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CGM をいかに有効的に活用するかで“広告”の明暗は決まる!

近年、インターネット広告の掲載手法は、既存の方法から新しい方法へとシフトチェンジしてきている。

これまでのインターネットメディアは雑誌や書籍などと同様に、プロの書き手と編集者が内容を構成していく「出版社型」の事業モデルが多かったが、Web2.0 を初めとするインターネットの進化と、その進化の賜物である双方向的情報交換の実現によって、インターネットに精通した専業の業者以外の一般人でも、簡単に情報のやり取りが可能になった。この“情報”が非常に重要なものとなっている。

販売側の立場としては、「消費者にいかに購買してもらえるか?」ということを日夜考えているだろう。

それゆえに、あらゆる広告を駆使して消費者に商品の良さなどのアピールポイントを伝えたり、芸能人などを起用してイメージを高めていくわけだが、当然のことながらこれらは広告主がその商品を“売る”ために計画されたブランディングであり、消費者が真に求めている情報ではないことが多い。

また、実際にこのようなブランディングを行ったとしても、広告主は一方的なアピールしかできず、その内容が消費者に響かないことがある。

消費者の購買から、実際に購買した後の行動を示すマーケティング概論に「AISAS の法則」(※)があるが、上述されたケースでは、「AISAS の法則」の“A(Atention)”、“I(Interrest)”までしか達成することはできない。つまり、購買するか否かは、その後の他メディア、あるいは他の消費者から発信された情報を見ることで決定される。

消費者にとって、他の消費者からの情報は非常に重要であり、しっかりと書き込まれた戦略的な文章や意見などではなく、ユーザーとしての生の声や実体験を求めている。

つまり、消費者は膨大な量の情報をインターネットを介して簡単に集めることができるようなり、単にブランディングを行うだけの商品販促では、その効果も危ぶまれつつあるわけだ。販売戦略をとらなければならない担当者は、この“他の消費者”にあたるメディアをうまく利用しなければならなくなった。

これらの一般消費者の声を、1つのメディアと捉えた典型例が CGM(Consumer Generated Media)といわれている。ひとつに CGM といってもその内容は多岐にわたり、口コミサイト、Q&A コミュニティ、SNS、Blog、COI(Community Of Interest)サイトなどが含まれる。

これら CGM は、広告主の戦略から外れた利害関係のない自由な意見と、その商品を実際に使用した感想やメーカー側の対応など、通常は訴求されないポイントまで知ることができるため、消費者にとっては重要なサポート環境となっている。

消費者の行動は、商品やサービスの提供を受けることだけにとどまらず、それらを共有して情報として発信する役目を担うわけである。まさにメディアそのものである。

しかし、これらの情報は消費者の購買行動サポートにのみに利用されるものというわけではない。普段から一般的な広告展開を行っている企業は多々あるが、それらはすべて消費者の意見が反映されたものではない。いわば、売りたいポイントのみに絞ったメーカー偏りのものであることが多いはずだ。

また、この手の広告はメーカーに偏った内容であるがために、実際に消費者の声を拾うことのできない一方的な広告となってしまうことが多い。結果として、売れない場合に何をどうすれば消費者に受け入れてもらえるのかがわからず、商品やサービスの改良に手を焼くことになるだろう。

しかし、CGM を有効に利用した場合、消費者の率直な意見を積極的に取り入れることができ、なおかつ改善ポイントが明確になるため、消費者寄りの広告として再編することも可能だ。

CGM は一般消費者のサポートだけではなく、メーカーにとっても非常に有益な情報を取得できる貴重なメディアとなっている。ただし、一般消費者が広告塔となっていることから、表現の自由が許される環境であることを理解していなければならない。

仮に、ある商品の書き込み内容が、その商品を痛烈に批判するような内容であっても、そこは1消費者の声としてしっかりと受け止めなければならないだろし、それによって大きなショックを受ける覚悟も持っておく必要はあるだろう。それこそが本当の意味で、消費者の“声”を反映させた広告といえるのだ。

