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.com ドメインの価値 弊社では、pianissimo.com というドメインネームを1995年2月の登録以来、ずっと使ってきた。いわゆる「ドット・コム」ドメインを選択したのは、当時、co.jp ドメイン取得にかなり高いハードルがあったのに対して、.com ドメインならアメリカでレンタルサーバー契約するだけで比較的簡単に取得可能だったためである。
ドメインネームは基本的に「早いもの勝ち」なので、一般名詞など人気の高い .com ドメインが高値で売買されるなど弊害も生じた。最近では、なんとか自社の社名やブランドをそのままドメインネームに使用したいという要望に対応する狙いもあってか、様々な種類のドメインネームが登場している。Network Solutions のサイトでも、従来の.com や .net などに加えて、.tv、.us、.info など計9種類のドメインの登録が可能になった。これ以外にも、.shop ドメインなど、次々新しいドメインがデビューする予定になっている。 一方、忘れられかけていた汎用ドメインの多言語対応もようやく動きだして、日本語.com や日本語.jp などのドメインも見かけるようになった。 ウェブマスターにとって、ドメインネームの選択も大きな課題である。特に、これまで希望のドメインネームが取れなかったために、やや不本意なものを使ってきた企業にとって、最近登場した新しいドメインネームに乗りかえるべきかを判断しなければならない。 ただし、日本語.com などのいわゆる「日本語ドメイン」は今後、普及するとは思えない。調べてみると、地方自治体など公的組織に日本語ドメインを併用するところが多いようだが、どうやらパソコンや英語が苦手な高齢者にやさしい、アクセシビリティに考慮したドメインネームと誤解しているフシがある。 一方でドメインの種類が増えたため、紛らわしいドメインネームがいくつも存在するようになり、個人的には相対的に .com ドメインの価値が上がるケースもあるのではと思っている。ここでいう「価値」とは、ドメインネームの転売価格という意味ではない。 .com ドメインの価値を実感した「事件」があった。ある .com の管理を代行しているのだが、そのドメインネームを仮に kamei.com としよう。kamei は、日本語としては誰もが知っている単語で、この単語ズバリの名前がついている会社も少なくない。当然、このドメインネームを使いたい会社も多かったはずである。 私のもとに、たまに間違いメールが転送されてくる。プロパティを見ると、kojinmei@kamei.com あてになっている。本来は kamei.co.jp とか kamei-japan.com が正しいのだろうが、送信者が kamei.com と思い込んでいたために、間違ったメールアドレスを入力してしまったのが原因である。それだけ .com がデフォルトというイメージが強いのである。 ドメインネームは、ウェブサイトへアクセスする際の URL や、電子メールアドレスに使われる。URL の場合、間違ったドメインネームを入力すれば、別の会社のウェブが開き、その時点で間違いに気づくから特に損害は生じない。ところが、電子メールアドレスのドメインネーム部分を間違えてしまうと、電子メールが全くの他人に届いてしまう可能性がある。エラーで戻ってくればラッキーだが、誰かのメールボックスに届いてしまうと、受信者が知らせてくれない限り、間違えて発信したことに気がつかない。 で、私のところに迷い込んでくるメールは、新年会のお誘いであったり、個人的な近況の報告であったり、どうでもいい内容のものが多いが、先日、大きなファイルが添付された英文のメールがハワイから届いた。どうやら、日本企業が M&A に絡んで、あるアメリカ企業の内情を詳しく調査させたレポートらしい。文面を読むと、本来の受信者は、かなり急いでいた様子が伺える。 間違えて送った方が悪いんだし、他人に見られてマズいものなら暗号化するはずだし、このメールは見なかったことにしよう、とつぶやきながら削除したが、後味の悪さが残ったのは言うまでもない。 顧客の個人情報はウェブから漏洩するが、会社の機密情報はメールで漏洩する、というのは本当のようだ。 関連記事
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