Linuxベースのシステムインテグレータのホライズン・デジタル・エンタープラ
イズ社は、この度、リアライズ社が主催する「論文」を中心とし
た書籍・PDF販売サイトの構築をする。
リアライ
ズ社は、扱う商品が「論文」であるという点で、従来の書籍販売サイ
トとは異なり、極めて特長的なサイトを開設する予定である。
リアライズ社は、東京大学
赤門のすぐ近くにある、論文の製本や学会誌の発行やセミナーの開催
をしている会社で、「火力・原子力および化学プラント機器・構造部
材の経年劣化と寿命予測 」から「次世代ULSIプロセス技術」まで極め
て専門性の高い書籍を幅広く網羅している。
今、インターネット界はコンテンツを求めている。トップページは
立ちあがったが、コンテンツが無くて苦労しているポータルサイトや
プロバイダは山のようにある。
そんな中で、リアライズ社の膨大
な蓄積は貴重だ。論文は毎年何十万、何百万と生み出される。そし
て、それらの半数以上は英文で書かれており、かつ、最近はことごと
くデジタルのデータとして生み出されている。この二点は注目に値す
る。
英文で書かれていることは、そのまま世界に通用するコンテンツであ
ることを意味し、デジタルデータであることは、特に加工をする必要
無くインターネットのメディアに載せることができるということを意
味している。リアライズ社のインターネットへの進出は、半ば必然的
だったと言ってもよい。
書籍販売サイトとして有名なのはAmazon.comだが、「インターネッ
ト本屋」がアメリカでこれほどの成長を見せたのは、そもそもアメリ
カでは、歩いていける場所に本屋が少ないという事情があった。ま
た、すでに日本では、kinokuniya.co.jpが頑張っている。
kinokuniya.co.jpがサイトとして成立できたのは、紀伊国屋とい
うブランドを生かして、日本でのデファクトを取ることができたから
である。
今後進出するどの「インターネット本屋」も、このブランドに呑みこ
まれてしまわないサイトを構築するために、新たな特徴を打ち出す必
要がある。そして、そこに至る一番の近道とは、ちょうど大型書店に
のまれることなく専門書店が生き残っているのと同じように、書籍の
市場のセグメントを細かく切り分け、そのセグメント内でのデファク
トをとることである。リアライズ社はまさしくそこを狙っている。
こうして今年、数万件規模の書籍・PDF論文オンライン販売サイトが
登場することになるのである。
決済にはCyberCash社のCashRegisterを利用する。オンラインで決
済をし、その場で与信を行い、与信が通れば、すぐにでもPDFをダウン
ロードできる。この即時性は他の決済方法に比べ一番の利点である。
ただ、法人客も多いため、法人カードの普及の少ない日本の市場
でどの程度有効なのか、はじめてみないことには分からない部分もあ
る。他方、海外に目を向けると、書籍発送の手間や入金確認等の処理
を考えると圧倒的にカード即時決済は優位である。
構築するシステムのOSには、Linux(RedHat5.2)を採用。データベー
スは、SybaseASE 11.0.3。書籍やPDFの検索や一覧表示には、PHP3.0
及びphplibというライブラリを用いる。クレジットカード決済システ
ムには前述のCyberCashと、それに付属のPerlスクリプト。ブラウザ
上からのデータ送信の暗号化には、SSLを用い、Verisignからの認証
を取ることにした。さらに、日毎の取引データの転送には、SSHの暗号
化されたFTPを使う。
ハードウェアには、Linux向けハードウェアベンダーとして有名なぷ
らっとホーム株式会社(東京都千代田区)から、Linuxでの動作に特に
実績のあるものを選んでいただくことになった。公開用サーバはPSI
(ピーエスアイネット株式会社・東京都品川区)のレンタルスペース
(場所貸し)をレンタルし、テスト用に社内にもサーバを設置、計二
台で運用する。
社内側には、校正用のPDFファイルも置くため、HDDはかなり大きな
ものが必要になる。PDF1ファイルで大体2〜3MBあり、それが当面は
1000〜2000、半年後で大体10000種類を見越しているので、最低でも
実質18GB×2のHDDを用意してもらうことにした。サーバにはRAIDを利
用したかったが、ぷらっとホームさんからの情報によれば、現時点で
ホワイトボックス用のRAIDで安定稼動実績のあるものが少ないとのこ
とで、今回は見送りにした。代わりに、システム部に関しては毎日の
定期バックアップを、データベース部に関してはSybase ASEのミラー
リング機能を利用することにした。
管理はすべてブラウザ通しで行うことになる。将来的に社内の基幹
システムをすべてブラウザ通しにする話もでてきており、そうなれば
まさしく「オール・イン・ウェブ」のシステムが構築されることにな
る。
情報提供:サイバーキャッシュ株式会社