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ウェブアンケート分析者の憂鬱 まずはご報告とお礼から。先日、このコラムで告知させていただいた「スパム(迷惑メール)についての意識調査」は、年末のお忙しい中、約3950件のご回答をいただきました。ありがとうございました。集計結果は、後日このコラムで報告させていただきます。
ウェブマスターを対象にしたセミナーや講座を担当させていただく機会も多いが、そのカリキュラムの中で比較的多くの時間を割いて説明するのがウェブアンケートである。ウェブアンケートは、低コストでサイトへ集客ができ、顧客の生の声が収集できて、集計結果の発表がコンテンツになるなどのメリットがあるため、ウェブマスターに実践を強く推奨している。 たいした賞品を提供しなくても短期間で数千の回答を集められるのは、いわゆる懸賞サイトに情報を登録するからである。見込み客の集客という観点からは、懸賞目的の人をいくら集めても売上につながらないしフォローする手間がかかりマイナス、という反論もあるだろう。懸賞目当ての人も多いから、コンバージョン率が悪くなるのは当然。ただし、ゼロではないし、工夫次第で上げることもできるはずだ。 ウェブアンケートというと、とかく低コストで早くアンケート調査が行えることが強調されがちだ。確かに、従来の方法にくらべてコストが安くつくことはメリットの一つだろう。しかし、私はウェブアンケートの最大のメリットは、回答者の本音を聞きだせることだと思っている。 話は1999年に遡るが、ある総合週刊誌の企画として「サラリーマン1万人アンケート」をウェブで実施させていただいたことがある。質問は計36問と長いうえに、上司への不満、年収・貯蓄額、夫婦生活、過去の不倫体験など、プライバシーに踏み込む質問が多かったにもかかわらず、2週間程度の実査期間で約17000件の回答があり、うち約11000件がサラリーマンで、さらにそのうち約1000件が「課長」の肩書きを持った人であった。 その時、ウェブアンケートに回答する人は決して一部の層に偏っているわけではないこと、直接聞きにくいことでもウェブアンケートなら本音を書き込んでくれる人が多いことを実感したのである。 ウェブアンケートの効果を上げるため、回答者数を増やす工夫をすることは大切である。しかし、高価な賞品をつけると、複数のメールアドレスを使いわけた重複回答や、「お世辞」的なフリーアンサーが増えてしまう。インターネットでアンケート応募支援ソフトなるものがフリーソフトとして配布されている。複数の氏名やメールアドレスを使い分けたり、好意的な長文の意見をクリック一つで入力できる機能を持っていて、アンケート分析者からすると全く困ったソフトなのである。 弊社実施の今回のアンケートでも、商品券がわずか1名、その他を合わせても総額2万円程度のものが当たるだけなのに、氏名とメールアドレスは異なるものの IP アドレスが同一で回答時刻もほぼ同じ、という例がいくつかあった。同居している別人と同じパソコンでインターネットを楽しんでいて一緒にアンケートに回答してくれた、という可能性がないとはいえないが。 もちろん、不正回答と思われる例は全体から見ればごく僅か。サンプル数が多ければ、誤差として無視しても問題ないのかもしれない。ただ、高額賞品のついたキャンペーンでは、このような巧妙な重複回答の割合も高いんだろうな、と人事ながら心配してしまう。 ウェブアンケートの回答を、より公正でより代表性の高いものにするために私が心がけていることは、「射幸心を煽らない適度な賞品」に加えて、「アンケートのことをできるだけ多くの人に知ってもらう工夫」である。リーチを広げようと、バナー広告やメールマガジン広告などを多用すると実査コストが高くなる。かといって、クローズドなコミュニティだけに告知を絞り込めば、目標サンプル数は手堅く集まるかもしれないが、代表性が著しく低下してしまう恐れがある。 ウェブアンケートの信頼性とコスト優位性を両立させるためには、まだまだ努力が必要だと痛感する日々である。 関連テーマ
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