飽きられたか?
昨年の後半から、「半数以上が SNS への興味を失っている」、「SNS へのアクセスが減っている」などといったデータが相次いで発表され、すでに SNS が飽きられたかのような印象がある一方で、SNS をフル活用した Obama が地滑り的勝利を果たし、オンラインコミュニティにより顧客の集合知を活用する P&G や DELL が「21世紀型の顧客中心経営」と称賛されている。

ネット上でのコミュニケーションは、一般の人にとってさほど興味が持続するものではない。「コミュニケーション自体が目的」になっている SNS が飽和状態になりつつあるのはそのためだ。一方で、SNS を集合知を創り出す手段として利用し、顧客がほしい情報を提供しながら、その対話をマーケティングに活用する動きは着実に広がりを見せている。また多くの先進的な成功事例が生まれてはじめている。

コミュニケーション自体が目的になっている SNS が飽和状態になりつつある一方で、SNS をコミュニケーションの手段としてマーケティングに活用する動きが広がっているのである。

こうした動きについて、米国の調査会社ガートナー社は、次のように発表している。

「フォーチュン誌の上位1,000社の60%以上が、2010年までに何らかのオンラインコミュニティを持ち、マーケティングに活用するようになるだろう」

企業は、自社でオンラインコミュニティを持つようになり、顧客との関係性を構築し、商品開発、ファン醸成、販促、販売、アフターフォローなどのプロセスに顧客を参加させて、マーケティング活用するようになるということである。

しかしながら、続けてこのようにも言っている。

「一方、2010年までにオンラインコミュニティを設立した企業の50%以上は、顧客と共通の目的の設定に失敗し、顧客との関係を徐々に悪化させる可能性がある。これを回避し、ネット利用新世代のニーズを把握して将来の振る舞いを予測するためにマーケティング企業は社会科学を応用する他、顧客との対話を促進する環境作りのスキルなどが必要になる」

「顧客と共通の目的の設定」や「顧客との対話」が、「活用」や「失敗」のキーポイントであるということだが、その背景には、生活者と企業の関係の抜本的な変化がある。

マーケティングの主導権はもはや企業にではなく、生活者にある。

このことを正しく認識している企業は、生活者との絆をつくり、「対話」によって大きな成果を生み出している。一方、従来の企業中心の発想から抜けきれない企業は、生活者との関係性を悪化させてしまうことになる。

■コラムもクラウドソーシングで
本コラムでは、このような生活者と企業の関係の抜本的な変化における本質を捉えた上で、国内外の事例を交えて、どうようなマーケティング活用方法があり、その成功・失敗のポイントは何なのかということを明らかにしていきたい。

集合知の活用について書かれた名著「クラウドソシ−ング 世界の隠れた才能をあなたのビジネスに活かす方法」(バリー・リバート、ジョン・スペクターほか著、英治出版)が4,000人のクラウド(群衆)によって書かれたように、このコラムもみんなの知恵によってつくりあげていきたいと思っています。ご質問・ご意見・情報などをメールでお送り頂ければ幸いです。


執筆:株式会社ワールド・カフェ 代表取締役 笠原 造
監修:株式会社ループス・コミュニケーションズ 代表取締役 斉藤 徹

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