逆を言えば、消費者に販促の手伝いをしてもらう気持ちでいれば、プロモーションにおける効果は劇的によくなるだろう。つまりレビューである。レビューとは、ある規定数以上の PV を持ったアルファブロガー(インフルエンサー)達に実際に商品やサービスを提供し、それについての感想を Blog 内に記載してもらうという一種の広告手法である。

事前に改善点などのマイナスポイントを判断してもらった後で、改良後にその商品の良さやアピールポイントを記載してもらうため、いきなり悪い内容を書かれる心配は少ない。また、Blog という消費者と非常に近い立場のメディアからの発信であることから、消費者としても信憑性を得やすいのである。

特に有名なブロガーともなれば、そのブロガー自身がすでに広告塔となっているため、その Blog のファンなどが真似て商品を購買したり、サービスを利用するはずである。

リアル店舗における「○○も愛用…」などの、キャッチコピーで消費者を集めている手法と変わりはない。違いがあるとすれば、より大々的な訴求が可能という点である。このレビューや、それに似た手法である口コミは、CGM を広告メディアとした場合に最も効果的な手法といえるであろう。

しかしながら、個人消費者が運営しているからこそのデメリットも、もちろん存在している。上述に記載されているが、ある商品を痛烈に批判するようなコメントも少なくない。これが意図して記載された文章であったらどうだろう。そう、サクラである。

CGM はメディア運営者が個人となるため、表現の自由がある程度は許されている。それを逆手にとって、ライバルメーカーの人間が自社の商品が優れていることを伝えるために、意図してライバルメーカーの商品を批判したりするのである。残念ながらこのような状況は CGM においては、ごく当たり前のように存在する。そして、これらを取り締まるような方法は今のところ皆無である。

先ほど、表現の自由が許されていると伝えたが、それはあくまでも一般常識範囲での記載内容であり、公序良俗に反するような記事やメディアは、必然的に排除されていくだろう。しかしながら1口コミ、あるいは1意見として商品を批判することはごく自然の行為であり、そこに制裁を加えることはできないのだ。

CGM は、実はインターネットが誕生した瞬間から始まっていたようなものである。世界中に向けてあらゆる文章、画像などを発信する仕組みがインターネットだからだ。

つまり CGM は、新しい手法と言いながらも、実は最も原始的な手法でもあるわけだ。しかもこの CGM は、インターネットというプラットフォームを最大に活かしている可能性に満ちた手法である。インターネットは CGM のためにあり、CGM がインターネットにおける最終的な目指すべき姿なのだと思う。

どのような広告手法でも、あるいはどのような社会でも、明と暗が常に背中合わせになっており、明とするか暗とするかは、それを利用するユーザーの気持ち1つである。

今後ますます発展していく CGM の世界において、原点であり進化系でもあるこのメディアを有効に活用していくことは、インターネットそのものを進化させることにも繋がるだろう。そのためには、消費者に対し CGM の利用に関して意識を統一させる努力や、メーカーなど広告主側の協力と理解が不可欠となる。もちろん、インターネットに精通したネット業界に所属する方々の協力も不可欠だ。

今後、このような取り組みの結果として、インターネットというプラットフォーム上に一大情報共有メディアを築きあげた際は、そこには確実に今とは異なる新しい広告の形があるのではないだろうか。その未来の芽を摘まないためにも、CGM の明暗を明確に理解した上で、消費者と一体となった広告手法の取り組みを行っていきたい。

※ AISAS(アイサス)の法則
Attention(注目)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(行動)→ Share(共有)の頭文字を取ったもので、マーケティングの世界では長らく使われてきた「AIDMA(アイドマ)の法則」に変わり、インターネット時代の新たな消費者行動のプロセスとして注目されている。

(執筆者:株式会社ネットマーケティング 日向紀隆)


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